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長崎
長崎
今季のみどころ
昨季はチームのコンディション調整に予想以上に時間がかかり、十分な準備ができないままシーズンイン。攻守に不安定さを露呈して得点、失点、順位の全てにおいて過去最低の成績となってしまった。
5年目の指揮となる高木 琢也監督は、選手たちに始動日の時点で動ける状態に仕上げてくるように指示し、始動日初日の午後からは早速ボールを使ったトレーニングを行うなど早めのチーム作りを強く意識。加えて、大幅にメンバーが入れ替わったことを意識してベースとなるメンバーを固定化していった結果、「自分たちでボールを動かす」という攻撃的なスタイルを浸透させる時間に多くを割くことができた。「今季はワイドの選手に1トップ、シャドーに次ぐ第3のFWのつもりでプレーして欲しいと伝えた」と高木監督が言うとおり、積極的にゴールを狙うサッカーが展開されることだろう。
また、これまでのチームでは、ボールをつなぐように指示を受けると、つなぐことを意識し過ぎてゴール前で仕掛けきれない傾向が強かったが、今季のチームはGK増田 卓也やDF田代 真一といったフィードを得意とする選手が最終ラインに揃ったことで、状況にあわせて一気に長いボールを入れることができる点も特徴だ。1トップにボールをおさめられるファンマが入ったことで、長短どちらのパスからであっても、2列目、3列目の攻撃を引き出すことができるようになっており、過去最も攻撃的な長崎を見せることができそうだ。
Reported by 藤原 裕久
開幕時の予想布陣
昨季は一時期、3-5-2のシステムで戦ったが、攻守のバランスを考慮し今季も3-4-2-1がベース。
多くの選手が入れ替わる中で目を引くのが、1トップに入るクラブ初のスペイン人ストライカーのファンマと、清水から加入した澤田 崇だ。188cm80kgのフィジカルと足元でボールをおさめられる技術を持つファンマと、鋭いドリブルで切り込むプレーを得意とする澤田は、始動から常にファーストセットで起用されており、攻撃の軸と期待されている。澤田と組むもう1人のシャドーには幸野 志有人、木村 裕が激しくポジションを争っている一方で、田中 輝希、吉岡 雅和にもチャンスがある状態。
両ワイドは右に飯尾 竜太朗、左に古部 健太という運動量に優れ、献身性の高い2人の起用が濃厚だが、それぞれ福田 健介、翁長 聖という計算できる選手も控えており、調子次第で起用に変化が生まれそうだ。
チームの核として高木 琢也監督が重視するボランチは、岡山から加入したレフティの島田 譲が定位置を確保しているが、残る1枠を巡って前田 悠佑、宮本 航汰といった選手の起用以外にも補強選手を獲得する動きまであり、直前まで見極めが必要になると思われる。
一方で最終ラインはGK増田 卓也は確定で、3バックも田代 真一を軸に乾 大知、北谷 史孝でほぼ固まった。総じて新加入選手が目立つスタメンとなるが、リーグ戦が進む中で髙杉 亮太、村上 佑介らの状態が整えばメンバーも入れ替わっていくだろう。
Reported by 藤原 裕久