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水戸
水戸
今季のみどころ
昨季ホーム最終戦でかろうじてJ2残留を決めて安堵したのも束の間。シーズンオフに主力の多くがチームを去ってしまうこととなってしまった。西ヶ谷隆之監督が今季も引き続き指揮を執るとはいえ、また土台からのチーム作りを余儀なくされている。
ただ、補強に関して「ほしい選手を獲得できた」と西ヶ谷監督が口にするように、選手が抜けた穴埋めに留まらず、上乗せを期待できる補強ができたと言えるだろう。その代表格が大分から加入した兵働昭弘だ。昨季はリーグ最多のアシストを記録。J3に降格したチームの中で際立った働きを見せた。その正確無比な左足から多くのゴールが演出されることが期待される。
また、4年ぶりに水戸に戻ってきたロメロ フランクの存在も大きい。昨季は山形でJ1デビューを果たし、年間通して主力としてプレーをした。その経験がさらにプレーの幅を広げた。力強いプレーで攻撃をけん引してくれることだろう。そのほかにも佐藤和弘や萬代宏樹といった実績ある選手を補強して縦の軸を安定させるなど、若手主体で臨んだ昨季の反省を生かしたチーム作りが行われた。
一方、20歳前後の若手も多く獲得。シーズンを戦いながら、彼らを成長させていくことによって、チーム力を向上させていく狙いだ。現状の主軸と若手の台頭が融合したとき、このチームは大きな力を発揮することだろう。
大幅にメンバーが入れ替わり、コミュニケーションやベースの構築など不安要素はある。ただ、それ以上に期待感を持ち合わせたチームであることは間違いない。昨季の苦しみを力に変えて、上位進出を目指す。
Reported by 佐藤拓也
開幕時の予想布陣
今季も基本は4-4-2が予想されるが、状況に応じて様々なシステムを使い分ける柔軟性を備えたチームとなりそうだ。試合や状況によって使い分ける西ヶ谷隆之監督の采配に注目したい。GKは笠原昂史が沖縄キャンプ中に負傷したため、本間幸司のスタメンが濃厚。今季も「水戸のレジェンド」が水戸ゴール前にそびえ立つ。
両サイドバックは新加入の「W佐藤」が一歩リード。佐藤祥はアグレッシブなプレーで、佐藤和樹は正確な左足のクロスで猛アピールしている。中盤はこの4人の組み合わせとなりそうだが、いずれも「足元で受けるタイプ」だけに、アクセントとしてドリブラーの湯澤洋介の存在がカギを握ることとなるだろう。
最も激しいポジション争いが行われているのがFWだ。トレーニングマッチや紅白戦でチーム最多のゴールを決めている萬代宏樹が監督からの信頼を最も勝ち取っており、開幕スタメンに最も近い位置にいる様子だが、三島康平、佐藤和弘、山村佑樹らも存在感を発揮しており、誰が試合に出てもおかしくない状況。それぞれ個性が異なる選手が揃っているだけに、むしろ、状況に合わせて、選手の組み合わせを変えられるのが強みと言えそうだ。そして、上記に名前が記されていない若手選手たちがいかに成長し、絡んでくるかが今季の最大のポイントとなる。若手の台頭に期待したい。
Reported by 佐藤拓也