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川崎F
川崎F
今季のみどころ
5シーズンの長きに渡りチームを率いた風間 八宏前監督が昨季をもって退任。その攻撃的サッカーを引き継ぐのはコーチとしてチームを支えてきた鬼木 達監督となった。鬼木監督が託されたのは、攻撃的サッカーの継続に加え、ここ一番で勝てるチームへの変貌というタスクの実現とその結果としてのタイトル奪取だ。
その方法論の一環として、まず施されたのが補強だ。大宮から移籍の家長 昭博、G大阪から移籍の阿部 浩之。新潟からは舞行龍 ジェームズといった選手たちを獲得。今季は特に、攻撃の大黒柱として活躍していた大久保 嘉人がFC東京に移籍しており、その穴を埋める必要がある。大久保は得点王を逃したとは言え、昨季は15点を積み重ねており、得点源として活躍。決定的なパスを通す視野の広さも持ち合わせており、攻撃面での貢献度は高かった。家長にはこの大久保に変わる活躍を期待したいところ。川崎Fへの移籍後、すぐに始まった1次合宿ですでにチームに馴染んでおり、あとは連携を高めるのみとなっている。ただし、鬼木監督はまずは守備面での約束事の徹底からチーム作りを始めており、攻撃の整備はもう少し先になりそう。
新任の鬼木監督は、まず選手たちに局面での激しさや球際の強さなどの戦う姿勢を求めている。また、戦術面ではチームとして守備のルールを整備。攻守の切替時の激しさやFWに対してのプレスバックの徹底などが練習の中で落とし込まれている。そうした準備の結果として、過度に守備に意識が引きずられてしまわないかが、懸念材料となっている。
風間監督が作ってきた攻撃的なサッカーというスタイルを崩すこと無く守備のエッセンスを取り込んで、攻守のバランスのいいチームが作れるかどうか。試される事となる。
Reported by 江藤 高志
開幕時の予想布陣
新加入選手を加えた並びとしてこの4-2-3-1が今季は試されている。
今季からキャプテンに就任した小林 悠がワントップに入るのはエースとしての風格を手にした昨季の活躍を踏まえれば納得で、この小林に絡む1.5列目の陣容はなかなか豪華。中村 憲剛、家長 昭博、阿部 浩之の3選手が実現する流動性は相手にとっては厄介この上ないレベル。JリーグMVPの中村はもちろん、テクニシャンの家長に、豊富な運動量と抜群のシュートセンスを持つ阿部が織りなす攻撃はこのチームの見どころの一つであろう。
守備に目を転じると、CBでポジションを奪いつつある舞行龍ジェームズの守備能力に注目したいところ。局面での粘り強い対応と、カバーリング能力の高さが持ち味で、と同時にビルドアップにも参加できる足元のパスセンスが期待されている。また母国語ではない日本語でコーチングを行っており、そうした部分での貢献度も高い。
ボールを握ることを前提とした川崎Fにおいては、ある程度カウンターで攻められることを想定した守備練習も行われている。数的不利の状況の時にいかに守れるのかは勝点を積み上げるための大きな課題となっており、1対1の強さがある舞行龍にはその役割が期待されている。
昨季、代表招集中に足を負傷したチョン ソンリョンについては、おそらく開幕までに復帰するであろうとの予測に基づきここに名前を書き入れている。やはりその存在感は大きく、決定的なピンチを救う働きを見せてくれている。開幕までには戻ってきてほしい選手ではあるが、もし仮に間に合わない場合でも新井章太がその穴を十分に埋めてくれるはずだ。
Reported by 江藤 高志