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【J2:第40節 徳島 vs 熊本】レポート:四国ダービーに続き、徳島が怒濤の6発でシーズン完全勝利。熊本はJ入り後最多失点で大敗。(09.09.21)

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9月20日(日) 2009 J2リーグ戦 第40節
徳島 6 - 0 熊本 (18:34/鳴門大塚/3,931人)
得点者:1' 登尾顕徳(徳島)、10' 柿谷曜一朗(徳島)、48' 六車拓也(徳島)、52' 羽地登志晃(徳島)、77' 徳重隆明(徳島)、84' 石田祐樹(徳島)
スカパー!再放送 Ch180 9/21(月)12:30〜(解説:長谷川治久、実況:北本誠、リポーター:藤原美佳)
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 はじめに、プレビューで書いた「1点を争うゲームになる」という見方に関してお詫びしておかなければならないだろう。結果としては、内容、スコアともホームの徳島が圧倒。前節、四国ダービーを「完全制覇」したのと同様に、熊本に対しても今シーズン無敗、そして無失点で完全勝利。上位を狙う本気度と、Jの先輩としてあるべき姿を見せつけた。

 圧巻のゴールショーは、キックオフと同時に幕を開けた。徳島DFラインからのロングボールに対して、熊本GK小林弘記がトラップミス。これがゴールラインを割り、労せずして徳島は1本目のCKを得る。そして1分、徳重隆明のフワリとしたボールに対して奥から飛び込んだのは、このCKを生むロングフィードの起点となった登尾顕徳。一度ははね返されたが落ち着いて決め、徳島が先制する。その後は熊本も6分に左CKからDFチョ・ソンジンがニアで合わせる等チャンスを作ったが、球際への寄せや攻守の切り替えで徳島が圧倒。10分には、羽地登志晃のポストプレーから六車拓也、徳重、倉貫一毅、青山隼、再び徳重、羽地、麦田和志とつなぎ、最後は柿谷曜一朗が右足でたたきつけたボレーシュートがネットを揺らして早くも2−0とする。前半の得点は2点に止まったものの、2点目にも現れている前線の流動的な動きやテンポの良いパスワーク、ボールを奪ってからの前への推進力、ボールを受けるためのフリーランニングと動き直し、シュートで終わる意識等を見れば、後半のゴールラッシュの兆候はすでに見え始めていたと言えよう。

 後半立ち上りの48分、右からの青山のクロスに羽地と六車が飛び込む。熊本GK小林はこれを一度はキャッチしかけるがファンブル。そこまで詰めていた六車が押し込んでリードを広げると、今度は52分、倉貫が右サイドのドリブルから逆へ展開、これを受けた柿谷の左足のパス(意識としてはシュートだったように思われる)を羽地が決めて4−0。前後半ともに開始から10分までに2点ずつを奪って精神的にも大きく優位に立った徳島はしかし、アクセルを緩めることなく、むしろ加速させ、あたかも久しぶりに獲物にありついた肉食獣のように、貪欲にゴールを狙い続ける。

 いずれも決まらなかったが、57分には羽地に替わってピッチに入ったファビオの突破から徳重がフリーでシュート、66分にも柿谷からのボールを受けた徳重が1対1に持ち込み、72分には挽地祐哉、ファビオ、徳重とつないで最後は柿谷がヘッドで飛び込む等、チャンスを量産。そして3度の決定機を逃していた徳重が77分、熊本DFからボールをかっさらって5−0とし、打ち止めは84分、熊本のパスミスからボールをカットした柿谷がドリブルで持ち込み、徳重に替わって入った石田祐樹が決めて6−0。守ってもペ・スンジンを中心にゴールを割らせないばかりかペナルティエリアへの侵入も片手で数えて足りる程に抑えて、まさしく熊本を蹂躙し、完膚なきまでに叩きのめした。

 その熊本だが、前後半立ち上りのイージーな失点、それをきっかけにガタガタと崩れる守備と、一時は陰を潜めていた悪癖が再び顔を出した恰好で、チーム初の3連勝はおろか、J加入後最多失点を喫する屈辱的な敗戦となった。攻撃面においての工夫もこの試合では確かに足りなかったし、前に運ぶ段階でのミスが多かったのも事実だが、簡単にゴールをプレゼントしていては、失点しても下を向かずに点を取りにいくという姿勢すら台無しにしてしまう。立て続けに失点して気持ちが切れそうになるのも分からなくはないが、どこかで修正しないことには負のスパイラルは止まらない。スキルが短期間で上達しないのと同じように、メンタルタフネスもすぐには向上しないが、調子を上げて来ている横浜FCをホームに迎える次節までに、まずは気持ちを切り替えなければならない。

 一方の徳島。試合後の会見で「3−4−3で行くか迷ったが、熊本のポゼッションを潰すには4−3−3がいいと判断した」と美濃部直彦監督は話したが、2点のリードを許した後に3トップぎみにシフトした熊本に対してもピッチ上で声をかけあいながら対応した柔軟さを見せ、何より選手たちの意識の高さと出足の鋭さ、連動性など、全ての面で熊本を上回った。3試合ぶりに先発出場して3点に絡む活躍を見せた柿谷の、自陣ゴールライン付近まで戻って守備にも身体を張る姿勢や、チャンスを逃す場面が続いてもなおゴールを狙い続けて意地の1点をねじこんだ徳重の貪欲さに、チームとしてこのゲームにかける気持ちが詰まっている。

 それでも、「“この形なら絶対に入れないといけない”という場面が多くあった。他のゲームではただ1度の場面かもしれないと考えたら、必ず決めないといけない」と美濃部監督が話したように、6点を奪ったとは言え決定力が改善されたと判断するのは早計だろう。連勝の流れを次の福岡戦につなげ、さらに自信を深めたい。

以上

2009.09.21 Reported by 井芹貴志
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