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磐田
磐田
今季のみどころ
3季ぶりのJ1復帰となるジュビロ磐田だが、戦い方を大きく変えることなくプラスアルファを上乗せして臨む。
ジェイ、アダイウトン、カミンスキーの外国籍3人がいずれも大活躍を見せ、日本人選手も高いパフォーマンスを披露した昨季、磐田は自動昇格圏の2位に入った。オフに退団する選手はいたものの、新たに加わった選手たちも実力者ばかり。陣容は昨季よりむしろ充実している。新加入選手たちが「名波監督のチームでプレーしたかった」と口を揃えたように、指揮官の存在も磐田にとって大きい。
攻撃力が魅力の左サイドバック中村太亮は、プレシーズンからアシストを記録するなど早くもチームにフィット。始動からわずか1週間ほどで状態を「50%くらい」というところまで上げるなど、仕上がりの良さを感じさせる。名波浩監督と同じく清水商業高(現清水桜が丘高)出身の齊藤和樹も、Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ鹿児島ラウンドで“初ゴール”を記録するなど、攻撃陣を活性化させそうな雰囲気が漂う。
J1仕様のチームを作り、目標通り昇格を果たした。対戦相手のレベルも上がるため、昨季のような戦いを見せられるかはシーズンが始まってみないとわからない部分もある。それでも、大きな期待を持って開幕を迎えられるのは確かだ。
Reported by 青木務
開幕時の予想布陣
名波監督は「4-2-3-1を基本に」戦う意思を表明している。
最前線にはジェイを筆頭に森島康仁、中村祐輝といった顔ぶれが並ぶ。さらに高卒ルーキーの小川航基もJリーグ・スカパー!ニューイヤーカップでゴールを決めるなど積極的なアピールを見せている。
2列目も特徴の違う選手が揃う。昨季はアダイウトン、小林祐希、太田吉彰、松井大輔が多くの試合に出場し、今季も活躍が期待される。そこに齊藤和樹、期限付き移籍から復帰した山本康裕、2年目の清水貴文や大卒1年目の荒木大吾といった面々が絡んでくればポジション争いはさらに活性化する。
ボランチは上田康太、川辺駿、宮崎智彦が核となるが、「3人だけとは全く思っていない。日頃の練習からアピールしていかないと、自分にもチャンスは回ってこないと思う」と、ゲームキャプテンの上田は気を引き締めた。
最終ラインは伊野波雅彦、駒野友一らが退団したものの、補強は周到に行われた。宮崎もプレーできる左サイドバックには中村太亮が名乗りを上げた。センターバックには大井健太郎が6年ぶりに復帰し、元日本代表の高木和道を獲得。豊富な経験も重要なセンターバックだが、30代の選手が多いのは気がかりか。チームの生命線でもある前線からのプレスを機能させ、後ろを助けたい。
今季も最後尾に守護神のカミンスキーがいるのは心強い。始動直後は身体のケアに時間を割いたが、J1の舞台でも彼の神がかり的なセーブは欠かせないものになるだろう。
Reported by 青木務