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【J2:第32節 徳島 vs 福岡】レポート:徳島は評価出来る戦いも敗戦。勝負を分けたのは紙一重の差。(10.11.01)

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10月31日(日) 2010 J2リーグ戦 第32節
徳島 2 - 3 福岡 (16:04/鳴門大塚/2,117人)
得点者:54' 城後寿(福岡)、66' 徳重隆明(徳島)、72' 佐藤晃大(徳島)、80' 高橋泰(福岡)、88' 中町公祐(福岡)
スカパー!再放送 Ch185 11/1(月)後11:00〜
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ファイトする気持ちや勝利への執念は決して負けていなかった。美濃部直彦監督の「福岡は今3位で昇格争いがかかっており非常にモチベーションも高い中で、そんな相手に対して我々は現在9位ということでモチベーションが低くならないように選手に話をしましたし、彼らはその通り十分に闘ってくれたと思います」というコメントからも分かるように、徳島は自らの意地とプライド全てを出して雨中の90分を闘い抜いたと言っていいだろう。
しかし、勝負とは非常にシビアなもの。それはよく紙一重という言葉でも表されるが、この一戦において徳島はまさにその紙一重の差を痛感することに…。そして結果、必死に追い求めた勝利を無念にも福岡に奪われてしまった。

ゲームを振り返れば、前半は徳島の「主導権を握ってやろう(美濃部監督)」という積極性が何より強く見えたと言えよう。序盤こそ続けて危ない場面を作られたものの、福岡のシュートミスにも助けられてそれらを凌いだところからチームはシフトアップ。開始早々負傷したドゥグラスに代わってピッチに入った佐藤晃大が平島崇の折り返しに鋭く飛び込めば、左サイドDFの井上渉が濱田武とのワンツーで中央へ割って入りフィニッシュを狙うなど、いい流れをしっかりと作っていった。福岡・篠田善之監督も「(永里)源気と(鈴木)惇がDFラインに吸収されるような場面が多くて」と試合後の会見で語っていたが、前記のような平島や井上の高い位置への進出によって徳島にリズムが生まれていたのは間違いない。

さらに後半も徳島は意欲に満ちたプレーを継続する。54分に先制されても全く下を向くことなく、逆に闘争心をいっそう燃やして福岡に向かっていったと言えよう。するとその姿勢は最高の形で実を結ぶ。66分、反撃の勢いを増すべく途中投入された徳重隆明が目の覚めるようなミドルシュートを突き刺すと、続けてその6分後には流れるようなサイドチェンジの展開。タイミングよく上がってきた平島のクロスを徳重が頭でそらし最後は佐藤がねじ込み、チームは見事なまでの逆転劇を現実のものにして見せた。

が、こうした評価すべき試合運びを披露しながら、この後迎えた勝負の時間帯で選手たちは冒頭に述べた紙一重の差を突きつけられてしまう。
結末から言うと、80分、88分の連続失点で再び福岡にスコアをひっくり返されてしまったのだが、まず追いつかれたシーンはほんの僅かな判断と予測の違いであった。二アサイドへ入ってきたセンタリングを止めるべく対応した三木隆司は低い弾道のボールに自身の胸を持っていったが、背後にいた福岡のジョーカー・高橋泰はその三木のプレーから発生するこぼれ球をほぼ間違いなく予測していたと思われる。だからこそ、ボールが三木の胸から跳ねた次の瞬間にシュートモーションを取れたのだろう。とすればやはり三木としては別の判断の対処をしたかったところだ。
また中町公祐に決められた決勝点は完全にマークに関する最後の集中というところ。徳島は戦前のスカウティングにより彼の抜け目ないゴール前への入り込みを大きな注意点として理解していたにも関わらず、ペナルティエリア内に落ちたボールを蹴りこんだ中町はほとんどフリーの状態にあったのだから。

こうして勝負の厳しさを味わうこととなった徳島。またも連敗となったことで、チームは苦しい立場に立たされたと言わざるを得ない。とは言え、こうした逆境を乗り越えてこそ心の成長が得られるはず。それだけに選手ひとりひとりには、前向きさを失わず最後まで自分たちの前進を追及してもらいたい。

対して福岡はこの勝利で昇格への大きな一歩を刻んだと言えるのではないだろうか。それは4位・千葉を引き離す勝点3を手にしたことももちろんながら、それ以上にこのようなアウェイでの厳しい戦いを制することが出来る力をハッキリ自覚できたことによって。いずれにしても「千葉が負けたとか勝ったということは僕らには関係ないことですし、これまで通り目の前の90分をしっかりと闘うだけです」と緩みを見せない指揮官に率いられた福岡がこのまま悲願へと突っ走る可能性は非常に大きいと言えよう。

以上

2010.11.01 Reported by 松下英樹
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