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C大阪
C大阪
今季のみどころ
昨シーズンのJ2にて、2位磐田と勝点15差の4位。J1昇格プレーオフ決勝では、残り3分で喫した失点により3位福岡と引き分け、大会規定により、1年でのJ1復帰を逃したC大阪。土壇場で喫した屈辱を糧に、今季こそはJ1復帰という目標達成へ、クラブ、チーム全体が、不退転の決意で挑む覚悟だ。
それは陣容を見ても一目瞭然。絶対的な存在だった山口蛍こそハノーファー(ドイツ)へ移籍したものの、玉田圭司、キム ジンヒョン、山下達也、関口訓充をはじめ、主軸のほとんどがチームに残留。そのうえ、クラブ生え抜きの至宝である柿谷曜一朗がバーゼル(スイス)での1年半の経験を得て復帰を果たしたのを筆頭に、日本代表にも名を連ねた杉本健勇(川崎F→)、ドルトムント(ドイツ)で研鑽を積んでいた丸岡満も、C大阪のJ1昇格のために戻ってきた。また、鹿島の山村和也や金沢の主将としてチームを牽引した清原翔平などの実力者が加わり、さらに中国リーグで活躍したブルーノ メネゲウやリカルド サントス、ブラジルでも評価の高いボランチの1人のソウザも新たに迎え入れた。
そして、今季からJ3にはC大阪U-23チームが参入。クラブ本来の「育成型」を強固にしていく環境も整備。戦力もハード面も揃ったなか、昨年の反省も踏まえて、あの福岡戦での失点直前からアディショナルタイムにかけての計8分間に凝縮された課題も教訓に、チーム一丸となって、J1昇格、J2優勝を、今年こそ必ず勝ち取る。
Reported by 前田敏勝
開幕時の予想布陣
ベースは昨シーズン終盤戦でも大熊清監督のもとで採用していた4-4-2、もしくは4-5-1。GKはキム ジンヒョンが、昨シーズンのケガの影響でリハビリスタートとなったため、開幕に間に合うかどうかは流動的。ただし、丹野研太ら実力者は揃っている。山下達也が軸となるDF陣では、松田陸が右サイドバックで活きのよさを見せてアピール中。
チームリーダーだった山口蛍の抜けたボランチについては、ブラジル人MFソウザと山村和也という新たな組み合わせも試されているが、それぞれに特長を持つ扇原貴宏、橋本英郎、秋山大地が先発してもまったく不思議ではない。攻撃的MFでは杉本健勇がキャンプ中から存在感を示しており、ブルーノ メネゲウも攻守に推進力を発揮。そこに昨シーズンの主軸である関口訓充や、丸岡満、清原翔平という期待の新戦力も、持ち前のハードワークでレギュラー争いに参戦中だ。
最も層が厚いFWでは、玉田圭司と柿谷曜一朗というW杯出場経験コンビは今季の目玉となりそうだが、リカルド サントスや田代有三という経験豊富なターゲットマンとの並びも想定され、大卒ルーキーの澤上竜二も体躯の強さをいかして練習試合からゴールに絡むなど一気に評価を上げている。
昨シーズン最終節からピッチでタクトを振るい、イレブンの士気を蘇らせ、今季もチームを指揮することになった大熊監督のもと、攻守が一体化したサッカーでJ1復帰を目指す、2016年のC大阪。開幕の町田戦で、早速、その真価が問われる。
Reported by 前田敏勝