柏と大宮には妙な相性がある。それぞれがホームでは勝てないが、アウェイでは勝利を挙げるということが、ここ3年続いているのだ。昨年の日立台での対戦などは、AFCチャンピオンズリーグ明けという状況が選手のコンディションに影響を与えたことを差し引いても、あまりにも不甲斐ないパフォーマンスで0−4の完敗を喫している。
柏が日立台で大宮に勝ったのは6年前。フランサの超絶ループが炸裂した2008年J1第17節こと。そこでネルシーニョ監督は、今週始めの練習では、「この妙な流れを終わらさなければいけない」と選手たちに話をしたという。アウェイの対戦に限れば2012年の天皇杯を含めて4連勝中。その結果を踏まえて工藤壮人も「大宮との相性が悪いとは思っていない。でもホームで勝てていないのは不名誉だし、僕たちにとっては嬉しくない。今年でその流れを終わらせる」と強い気持ちを露わにした。
ただ、大宮は簡単な相手ではない。第3節川崎、第4節仙台と目下連勝中で勢いもある。
高さと巧さを兼ね備えたズラタンと、昨年のACL水原戦の経験から近藤直也が「Jリーグで一番フィジカルが強い」と警戒を強めるラドンチッチの2トップは強力であるが、2列目を務める家長昭博と渡邉大剛も危険な選手だ。両者ともサイドに張る選手ではなく、中にも入り2トップと絡んで攻撃を展開できる。実際に仙台戦で大宮が叩き出した4得点のうち、3点は渡邉と家長によるものだった。堅い守備からカウンターに出ていく迫力がチーム全体にはあり、ズラタン、ラドンチッチはフィジカルが強く、足元の技術も高いため、前線でボールを収めてタメを作れるし、自らもフィニッシュに持ち込める。
大宮に勝つならば、前線4枚を封じ込むことは絶対条件であろう。渡邉と家長はサイドの選手とボランチでマークを受け渡し、2トップへ入れるボールを極力減らす作業が必要になってくる。ただし、そうは言ってもシンプルなロングボールでも攻撃の糸口に結び付けてしまう能力がズラタンとラドンチッチにはあるだけに、柏守備陣は2列目の家長、渡邉を十分に警戒しつつ、センターバックはズラタンとラドンチッチに起点を作らせないか。そこで生まれるこぼれ球、セカンドボールを拾っていけるか。様々なポイントで大宮を上回らなければ、3年続く悪しき流れを断ち切ることは難しくなる。
「2人とも初めて対戦する選手じゃないのでイメージはできている。結局は対人、1対1が重要。強く当たり、起点を作らせずに相手が嫌がる守備をしたい」。そう話すのは渡部博文。昨年のACLで全北現代のイ ドングッと真っ向勝負を演じた強靭なDFが、ズラタンとラドンチッチを抑えにかかる。
柏は前節の徳島戦で今季のリーグ戦初勝利を挙げた。ヤマザキナビスコカップの浦和戦から公式戦連勝で迎える試合。そのため「今までも雰囲気が悪いわけではなかったが、結果が付いてきて状態はさらに上がっている」(ネルシーニョ監督)という。
徳島戦では引いた相手のブロックをどうやって攻略するのかといった課題こそ見られたものの、柏が誇る強力アタック陣、工藤、レアンドロ ドミンゲス、レアンドロ、田中順也、4人の個々の状態・パフォーマンス自体は悪くはなく、彼らが噛み合いさえすれば想像以上の破壊力を出せる気配は十分に漂わせている。ようやくレアンドロに移籍初ゴールが生まれ、第3節名古屋戦まで感じさせた停滞感打破の兆しは表れている。
さらに、どちらが先制点を挙げるかで展開も大きく変わるだろう。振り返れば、過去3年の日立台での試合は、いずれも大宮に先制を許し、柏が前がかりになった裏をカウンターで突かれて失点を重ねた上での敗戦だった。したがって柏としては粘り強く守備をしながら先制し、大宮を前に引き出して、その裏を工藤、レアンドロ ドミンゲス、レアンドロのアタッカーが切り裂く展開に持ち込むことが理想だ。
「いろいろな意味で明日の試合は大宮戦に勝つことは重要。これからは上位との対決もある。上位にプレッシャーを掛けるためにも、大宮戦は大事な試合です」
序盤戦にして、早くも“重要な一戦”と位置付けるネルシーニョ監督。リーグ優勝のためにもこの一戦に勝利し、一気に上位戦線に食い込まなければならない。
プレビュー:連勝で上り調子にある両者が激突。ホームで大宮に勝てない悪しき流れを断ち切り、2008年以来の勝利を!
以上
2014.03.28 Reported by 鈴木潤
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