9月26日(日) 2010 J2リーグ戦 第28節
愛媛 2 - 0 熊本 (19:03/ニンスタ/3,215人)
得点者:47' 大木勉(愛媛)、67' 杉浦恭平(愛媛)
スカパー!再放送 Ch183 9/28(火)後02:00〜
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プレビューで挙げた『3連勝後の壁』と『熊本の壁』を見事乗り越え、ホーム3連勝を飾った愛媛。これで、最近の6試合は4勝1分1敗とハイペースで勝点を積み重ねている。開幕当初には第2節から4勝2分1敗と好調を維持していた時期もあったが、現在はそれ以上の内容による結果といっても過言ではない。その成果を問われたバルバリッチ監督は、第22節の柏戦以降、トレーニングでポジショニングに重点を置いてきたことを指摘。前回のホームゲーム・徳島戦に続き、攻守に渡り愛媛が90分間の多くの時間帯でイニシアチブを取れたのは、そのポジショニングが改善されたことも大きい。
まず、攻撃面では4試合続けてツートップを務める大木勉とジョジマールの関係性。2人が絶えず互いを意識し、近い距離感を保ち攻撃の起点を作っている。そして前半9分、15分には2人のパス交換で一気にゴール前へとボールを運ぶスピード感を見せる。さらに、ボールが入ると簡単に失わないのも今のツートップの強み。30分にはツートップに赤井が絡み、最後は大木がペナルティエリアに侵入したが、2列目が攻撃に加わる時間を生み出すこともできていた。そして、厚みのある攻撃という点では、2点目を振り返りたい。田森大己のスルーパスからフィニッシュに結びつけたが、そのパスをジョジマールが失うことなく、右サイドを駆け上がってきたサイドバックの関根永悟へ。関根がシュートを放った時、既に逆サイドには田森と杉浦がペナルティエリア内に侵入。最後は杉浦が相手ディフェンス2人をワンフェイントでかわし、追加点を奪った。
さらに、このツートップから守備を始められていることが、受身に回らずゲームの主導権を握ることができている要因でもある。先制点に関しては、ジョジマールが相手ディフェンスのボールを奪い返したことで生まれたし、それ以外の場面でも、奪われれば適切な間合いを詰めて相手に自由な時間を与えることが少なかった愛媛。例えばアライールがFWに食いついていっても、しっかりとボランチがカバー。誰かがボールを保持する相手との間合いを詰めれば、必然的にその裏にスペースが生まれてしまうが、そこをしっかりと他の選手がケア。「攻守両面でより多くの選手がプレーに参加することを求めている」というバルバリッチ監督の求める要求を、選手たちは見事にピッチで表現した。
逆に、そのスペースを埋められなかった熊本。ツートップが愛媛の最終ラインにプレッシャーかけることはできていたが、そこを外されると愛媛のボランチが自由に前を向いてボールを受ける場面も少なくなかった。そこが、愛媛に主導権を握られた要因のひとつでもあった。他にも、ツートップになかなかボールが入らず、ペナルティエリアに侵入できなかった攻撃の面でも、浮き彫りになった課題は愛媛と対照的だ。4試合勝利から見放された状況で福岡戦(10/3@熊本)を迎えることになってしまったが、今節は原田拓が、そして次節は福王忠世が出場停止から復帰。明るい材料もあるだけに、この1週間で攻守に立て直しを図りライバルをホームに迎えたい。
一方で、次節はアウェイの水戸戦(10/3@笠松)に臨む愛媛。現在6戦負け無しの水戸を打ち破るには、バルバリッチ監督も語るように1週間、気を抜くことなく今の水準を保つことが必要になる。その上で、第3節ではスコアレスドローに終わった水戸から勝点3を奪えれば、チームの成長は確実なものだと証明もできる。しかし、現在の順位はまだ12位。目標の8位を超えるためには、自信を過信に変えることなく、さらに高みを目指し挑戦し続けなければならない。
以上
2010.09.27 Reported by 近藤義博
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