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【ヤマザキナビスコカップ 清水 vs 磐田】レポート:自分たちの強みを生かした清水がセットプレーで2得点。最低限の結果で、予選突破に望みをつなぐ(10.06.07)

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6月6日(日) 2010 ヤマザキナビスコカップ
清水 2 - 0 磐田 (13:04/アウスタ/17,521人)
得点者:38' 永井雄一郎(清水)、62' 平岡康裕(清水)
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「最低限の結果は残すことができた」。それが長谷川監督以下、清水の選手たちに共通する試合後の言葉だった。試合内容的には満足できるものではなく、お互いにビッグチャンスの少ないゲームだったが、それでもきっちりと2-0で磐田を倒し、得失点差を逆転。少しでも予選突破の可能性を高めることに成功した。

ただ、見せ場が少なかったとはいえ、ゲームのクオリティが低かったわけではない。お互いに気持ちは十分に入り、球際の争いでもどちらも譲らず、集中した戦いを見せていた。それが、主にに守備面に発揮されたため、守備優位の展開になったという流れだった。
立ち上がりは、ロングボールを多めに使った清水が押しこむ形を作ったが、磐田がそこで踏ん張り、なかなかチャンスは与えない。清水のほうは、フローデ・ヨンセンが競り合いで勝てるシーンは多かったが、岡崎慎司がいない中で、そのセカンドボールをうまく生かす選手が少なく、ストロングポイントを生かしきれなかった。それに対して磐田のほうは、セカンドボールの奪い合いで頑張り、初めのバタバタも時間とともに落ち着いていった。
そうなると、お互いに早い攻守の切り換えで守備のブロックを整えるため、なかなか攻め崩すのが難しくなってくる。清水のほうは、攻撃陣に疲労や痛みを抱える選手が多く、「相手のブロックの間、間で受けて、大きくサイドに振ったりという展開をしたかったけど、なかなかそこまで行かずに、サイドバックが効果的に上がってクロスを上げる場面も少なかった」(兵働昭弘)という状況。磐田のコンパクトで厳しい守りにも阻まれ、攻めの迫力がなかなか出てこなかった。
磐田のほうも、「(自分のところでは)けっこうスペースがあったので、ある程度ボールをさばけていたけど、やっぱりゴール前は堅かった。その前までは行かせてくれても、そこから先が厳しかった」(上田康太)と、清水らしい堅守を崩しきれない。ならばと早い段階でクロスを放り込んでも、ゴール前の競り合いでは清水の守備陣が上回り、決定機には結びつかなかった。

そのため、膠着した展開が30分過ぎまで続いていたが、その中で清水が優位に立っている部分から突破口が開かれた。38分のピッチ中央やや磐田ゴール寄りのFK、小野が左に柔らかいボールを入れ、ヨンセンが頭で折り返すと、兵働がバックヘッドでこのボールをつなぎ、その裏に飛び出した永井雄一郎がフリーで押し込んで、清水が先制点を奪った。
これで落ち着きが出た清水は、後半になると前半よりも攻めの圧力を増したが、それでも最後のところでの磐田守備陣の踏ん張りを崩しきるには至らない。だが、後半17分に得た右サイドのFKから、小野の正確なキックをファーサイドのエディ・ボスナーが競り勝ってヘッド。これはGK八田直樹の鋭い反応に防がれたが、こぼれ球を平岡康裕が押しこんで、2点目を奪うことに成功した。
小野というスペシャルなキッカーと、187cmヨンセン、191cmボスナーという高さの優位。さらに、磐田のセットプレーにおけるゾーンディフェンスをきっちりと研究し、ゾーンの外から高さの優位を生かすという戦略で見事に2得点。チームのコンディションも影響してなかなか攻撃の調子が上がらない中、自分たちの強みをしっかりと生かしたのは、リーグ戦で首位を走る勝負強さを発揮した。
また小野は、ところどころで彼らしい華麗なテクニックを見せて観客を楽しませ、少し地味になったゲームに華を添えたことも含めて、初の静岡ダービーでMVP的な働きを見せた。

得失点差が関係なければ、2-0のまま終わっても、清水にとっては現状で十分に納得のいく勝利だった。だが、次節で横浜FMが浦和に1点差で勝った場合でも予選突破できるようにするには、あと2点が必要だった。逆に磐田のほうも、1点差で終われば得失点差で清水を上回り、次節で引き分けても予選突破が決まるという立場だ。
そのため、お互いに最後まで攻め合う姿勢を見せ、最後まで緊張感のあるスリリングな展開が続いた。だが、清水のほうは、兵働が腰の痛みが限界を迎えて30分に交代し、藤本淳吾と本田拓也も接触プレーで足を痛めるなどもあって、終盤は全体的に運動量が落ち、磐田を圧倒するパワーは出てこない。磐田のほうも、21分に韓国代表から戻ったイ・グノを投入したが、やはりもうひとつ元気がなく、清水の最後の砦を崩しきることができない。結局、お互いに次の1点が取れないままタイムアップの笛を迎えた。
これで勝点11となった清水は、次の磐田vs山形の結果に関係なく、横浜FMの結果次第(横浜FMが引き分け以下の場合のみ予選突破が決まる)という状況に。皮肉なことに、自分たちが予選通過の可能性を絶った浦和に頼るしかない立場で、6週間の中断期間に入った。
一方、磐田のほうは、これで山形に勝つしかないという状況になったが、自力での予選突破は残っている。静岡勢2チームが両方とも予選突破する可能性があるし、逆に共倒れの可能性もあるということで、Bグループは本当に最後まで混戦となった。
また、7月17日のリーグ戦再開初戦も、同じアウスタでの静岡ダービー。両チームともコンディション的にも戦術的にも再調整を図った中で、今度はさらにアグレッシブな戦いが見られるはずだ。

以上

2010.06.07 Reported by 前島芳雄
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