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松本
松本
今季のみどころ
序盤こそ出遅れたものの、中盤戦以降はまさしくJ1自動昇格に値するだけの戦いを見せた昨季の松本。稼ぎ出した勝点84は恥ずかしくない数字ながら、最終盤に勢いを上げた清水に自動昇格圏を明け渡すと、気持ちを切り替えて挑んだ昇格プレーオフでも準決勝敗退。今季のテーマは、その悔しさを晴らすことにある。
既に築き上げてきたベースは確固としており、厳しい戦いが予想される今季のJ2でも充分に通用するはず。作り直す必要はなく、どれだけ進化させられるかが重要となる。例えば、昨季のリーグ戦で最小失点を記録した堅守は、今季もチームの生命線となるはず。その意味でシュミット ダニエルと喜山 康平の抜けたディフェンスラインは不安視されるが、実績を持つ即戦力CBを獲得した点は好材料。また3人の新戦力が加わったGK陣もハイレベルの出場争いを繰り広げてくれることを期待したい。
同様にレベルアップが求められる攻撃面でのポイントは、試合を決める1点へのこだわり。最少リードのままで最終盤を迎えるのではなく、相手の心を折るような追加点を挙げることで主導権を渡さない勝負強さが欲しいところ。攻撃のバリエーションを増やすとともに、個々のアタッカー陣の更なる躍動に注目だ。
松本で6年目の長期政権となる反町 康治監督は、「昨年以上の順位と勝点」を目標に掲げる。今季も昇格争いは熾烈を極めそうだが、酉年の今季こそ「雷鳥奮迅」のスローガンのもとで悲願のJ1復帰を果たしたい。
Reported by 多岐 太宿
開幕時の予想布陣
これまでに築き上げたベースが今季も基となることは間違いなく、ここまでのトレーニングマッチを見てもフォーメーションは昨季と同じ3-4-2-1を採用する可能性が濃厚だ。
主力の残留と即戦力の加入でチーム内競争は全ポジションで熾烈となっており、2月6日現在では横一線の状況だけに予想することは至難の業。もちろん新加入選手も実力派が揃っているものの、現段階では戦術面の浸透している既存選手はやはり優位ではないかと考える。
前線の3枚は昨季のチーム得点王となった高崎 寛之、キャリアハイの活躍を見せた工藤 浩平と石原 崇兆が軸となる。そこに個性を持つ三島 康平や山本 大貴、セルジーニョが絡んできそう。
最大の激戦区はボランチ。守備力を考慮すると岩間 雄大とパウリーニョのコンビが濃厚だが、宮阪 政樹や岡本 知剛も使いたいだけの魅力がある。また武井 択也もアピールに意欲的だ。両サイドは田中 隼磨と那須川 将大に期待がかかるが、星原 健太とジエゴの評価も高まっている。
最終ラインは昨季から顔ぶれが変わりそう。ヨ ソンヘと橋内 優也はJリーグでの実績もあり、飯田 真輝と共に3バックを形成しそう。状態さえ万全なら間違いなくレギュラー争いに参戦するだろう選手が多く、こちらも激戦区だ。守護神の抜けたGKも、それぞれ違う特長を持った選手たちによる競争となっているが、チーム事情を知る村山 智彦がファーストチョイスか。
いずれにしても起用したい選手が揃っており、指揮官は良い意味で頭を悩ませそうだ。
Reported by 多岐 太宿