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【J2日記】栃木:71歳の期待に応えた25歳(13.09.16)

歓喜のホイッスルが鳴り響いた。後半だけで5ゴールが飛び交った、壮絶な殴り合いを制したのは栃木。初陣を飾った71歳、松本育夫監督と熱い、熱い、熱い、男と男の抱擁をかわしたのは西岡大輝だ。「失点は安易だった」と喫した3失点を悔やんだものの、「崩されたわけじゃない」と守備に関する一定の手応えも口にした。(天皇杯2回戦を除き)本職のセンターバックとして出場して2試合目で、ようやく栃木移籍後リーグ戦初勝利を飾ることができた。

180cmの西岡がマッチアップしたのは、上背で17cmも勝る197cmのフェホ。空中戦に長ける大型FWに対して一歩も引くことなく、互角以上に渡り合った。「対人は強いからね」。高校時代からの盟友・當間建文がそう評する1対1の強さを、自分の色を遺憾なく発揮したのだ。

「身長が大きい選手のほうが自分は得意。そこでヘディングで負けなければ、相手はリズムが出ない。仮に競り負けたとしても、そこから失点することはないと思っていました。(チャ)ヨンファンと僕を中心にチャレンジ&カバーの関係を意識しながら対応できた」
球際で後手に回らないことを念頭に置きつつ、その一方で自分一人だけで対処するのではなく、味方の援護も受けながら上手く起点を潰すことができた。実際、ターゲットが機能しなかった札幌の攻撃は迫力に欠け、流れの中からほとんどチャンスを作れなかった。西岡は与えられた仕事を、ほぼパーフェクトにこなしたと言える。

新たな指揮官の期待に応えた西岡は、勝利の味をこう噛み締めた。

「やっとですねー。長かったぁ。(勝った瞬間)チームの皆には感謝した。ファン・サポーターの皆さんには申し訳ないという気持ちがあったし、『これからやってやろうという気持ち』も胸の中にはありましたね。今日は『ここでやらないと駄目だ』と思っていましたから。ずっと試合に出られずに悔しい思いをしていたので。やっとこういう場面(先発の機会)が訪れたので、怪我してでもなんでも絶対に試合に勝とう、という強い気持ちを自分の中では持っていました」

課題はある。でも、大きな一歩を踏み出せた。その喜びに包まれた西岡の笑顔は、こちらまで幸福感を感じるほど輝いていた。リーグ戦でデビューをさせてくれた松田浩元監督のために、能力を買って広島から獲得してくれた南省吾元強化部長のために、この1勝で満足するわけにはいかない。背番号3に相応しいプレーを継続的に披露することで、DFリーダーにまで成長を遂げる。

以上

2013.09.16 Reported by 大塚秀毅

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