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ルヴァンカップ2024決勝 優勝「名古屋グランパス」
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準決勝プレビュー

手の内を知り尽くした鹿島と清水の一戦は、熱く激しい死闘になる2014年12月18日(木)

大橋 尚志

大橋 尚志

田中 稔也

田中 稔也

大里 優斗

大里 優斗

北川 航也

北川 航也

水谷 拓磨

水谷 拓磨

宮本 航汰

宮本 航汰

鹿島アントラーズユースと清水エスパルスユースはどちらも高円宮杯U-18サッカーリーグ2014 プレミアリーグ EASTに所属し、激戦を繰り広げてきた間柄で、今季の戦績は1勝1敗。互いの手の内もわかり合っている者同士の激突となる。

今季1回目の対戦時、当時清水を率いていた大榎 克己監督(現・トップチーム監督)は「蹴ってくるのは分かっていたんだけれど、いや本当に蹴ってくるよね」と鹿島のサッカーについて苦笑いを浮かべていた。技巧的に短くパスをつなぐチームの多いJクラブのアカデミーチームの中で、相手の嫌がることをやろうとロングパスを多用することをちゅうちょしない鹿島のスタイルは珍しい。

またクラブOBの熊谷 浩二監督が「そこはどこの国に行っても、どんなチームに行っても絶対に必要なことなので徹底している」と語る、球際でアグレッシブに戦うことや攻守の切り替えの素早さも特筆モノ。チームとしての「戦い」を突き詰めることで、各大会で実績を残してきた。

「上手い選手はいないですよ」と熊谷監督は謙遜するが、トップチーム昇格内定の大型MF大橋 尚志、中盤でタフに戦う2年生MF千葉 健太、正確なキックを見せるMF平戸 太貴、独特のドリブルで観衆を沸かせるFW吉岡 樹利也、技巧と粘りを備える“10番”MF田中 稔也、爆発的なオーバーラップを見せるDF大里 優斗、期待の左利き大型CB町田 浩樹などなど、個性の強い選手たちが各ポジションにいる。準決勝はチームを引っ張ってきたトップチーム昇格内定のFW鈴木 優磨が累積警告で出場停止だけに、穴を埋める選手の奮起にも期待が集まる。

対する清水は、ジュニアユース時代から評価の高かった世代が最終学年を迎え、期待値の高かったシーズンに迎えるラストタイトルとなる。トップチーム昇格の内定しているFW北川 航也、DF水谷 拓磨、MF宮本 航汰の3選手だけでなく、サイド突破の達人であるMF望月 大、創造性豊かにゴールを狙うMF西澤 健太、主将も務めるプレーメーカーのMF森主 麗司など、まさに多士済々。どこからでも点が取れる陣容は、実に魅力的だ。

今季は大榎監督がトップチーム監督へ転任するなど難しい時期もあり、加えて水谷もトップチームへ帯同し、長らく負傷で戦線を離れていた北川はU-19日本代表へ招集され、その後もコンディションが戻らずに苦しんだ。チームとしての戦績も付いてこず、高円宮杯U-18サッカーリーグ2014 プレミアリーグ EASTでは柏レイソルU-18に大差を付けられての準優勝に終わってしまった。それだけに、今大会へ懸ける思いが強いのも間違いない。

この準決勝以降で期待したいのは、やはりトップチーム昇格内定の3人組だろう。まず水谷や北川が抜ける中でチームを支えてきた宮本は、身体的な強さと戦術眼を兼ね備えたセンタープレーヤー。トップ下からセンターバックまで自在にこなし、彼の“配置転換”は戦術的なキーポイントともなる。今季トップチームのJ1リーグ戦6試合に出場した水谷は、162cmと小柄ながら圧倒的な機動性と技術で相手の守備陣を惑乱させる小さな巨人。そして北川は抜群の身体能力と得点感覚を備えた世代屈指のストライカーで、準決勝も途中出場になるかもしれないが、やはりゴールへの期待値の最も高い選手だ。

鹿島と清水の準決勝は、共に手の内を知り尽くしたチーム同士の戦いだけに、お互いの良さが簡単に出ない、そんなシビアな攻防になるだろう。その中で両チームのタレントがどう“違い”を見せてくれるか。その一点が注目となる。

川端 暁彦

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