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準決勝レポート

F東京先行も、最後は個の決定力を見せたG大阪に軍配2014年12月20日(土)

(C) J. LEAGUE PHOTOS

東京と大阪の強豪クラブの対峙となったJユースカップ準決勝第1試合。強力な攻撃陣を擁するガンバ大阪ユースに、組織立った攻守で対抗するFC東京U-18による見ごたえある攻防戦となった。

前半は互いに慎重な立ち上がりだった。「もっと前半からアグレッシブに行ってほしかった」とG大阪・梅津 博徳監督が語ったように、必ずしも狙って慎重になったわけではなかったようで、ヤンマースタジアム長居で開催される準決勝という独特の雰囲気が選手のリスクチャレンジを少しずつ削った結果だった。前半は決定機らしい決定機が生まれることなく、45分が経過することとなった。

もちろん、この試合が温和なままに終わるはずもない。最初にギアを上げたのはF東京だった。57分、「まだトップコンディションじゃない」(F東京・佐藤 一樹監督)FW佐々木 渉をあきらめて、FW渡辺 龍をピッチに送り出す。オフ ザ ボールで動けて、得点感覚もあるこのストライカーの投入はいきなり結果に反映される。62分、右サイドを突き崩したMF長澤 皓祐の折り返しにその渡辺が合わせ、F東京に先制点が生まれた。

ただ、「先制されたときも、チームとして慌てたりはしなかった」とG大阪GK林 瑞輝は胸を張る。その理由は「ウチの攻撃陣が0点に終わった試合はほとんどないので」という、アタッカー陣への信頼だった。得点後から後方でコンパクトに守るF東京を崩すのは容易でなかったはずだが、個々人の技術的なクオリティーがF東京の組織的守備を上回る。

まずは76分、MF市丸 瑞希を起点に右サイドを抜けたDF吉村 弦から絶妙なセンタリング。これを受けたトップチーム昇格内定のFW妹尾 直哉は巧みな動き出しでDFのマークを外しており、ほぼフリーの状態からダイレクトボレー。鮮やかなゴールが決まって試合は振り出しに戻った。

そして決勝点が生まれたのは、「延長も覚悟していた」(梅津監督)終了間際の90分だった。市丸が視線のフェイクからバイタルエリアへ技ありのパスを入れると、フリーになってこれを受けた妹尾のチョイスはノールックスルーパス。「あれはちょっと遊び心」という創造性あふれるパスに抜け出したFW高木 彰人が右足シュートを突き刺し、G大阪が土壇場で逆転に成功。

「あれは市丸が上手かった」と妹尾がニヤリと笑い、「(妹尾は)いつも俺をオトリにして自分で行っちゃうんだけれど、今日は出してくれた」と高木が笑顔で振り返った秀逸なコンビネーションプレーは、遊び心にあふれた実に“ガンバらしい”決勝点。2-1で難敵を退けたG大阪が23日にヤンマースタジアム長居で行われる決勝へと駒を進めた。

川端 暁彦

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