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【J1:第33節 横浜FM vs 新潟】プレビュー:横浜FMは樋口監督のホームラストマッチを飾れるか。新潟は新スタイルの完成度の高さに注目。(14.11.29)

あの光景が忘れられない。J1リーグ戦最多入場者数となる6万2632人の大観衆で埋まった、昨年11月30日の第33節・横浜FM対新潟。日産スタジアムはトリコロールカラーで染まった。だが、「サッカーの神様は甘くなかった」(中澤佑二)。優勝が懸かった一戦だったが新潟に0−2、最終節も川崎Fに0−1で敗れ、悲願の戴冠は手元からすべり落ちた。

あれから1年、横浜FMは2年連続でホーム最終戦に新潟を迎えることに。現在、順位は7位と中位だが、昨年の悔恨があるだけに、この新潟戦は「モチベーションになる」と、榎本哲也は笑みを浮かべた。また、新潟は昨シーズンのJ1リーグ戦で唯一、ホーム&アウェイの2試合で敗れた相手であり、今季のアウェイ戦も0−0で引き分け。苦手意識を払拭する意味でも、白星を収めたい。

お互い調子は上々だ。まず、11位・新潟は中断明けの前節、敵地で先制点こそ許すも、F東京を3−1とあっさり逆転し、ひねり倒した。内容的にも今季、地道に推し進めてきたポゼッションサッカーが実を結ぶ。レオ シルバ、小林裕紀のプレーメーカー2枚がゲームをつくり、周囲の選手がよく走り、F東京の中盤を大きく揺さぶり混乱に陥れ、主導権を握り続けた。昨季33節後に中村俊輔をして「今までの相手で一番守備が堅かった」と言わしめた元々定評あるディフェンス力に、ポゼッションをブレンドされた新スタイルが確立しつつあるようだ。試合後には、柳下正明監督の続投をクラブが発表。来季につながるアウェイ連勝を飾ろうと、前節同様、自分たちのスタイルを完遂するに違いない。

一方、横浜FMも前節に敵地で神戸を2−1で退けた。ケガの中村俊輔がベンチスタートの中、調子が上がらない相手を尻目に、トップ下を務めた藤本淳吾、佐藤優平らが躍動。流動的に動き、巧みにパスを回して序盤からゲームを支配した。樋口靖洋監督の退任発表後、最初のゲームであったことも、志気を高めた要因に。今節は樋口監督にとってホームでの最後の采配になる。よりセンチメンタルな要素が強まりそうだ。

勝敗に関わりそうなポイントを2つ挙げたい。一つは新潟のポゼッションが横浜FMに対してどこまで通用するか。横浜FMというチームは、どちらかと言えば、ポゼッション志向のチームとの戦いを得意としている。足元でボールを繋いでくれる分、持ち味の前線からのプレスの効力を発揮しやすいからだ。よって、新潟がボール保持にこだわって臨むのは、横浜FMにとってありがたいこと。新潟が中途半端に繋げば、現在J1最少失点数28点の横浜FMの壁を崩すのは難しいだろう。それとも新潟がJ1屈指の戦術眼とパス能力を誇るレオ シルバを起点としたムービングサッカーで、トリコロールのプレスをかいくぐり、攻勢に出るのか。新潟のポゼッションが試される一戦とも言えるだろう。

レオ シルバ対中村のマッチアップもポイントの一つ。ケガの状態が気になる中村は途中出場の可能性もあるが、実現すればハイレベルな攻防は必見。また、FK対決も楽しみ。レオ シルバは今季、直接FKで4得点を奪っているが、中村はこれまでゼロ。プロ入り後の97年から昨年まで17年連続でFK弾を決めているだけに、18年連続の偉業達成が待たれる。名手レオ シルバに触発されて、FK対決が熱を帯びることは間違いない。

以上

2014.11.28 Reported by 小林智明(インサイド)
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