キックオフ約2時間ほど前になって、冷たい雨風にさらされた万博記念競技場。試合直前には雨こそやんだものの、気温はぐっと下がり、3月下旬とは思えない寒さの中でキックオフを迎える。
立ち上がりからリズムを掴んだのはガンバ大阪。ここ最近の公式戦4連敗に見たバタバタした感じはなく、落ち着いて試合に入り、試合巧者として試合を進めて行く。速攻と遅攻を織り交ぜながら、久しぶりにパスをつないだガンバ大阪らしい攻撃展開も多くみられ、ゴールの予感が漂う。だが、23分、一瞬の隙をついて、ゴールを手にしたのは磐田だった。
カウンターから左サイドのMF菅沼実がDFラインの背後へと長いボールを放り込むと、FW山本康裕がDFを振り払ってフリーでゴール前に持ち込み落ち着いてゴールネットを揺らす。立ち上がりのリズムの良さを一瞬にして打ち砕くかのような失点に、万博は静まり返る。
だが、この日のガンバ大阪は足が止まらない。これまでなかなか効いていなかった、前線からのプレッシャーもしっかりとかけられる中でコンパクトに布陣を保ち、ゴールを目指す。一方の磐田はGK川口能活やMFペク・ソンドンが故障離脱した中で、今季初先発となったGK八田直樹を中心に、守備意識が高く試合を進める。アウェイの地で効率よく、貴重な先制ゴールをものにしたこともチームを落ち着かせたのだろう。立ち上がりはG大阪のパスワークに振り回されている感もあったが、徐々にボールへのプレッシャーもかかるようになり、落ち着きを取り戻していく。とはいえ、ゴールシーン以外は、ほぼ守備に追われることの多い前半に。相手のクロスボールに対してゴール前でひやりとするシーンも見られたものの、そこは経験豊富な守備陣がしっかりとサポートに入り、奪ったリードを死守して前半を折り返す。
後半、立ち上がりからリズムを掴んだのはG大阪だったが、またしても、ゴールを奪ったのは磐田だった。60分、FW前田遼一がペナルティエリア内でGKに倒されPK。それを自ら決めて貴重な追加点を手に。これに対してG大阪は内容と結果が伴わない中で残り時間、2点のリードを追いかける苦しい展開を強いられる。
だが、これ以上、ホームで負ける訳にはいかないという気持ちが強かったのだろう。また、点差こそ開いたものの、ここ4試合に比べて、明らかに自分たちのリズムでサッカーを展開できていたことも選手たちの胸に自信を宿らせ、身体を走らせたのかも知れない。61分にMF佐々木勇人、71分にMF倉田秋と前線の顔ぶれを代えながら、攻撃が加速。84分にそのMF倉田がG大阪でのリーグ戦初ゴールを奪ったことで更に勢いづくと、最後はDF中澤聡太やDF今野泰幸らも前線に上がりパワープレーに出るなど、最後まで果敢にゴールを目指したが、残念ながらゴールは生まれず。逆に磐田は、最後は全員でゴールを守り切る形で勝点3を手にした。
余談だが、プレビューにも書いた通り、磐田の森下仁志監督はガンバ大阪でプロとしてのキャリアをスタートさせ約6年半にわたって在籍した元Jリーガー。思い出深いクラブ、スタジアムでの対戦について、試合後、G大阪への敬意、感謝の意を述べた上で「幸せなこと」と胸の内を語った。その言葉を聞きつつ、また森下監督が、『森下選手』として万博のピッチを駆けた時代に思いを馳せながら、改めてJリーグが歩んできた20年という歴史を噛み締めた。
以上
2012.03.26 Reported by 高村美砂
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