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名古屋
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実力は未知数も、チームの雰囲気は最高に意欲的

今季のみどころ

誰もが注目する小倉隆史“GM兼監督”によるチーム作りはじっくりと腰を据えて行われている。1月14日のチーム始動日から徹底されているのは、時間的にも一つのメニュー的にもコンパクトな練習だ。1回の練習は1時間から長くて1時間半程度。トレーニングの強度とそれを行うスペースを巧みに調整することでフルコートでの90分を戦い抜くフィジカルを鍛えつつ、チームの基本コンセプトや技術向上をストレスなく浸透させていく狙いがそこにはある。

沖縄での二次キャンプまでに強調されていたのは、パスのスピードと精度、次の展開を考えた上でのパスの受け手の動き出しの質などだった。チームとしてはプレッシングとリトリートの基本的な使い分けとビルドアップの流れ、サイドアタックへのスイッチの入れ方などだが、新チームだからと性急に次のステップへ進むことなく、あくまで基礎を固める作業を怠ることなく繰り返してきた。今季を革新のシーズンと位置付けるクラブとチームの意思表示を、その担い手であり先導役でもあるGM兼監督が自ら明確にしているわけだ。

采配1年目の新人監督でもある小倉GM兼監督は“共闘型”の指揮官といえる。選手とのコミュニケーションを積極的に行い、揺るがぬ自らのビジョンを軸にその場その場で様々な問題解決に勤しむ。ヨーロッパでは知らぬものなしのステンリーヘッドコーチなどスタッフにも有能な人材を集め、チーム一丸となって新たな組織を構築しようという動きには選手たちから早くも信頼を得ている。「5人目まで連動するサッカー」の理想はまだ追求中だが、困難にも全員で取り組み良くしていこうという素晴らしい雰囲気がチームには漂っており、選手たちも意欲的。開幕戦までにどのような集団に仕上がっていくかは未知数だが、こと楽しみな部分も大きいというのが、新たな名古屋の現状だ。

Reported by 今井雄一朗

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