6月6日(日) 2010 J2リーグ戦 第16節
栃木 1 - 2 福岡 (13:03/栃木グ/3,858人)
得点者:4' 永里源気(福岡)、41' 崔根植(栃木)、55' 大久保哲哉(福岡)
スカパー!再放送 Ch182 6/7(月)後05:00〜
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堅守で相手の攻撃を跳ね返し、集中力が切れたところを見逃さずに突く。前半を0-0で折り返し、後半に勝負を懸ける試合運びが上手くはまり、栃木SCは好循環を生み出した。ただし、確立されたスタイルやペース配分に関して松田浩監督は、「狙っているわけではない」と話していた。なぜならば、いくら粘り強く戦っても「相手が強くなれば点を取ってしまう」(松田監督)からだ。実際に戦力で上回る福岡はチャンスを逃さなかった。プレビューで先手を取ることをポイントに挙げたが、逆に取られてしまった栃木の無失点試合記録は6で途切れた。
栃木の立ち上がりは悪くはなかった。ただし、「凄く重要なゲームだということは確かに伝えてスタートしました」と篠田善之監督が言うように、勝点差3で6位に付ける「追う立場」のアビスパ福岡は、勝てば順位が引っくり返るというモチベーションを活かし、「追われる立場」の栃木を凌駕した。気迫で勝った福岡は開始1分と満たずに永里源気がゴールに襲い掛かり、開始4分に再び永里がサイドチェンジを左サイドで受けるとドリブルから左足一閃。ゴールネットを揺らした。得意の内側へ切れ込む動きよりも、あえてサイドに開いて待ち構えていた、と言う永里。自らの選択が奏功し、先制パンチに繋げた。
栃木としては福岡のストロングポイントを警戒しながら抑えきれず、鋭い出足からのプレスに押し込まれるなど、勢いにも呑まれたことで「圧力に負けた」(佐藤悠介)。しかし、余孝珍のハードマークが味方を鼓舞し、入江利和がサイド攻撃を活性化させたことで、緩やかに形勢を変えることに成功する。そして41分、FKから崔根植がマーカーを引き剥がし、強烈なヘディングシュートを叩き込む。
前半の終盤に試合を振り出しに戻し、逆転の機運を作り出すためにも栃木にとって重要な後半の立ち上がり、「後半の頭、5分間は後のことを考えずに100%でやろうと言ったが物凄く悪かった」と松田監督が振り返れば、佐藤も「勿体なかった」と悔やんだ。2点を奪った前節のFC岐阜戦のように、強引に流れを引き寄せるような違いを、パワーを出し切れなかった。
わずかながら攻守の切り替えが遅れた栃木に対し、「僕と英也(岡本)と清さん(久藤)のイメージが合っていた」と、鮮やかな連係から大久保哲哉がゴールを挙げた福岡が逆転。ビハインドを負った栃木は攻撃的なカードを立て続けに切り、セットプレーを何度も頭で合わせていた大久保裕樹が鬼の形相で1点を取りに行くが、福岡も丹羽大輝を中心に体を張った守備を見せたことで捕らえきれなかった。無失点記録に続き、無敗、連勝も断たれ、順位も5位に後退した。
シーソーゲームを制して連勝を4に伸ばし、栃木と入れ替わり4位に浮上した福岡。シュートは6本しか打っていないものの、2点を取り切る高い決定力は昨季同様に際立った。永里に大久保とチームを波に乗せる選手が得点者となったことは、勝点3を引き寄せる上で小さくなかった。4試合連続での1点差勝利に「全体的には非常に粘り強く守備ができていると感じています」と篠田監督はチームの進歩を口にした。だが一方で「今日の1失点はいらない失点だと思っています」。セットプレーから失点したことが如実に示す通り、FKとCKの守備には課題を残した。クロスゲームではセットプレーが勝敗を分ける要素となるだけに、激戦が予想される次節の「バトル・オブ・九州」大分トリニータ戦までに修正を図る必要があるだろう。
相性の悪さを克服することは叶わず、昨季から対福岡戦は4連敗となった栃木。敗れはしたものの、下を向いている暇はない。次節も上位対決、6位・サガン鳥栖戦が控えているからだ。ゲームキャプテン高木和正は言う。「自分達の力が次の試合から問われる」。まさに、その通りだ。様々な記録がストップしたが、これまでのいい流れまで寸断させてはいけない。昨季は力を出し切れなかった福岡を相手に、失点後に崩壊することなくリズムを作り1点を返せた。敗戦の中にも好材料はあった。連敗をしないことが強いチームの条件ならば、その条件を手に入れるためにも鳥栖に勝つしかない。リーグ中断期間前、敗戦から学ぶのは福岡戦だけで十分だ。
以上
2010.06.07 Reported by 大塚秀毅
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