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【J2:第6節 徳島 vs 岡山】プレビュー:ポイントはリセットと徹底。徳島は自分たちの形を取り戻し、進化を見せる岡山を打ち破れるか!?(12.04.01)

連携の高まりを感じさせての開幕2連勝から一転、徳島は苦しい状況に陥っている。さらなる組織精度向上を図ろうとする過程でその難しさに突如ぶち当たり、3節(栃木戦)以降それに成長の歩みを阻まれていると言えよう。また前節・千葉戦においては、選手たちからそうした状況に対する焦りや苛立ちが見て取れた。チームの苦悩が個々のメンタルにも少なからず負の影響を与えてしまっているようだ。
しかし、新しいものがそう簡単に完成へ向かうわけはない。さらに手掛けているものがイメージや意志疎通といった目に見えない要素をもって組み上げていく『人の連携』なのだから、なおさら時間がかかるのは当然である。それだけに徳島は我慢強さを持ち、前進への意欲を燃やし続けて現状に立ち向かっていくしかないだろう。

しかし、だからと言ってこのまま勝負面での足踏みをしていては今季の目標がどんどん遠ざかってしまう。成長と結果はほぼ比例するものと考えれば少々矛盾する話になるが、それでもチームは忍耐を持って自らの成長を追求する反面、勝点積み上げは一刻も早く再開しなければ。まだ5戦を終えただけながら、もうすでにリーグには少しずつグループ分かれが発生してきているのだから。
そこでこの一戦へ臨む徳島の選手たちには絶対的に求められるものがある。それは、頭の中をリセットし、自分たちの目指している形を再びしっかり描き直すこと。もう一度原点に立ち戻ったシンプルな姿勢で自分たちのすべきプレーに100%徹することだ。

なぜなら、勝利から遠ざかった最近の3戦、チームは今季のスタイルを実践するために不可欠な基本的動きやプレー判断が徹底し切れていなかった。特に3失点での大敗を喫した前節はそれがハッキリ見え、中でも1失点目はそうしたマズい状態をモロに突かれて奪われたと言って間違いない。その失点はセンターバック2人しかいないところへカウンターを仕掛けられたものだったが、その場面速攻を受けるキッカケとなってしまった福元洋平のパスコースや、揃って上がってしまっていたボランチ2人と右サイドバック花井聖のポジショニングはやはり猛省が必要と言わざるを得ないだろう。堅い守備をベースにしての戦いが求められているにもかかわらず、明らかにリスクマネジメントが足りていなかった。
また攻撃に関しても、今のようなラフなロングボール主体の攻めが積み上げているものではないはず。最終ラインやボランチから前線へ正確なフィードを入れ、そこへ鈴木達也ら中盤が3人目となって絡み展開を広げていくという本来作るべき形を再度強く意識しなくては。

いずれにしてもこの一戦の徳島に重要となるのはリセットと徹底。それにより自分たちのサッカーを確実に体現しなければならない。だからこそ選手たちは、「あのような厳しい戦いを早い段階で味わえてよかった。これが残り数試合とかなら手の打ちようがないから」と前節もプラス材料に捉え先を見据える小林伸二監督のもと、今節に向けてシーンに合わせた位置取りの仕方などを繰り返し確認。すべき動きや判断を改めて頭と体に摺り込んでいたが、それをピッチ上で出せたならチームはきっと今節こそ望む結果を手に入れられるであろうし、同時に現在ぶち当たっている壁を乗り越えるヒントも見付けられるのではないか。

とは言え、迎える岡山は今季目に見えて進化を果たしている。事実、前節がようやくの初勝利となったものの、それまでの4戦でもチームは伸ばしてきた力を明確に披露。今季の目標であるプレーオフ圏内が十分現実味のあるものだと感じさせた。
そしてその岡山において特筆すべきは、粘り強さを高め、組織的にも整備もされた守備であろう。それを裏付けるように、「強気な守備が最も良いところだった」と影山雅永監督が評した前節をはじめ、今季これまでチームは非常に安定した守りを継続。少々バランスを崩した3節・水戸戦を除いては複数失点を喫していない。となれば、岡山は今節もその守備を戦いの基本にして勝機を探りたいだろう。それをもって徳島のリズムを停滞させ、FWチアゴのポストプレーを最大限に活かした一突きで勝負を決めたいと狙っているはずだ。

最後にだが、岡山との対戦となれば徳島は余計に負けるわけにはいかない。もちろん「PRIDE OF 中四国」の注目対決というのもあるが、それ以上に昨季最終戦の雪辱を晴らすために。あの時岡山に突き付けられた途方もない悔しさを蘇らせ、徳島は選手、スタッフ、ファン、サポーター全員が一丸となって戦うことだろう。

以上


2012.03.31 Reported by 松下英樹
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