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【J1:第4節 新潟 vs 浦和】レポート:攻めながらも遠い1点。新潟は初勝利ならず。要所で得点した浦和が堅実に勝点3をゲット(13.03.31)

浦和は2-0で新潟を下した。前半6分、コーナーキックから槙野智章がヘディングで先制。その後は新潟のプレスに苦しみ、主導権を握られながらもしのぐ。後半のアディショナルタイムには、マルシオ・リシャルデスがチームのJ1通算1000点目のゴールを決めて、突き放した。
新潟の今季初勝利はまたも遠のいた。前半からしつこいマンマークと、セカンドボールの獲得で浦和を押し込む場面が続いたが、決定機で決め切れなかった。

決して快勝ではなかった。ただ、ペトロヴィッチ監督が「我々は新しいクオリティーのゲームを見せられた」と言うように、浦和は勝負どころをきっちりと抑えた。
前半6分の最初コーナーキック。左コーナーから柏木陽介が入れたボールを、槙野が中央に走り込んで頭で捕らえた。新潟の守備がマークを確認しきる前に、2人の呼吸がぴったりと合った。
もっとも、その後は新潟の粘り強さに苦しんだ。前半に1対1をものにできなかった原口元気は「相手のマークが激しかった。運動量もあった」。シュートは6本。ポゼッションも許し、流れを渡す時間が長かった。

それでも勝負どころは逃さなかった。ペナルティーエリア内でボールを動かされても、個々が不用意にスペースを空けることはなかった。奪ってからは、スムーズにカウンター。シンプルにゴールに迫った。
その積み重ねがアディショナルタイムのマルシオ・リシャルデスのゴールにつながった。関口訓充の右サイドからのクロスに合わせ、相手の裏を取ると余裕を持ってたたき込んだ。チームの1000点目のゴールに、5000人が詰め掛けたアウェイスタンドが沸いた。
4戦負けなしで2位と安定した戦いが続く。順位を気にする段階ではないが、相手に流れがあるときでも隙を逃さないしたたかさが、今季の浦和にはある。

一方、新潟はここまでと同様に内容のある試合だった。そして、ここまでと同様に結果が伴わなかった。
前からボールを奪いに行き、セカンドボールをしぶとく拾う。そこから丁寧にポゼッション。浦和が5バック気味にゴール前を固めたときも、積極的にペナルティーエリアの中でボールを動かした。
「相手がゴール前で5バックになったときに、中央から引っ張り出すため、ペナルティーエリアの中を使うということをやってくれた」。柳下正明監督が言うように、攻撃の形はできていた。ただ、同時に「最後にクロスを入れたり、相手が嫌がる背後を突いたりというのが、まだできていない」。詰めの甘さが命取りに。

前半32分には左サイドから田中亜土夢、レオ・シルバとつなぎ田中達也がクロス。だが、ブルーノ・ロペスの正面でのボレーはバーの上へ。後半6分、田中達の折り返しを受けたシルバが正面からシュートを放つが、相手のブロックに遭う。そのこぼれ球を拾った、田中亜のシュートもブロックされた。
今季、12年在籍した浦和から移籍し、古巣との対戦で注目された田中達は「相手が浦和だからではなく、ビッグスワンで初勝利できなかったことが残念」と険しい表情。そして「いいコンビネーションができても、決められなければ意味がない」。あらゆる局面で起点を作り続けた成岡翔も「ゴール前で工夫がない。ガムシャラに打つだけではだめ」と攻撃の精度を課題として挙げた。
ただ、柳下監督が「何かを変える必要はない」と言い切るように、新潟のやるべきサッカーははっきりしている。豊富な運動量をベースに、攻守にアグレッシプに。「形ができていることも確かだから、悲観はしていない。やり続けるしかない」と成岡。自分たちを信じて積み重ねを続けることが、勝利への近道だということをチーム全員が理解している。

安定感を示した浦和に対し、新潟は勢いをつかみそこねた。内容とは別な結果にたどり着いた両チーム。手応えの積み重ねが、今後に左右していくことは一致している。

以上

2013.03.31 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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