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決勝レポート

タフに戦った鹿島が、G大阪をPKで下し、3度目の栄冠!2014年12月23日(火・祝)

(C) J. LEAGUE PHOTOS

ヤンマースタジアム長居を舞台に2014Jユースカップ 第22回Jリーグユース選手権大会の決勝戦が行われた。この栄えあるファイナルに勝ち残ったのは、粘り強く力強いサッカーが印象的な鹿島アントラーズユースと、個人技に秀でる選手を多数擁するガンバ大阪ユース。準決勝から中2日と疲れも残る中で、両チームの持ち味がぶつかり合う激戦となった。

立ち上がりは鹿島のペースだった。MF千葉 健太が「相手のボランチを意識して消しに行った。特に6番(MF市丸 瑞希)のところ」と話したように、MF大橋 尚志とMF平戸 太貴がG大阪のボランチへ果敢にプレッシャーをかけて自由を与えず、パスワークに命を吹き込ませない。梅津 博徳監督が「前半は重たかった」と嘆いたように、パス回しにリズムが生まれず、ボールは持っていても崩しの形を作るには至らない。「前半は自分たちのサッカーができなかった」(市丸)。

そして42分、鹿島は得意のセットプレーから先制点を奪う。再三にわたって得ていたFKのチャンス。平戸の蹴ったボールにDF寺門 宥斗が果敢に頭で合わせて、ゴールネットを揺らした。寺門はこれで2試合連続のゴール。準決勝は途中出場、決勝は出場停止のDF宮本 健太に代わる先発出場となった男が、大きな仕事をやってのけた。

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ただ、G大阪もこのまま終わるようなチームではない。64分にFW妹尾 直哉に代わってFW平尾 壮が投入されたのが一つのポイントとなった。「ドリブルとスピードが自分の持ち味」と語るトップチーム昇格内定の快足アタッカーを中心として、意欲的な仕掛けからチャンスの芽が見え始める。鹿島側が疲労から動きが鈍り始めていたことも、平尾が生きる要因となった。

83分、その平尾がサイドでドリブル突破を仕掛ける。最初はクロスのイメージだったと言うが、「それじゃ面白ないなと思って」さらに強引な突破を継続。これに対して鹿島DFがたまらずファウルを犯し、これがPKに。平尾は本来PKの担当ではないが、「俺がもらったPKや。俺が蹴る」と周りを押し退けペナルティースポットにボールをセット。84分、落ち着き払ったシュートは、同点ゴールとなった。

結局、試合は90分で決着付かず。続く延長戦でもややG大阪ペースながら、鹿島側も両足をつりながら奮闘した主将の千葉、187cmの大きな体を目一杯に駆使したDF町田 浩樹らが力戦奮闘。攻撃陣も献身的な姿勢を失わなかったことで、最後まで1-1のスコアは動かず。決着はPK戦へと委ねられることとなった。

そのPK戦ではG大阪GK林 瑞輝がいきなりのビッグセーブを見せるも、鹿島GK山田 晃平もG大阪の2番手、4番手をストップ。PKスコアトータル4-3とした鹿島が、第12回大会(2004年)以来3度目となるJユースカップ王者に輝いた。

カップを掲げた千葉は「本当にうれしかった」と破顔し、それを見つめた市丸は「この悔しい光景を目に焼き付けていた。絶対に忘れない」と唇を噛んだ。彼らは共に2年生。来年また、互いに成長を遂げての再戦があることを期待している。

川端 暁彦

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