聞こう聞こうと思いつつ、いつの間にか聞きそびれていることってありませんか?
GKの榎本達也選手が背負っている背番号37が、そのうちの1つでした。GKといえば1番か21番を付ける傾向にあるのに、なぜ37番なのか。シーズン当初からそんな疑問を抱きつつ、あっという間に月日は流れてしまいました。リーグ戦も折り返し地点を迎え、今さらな感じはありましたが、ちょうどインタビューする機会があったので、「この際だから聞いてしまえ」と、37番を付けるに至った経緯をうかがってみました。
「最初に『何番がいいの?』と南さん(省吾強化部長)に言われたんですけど、『1番も21番も空いてないんだよ』と。『じゃあ、何番が空いているんですか?』と訊ねたら、『50番までならば何番でも空いている』と言われたんです。最初は50番でもいいかなと思ったけど、やっぱりなんか違うなと思って。40番台の4はちょっとあれ(不吉)やなと」
あれこれと悩んだ挙句、決め手となったのは奥様のお母様の知人の助言だったそうです。榎本選手にとって37番は「運気を和らげる」番号らしく、徳島時代に大ケガを負ったこともあり(ちなみに当時付けていたのは23番)、「深い意味は何もないけど、ケガはしたくないので藁にでもすがるか」と決心したそうです。
新たな背番号を身にまとって挑んでいる、新天地での今季。榎本選手は第6節・群馬戦で負傷退場したものの大事には至らず(それでも、右の顎を縫った跡は痛々しかったけれど)。開幕戦から守護神の座を揺るぎないものとしています。37番との相性は抜群のようです。
「今はしっくりきていますね。今までは1番のイメージが強かったみたいですけどね。自分の気持ちの中で『この番号は嫌だな』と思っているよりも、『この番号はしっくりきているな』と思っているくらいがいいのかなと。今はそう思っています」
今節、5位・栃木は、4位・京都との上位対決に挑みます。京都のゴールマウスを守るのは、榎本選手が徳島時代に切磋琢磨したオ・スンフン選手。「無失点に全神経を注ぎたい」と意気込みを語った榎本選手と、オ・スンフン選手との意地の張り合いも楽しみな一戦になりそうです。
以上
2013.06.26 Reported by 大塚秀毅