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福岡
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今季のみどころ
昨シーズンは5年ぶりのJ1での戦いとなったが、クオリティの差をまざまざと見せつけられて1年で降格した反省から、J1での経験と実績を持つ選手を中心に補強。ウェリントン頼みの攻撃からの脱却と、守備の再構築をテーマにチームを作り上げてきた。目標はJ1に定着し、上位争いをするチームになること。その過程として「1年でのJ1復帰」を目指す。
注目を集めるのは豊富な攻撃陣。昨シーズンの主力メンバーのほとんどが残る中、神戸から石津 大介をレンタルバックしたのを皮切りに、名古屋からは松田 力、京都から山瀬 功治、アトレチコ・ゴイアニエンセ(ブラジル)からJリーグで6年間プレーした経験を持つジウシ―ニョ、そして、Kリーグ2部で18得点を記録してベストイレブンに選出されたウィリアン ポッピを獲得。誰が出ても高いレベルでプレーできる攻撃陣のポジション争いはし烈で、井原 正巳監督も嬉しい悩みを抱えている。
守備の再構築の重責を担うのは、G大阪から加入した岩下 敬輔。その経験と実績をベースに、成長著しい冨安 健洋と、フィジカル面での不安を払拭したダニルソンらの高い守備能力を生かして組織的な守備を作り上げた。
これらの戦力を、対戦相手を緻密に分析し、自らの力を客観的に把握した上で、最も勝てる確率が高いサッカーを目指す井原監督が、どのように操るのか興味は尽きない。クラブ史上、最も充実したと言える戦力と、地元住民の力強いサポートを武器に、福岡はJ2の舞台を駆け抜ける覚悟だ。
Reported by 中倉 一志
開幕時の予想布陣
GKは、実績では神山 竜一、杉山 力裕が一歩リードするが、4人体制のポジション争いは横一線。開幕戦は杉山がゴールを守ることになりそうだが、シーズンを通して激しい争いが繰り広げられそうだ。
最終ラインは、駒野 友一、岩下 敬輔、亀川 諒史は確定。岩下がディフェンスリーダーを務め、ビルドアップの起点ともなる。もうひとつのCBのポジションは、實藤 友紀と冨安 健洋が有力。冨安はボランチとの併用で起用されることが予想されているが、開幕戦はCBで先発する見込み。最終ラインはプレシーズンからほぼ固定されており、連携面に問題はない。
ボランチはキャプテンの三門 雄大と、フィジカル面での不安を払拭したダニルソンで決まり。圧倒的なフィジカルの強さを武器に高い守備能力を発揮するダニルソンの存在は、チームメイトにとって心強い。左サイドはJ1の経験を身に付けてスケールアップした石津 大介が務める。間でボールを受けて攻撃の起点を作り、仕掛けることも、パスを出すこともできる石津の存在は攻撃には欠かせない。
誰が出て来るのか予想がつかないのが2トップと右サイドのMF。2トップの座は、ウェリントン、城後 寿、松田 力の3人が争い、右サイドはウィリアン ポッピ、山瀬 功治が鎬を削る。いずれも異なる特長を持つばかりではなく、甲乙つけがたい実力を誇る。そのほかにも、経験と実力では申し分のない坂田 大輔と中原 貴之、そして、高い技術を誇る邦本 宜裕、突破力を持ち味とする三島 勇太、仕掛けることもタメも作れる為田 大貴らが控えており、攻撃陣は、どんな相手、どんな状況にも対応できる力を持つ。
豊富な戦力を持ち、激しいポジション争いを繰り広げながら戦う福岡は、これまでにない姿を見せてくれるに違いない。
Reported by 中倉 一志