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新潟
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今季のみどころ
2年続けて年間15位に沈んでいる新潟において、今シーズンの見どころは、何といっても三浦 文丈新監督の手綱さばきだ。昨年はJ3の長野を率い、監督2年目の今年は、J1という舞台でのチャレンジになるが、13~14年はコーチとして新潟を知る立場にあることがアドバンテージとなり、キャンプインからスムーズなトレーニングを重ねることができている。
三浦監督が目指すのは、攻守においてスピーディーで、切り替えの早いサッカー。新潟にとって、クラブのDNAレベルで刷り込まれているといっていいスタイルだ。加えて、球際でファイトするアグレッシブさを取り戻すところから、今季のチーム作りはスタートした。
総勢34選手という大所帯を率いる三浦監督が、どう競争を促していくのか。すべてのポジションに若手、中堅、そしてベテランがひしめく。1人1人が持てる力を出し切った先に、上昇する機運が生まれてくるだろう。
14年目のJ1を戦う新潟にとって、ブラジル人選手がすべて入れ替わるシーズンは初めてとなる。これまでも優れたブラジル人選手が重要な役割を果たしてきた新潟。FWホニ、プレーメーカーのチアゴ ガリャルド、ボランチのジャン パトリックという、3人全員の力が必要だが、取り分け注目は浦和に移籍したラファエル シルバに代わる得点源として期待されるホニだ。170㎝と小柄ながら、抜群の加速で敵陣を切り裂くスピードは驚異的だ。シュートも両足に加え、ゴール前に飛び込んで頭で合わせる感覚も鋭い。独特の“分かり合い感”があるチアゴとのホットラインが、果たして確立されるか。
監督・スタッフ、選手ともに覚悟するのが、決して簡単なシーズンにならないということだ。だが新潟らしく恐れることなく、上を目指してのチャレンジにチームは一丸となって燃えている。
Reported by 大中 祐二
開幕時の予想布陣
自分の理想に選手を当てはめるのではなく、選手の特性を最大限に引き出すことを優先するのが三浦 文丈監督流の采配だ。今季のチーム編成を踏まえて、基本のフォーメーションは4-4-2となるだろう。守備では2トップが“スイッチャ―”となって相手にどんどんプレッシャーを掛け、攻撃ではシンプルな速攻だけでなく、サイドハーフ、サイドバックが起点をつくって攻め崩す。オーソドックスながら、新潟の特徴を存分に発揮することをチームは追求する。
もっとも、開幕戦で戦う広島のスタイルを踏まえて、戦い方にアレンジが加えられる可能性も十分にある。三浦監督も、「これが自分たちの形だと、どんな相手に対しても貫くことが理想だが、僕らはそうも言っていられない立場。時には相手を見ながら、臨機応変に戦わなければならない」と、チャレンジャーとして貪欲に勝利を狙う。
GK以外、センターラインのレギュラーが移籍して迎える今シーズン。チームは新たな骨格を築き上げなければならない。だが、開幕に臨むのは完成形ではなく、あくまで出発点となる11人だ。
バロメーターは、新加入のホニが輝くかどうか。ホニのスピードが生きる広大なスペースを、広島が簡単に与えてくれるとは考えにくい。厳しい広島のプレッシャーの中で、いかにホニの能力を引き出すのか。チアゴ ガリャルド、ジャン パトリックらブラジル人同士のコンビネーションだけでは物足りない。キャンプでキレのある動きを見せる指宿洋史、サイドの選手が絡んだ連係も、重要なポイントになってくる。
Reported by 大中 祐二