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【J2:第40節 仙台 vs 栃木】レポート:栃木のミスを素早く突いて、マルセロ・ソアレスの2ゴールで仙台が勝利。最近好調だった栃木だが、少ないチャンスもGK林に止められた。(09.09.21)

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9月20日(日) 2009 J2リーグ戦 第40節
仙台 2 - 0 栃木 (13:05/ユアスタ/16,038人)
得点者:10' マルセロソアレス(仙台)、48' マルセロソアレス(仙台)
スカパー!再放送 Ch185 9/21(月)13:30〜(解説:鈴木武一、実況:松尾武、リポーター:村林いづみ)
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 栃木の3倍近くである25本のシュートを放つ。しかもその大半が、サイドからのセンタリングに対しゴール前で完全に競り勝って合わせることができたものや、スルーパス、もしくは細かなパス交換によってDFを完全に突破し、GKとの1対1となっていたものなど、『超』がつくほどの決定機だった。このことを振り返ると、2−0の勝利にすら若干の物足りなさを感じる気持ちも、試合を見ていた仙台のサポーターにはあるのかもしれない。

 しかし、戦前には攻撃がうまく運ばない状況を想定し、3バックシステムへの変更すら検討されていたことを思えば、これだけ好機を作れたこと自体、チームとしては喜ばしいことともいえる。決まったのがマルセロ・ソアレスによる2得点だけだったことについて聞かれた手倉森誠監督が「次は今日(シュートを)外した選手が取ってくれればいい」と返したのも、考えようによっては攻撃の機能を取り戻せたことに対する安堵の表れととれなくもない。

 開始2分、スルーパスに崔根植が抜け出し、いきなり栃木がチャンスをつかむのだが、ペナルティーエリアで追いついたエリゼウが体を当ててシュートを許さず。これがもし決まって入れば、その後の展開もいくらか変わっていたのかもしれないが、結果的にここから仙台のチャンスが続くことに。9分、栃木が中盤でミスパスを犯すと、梁勇基から左前方へ走り込んだマルセロ ソアレスへスルーパス。これを受けてペナルティーエリアに侵入したマルセロ・ソアレスのシュートはDFに弾かれCKとなるが、この梁のCKをニアで頭で合わせ、ゴールに流し込んだのもまたマルセロ・ソアレスだった。10分のこのゴールで仙台が早くも先制する。

 まだ試合が長い時間経過していなかったため、このゴールが生まれた背景にすぐには気づかなかったが、それは徐々に明らかになっていった。ブロックを組み、ボールを奪ってから素早く縦にカウンターを仕掛けるのが栃木の戦い方の基本線で、この試合でもそれを忠実に遂行しようとしていたのだが、今節はこの「守から攻」の時点であまりにもミスが多く、そのほとんどが仙台の決定機となっていたのだ。
 また、何とかパスが前線のレオナルドに収まったとしても、そこには仙台の守備が襲いかかった。レオナルドに対してまずエリゼウが厳しく行き、さらに富田晋伍、千葉直樹らボランチがすかさず囲みに行く。栃木はなかなかペースをつかむことができなかった。
 とはいえ仙台も、前半はミスから危ない場面を作っており、エリゼウがゴール前で崔に一発でかわされ、林卓人のクリアが小さくなったところを拾われてフィニッシュに持ち込まれるシーンも。しかし林のセービングで何とかしのぎ、前半は1−0で終了。

 だが後半開始直後に、スコアはすぐさま動いた。48分、中盤で前を向いた梁が狙いすましたスルーパス。それに反応したマルセロ・ソアレスを、一端は最終ラインに残っていた宮本亨と入江利和が挟み込んだ…かに見えたのだが、なんとその際にDF同士二人が交錯。後方にこぼれたボールを難なく拾ったマルセロ・ソアレスは、GK柴崎邦博も抜き去って、最後は無人のゴールにシュートを流し込んだ。その直後に取材陣に届けられた両監督のハーフタイムコメント、栃木側に「守備での問題は起きていない」と記されていたことが、何とも皮肉な「安すぎる失点」(松田浩監督)によって点差は2点に。
 
 これ以降、ゲームは完全に仙台のものとなった。点差が開いたゆえの栃木の気落ちというより、栃木が前へ出てこざるを得なくなったことで、仙台の素早い攻撃がより脅威を増したというところか。サイドに流れるマルセロ・ソアレスが何度も起点となれば、サイドで前を向いた関口訓充はおもしろいようにペナルティーエリア脇を切り裂いていくなど、ピッチのあちこちから生まれる仙台の決定機。流れの中だけでなく、前半から続いてセットプレーでも栃木ゴールを脅かす場面を幾度も作った。冒頭で触れたとおり、それを決めきれないのは得失点差の争いを考えても大いに悔やまれるところだが、前節でほぼ攻撃の形を作れなかったことを思えば、決して悪い流れではない。
 栃木のこの日一番のビッグチャンス、ゴール前で河原和寿がつぶれ、ゴール右にこぼれたボールを完全にフリーとなっていたレオナルドが狙った76分の場面も、素早く飛び出した林にシュートをはじき返されて、栃木は万事休す。
 スコアは2−0。第3クールに入っての栃木の成長は随所に感じられたが、しかし過去3度の対戦の中で、もっとも実力差が出た一戦でもあった。

 さて、この勝利で昇格争いが多少有利な状況となった仙台。次節は、試合後の会見で手倉森監督が「ビッグゲーム」と評した、4位甲府との「昇格争い直接対決」である。

 今節、栃木に4枚の警告が与えられる中、仙台は警告0。累積警告3枚の選手がかなり多い(菅井直樹、エリゼウ、渡辺広大、関口、マルセロ・ソアレス)仙台だったが、無事に誰も欠くことなく、甲府戦を迎えられることとなった。この点でも、今節得たものは多い(正確に言うと、何も失わずにいられた)。一方の甲府が、毎度の対決で仙台を苦しめてきた攻撃的右サイドバック、杉山新が次節から2試合出場停止となったことを踏まえても、仙台は昨シーズンから徹底していたフェアプレーによって、アドバンテージを得たと言える。もっとも、甲府との前回対決も、甲府の両レギュラーセンターバック(山本英臣、ダニエル)が出場停止になりながら、結局はアウェイで2−1と敗れているだけに。ほとんど楽観的にはなれないのだが。

 しかしこの直接対決、勝てば昇格圏外との勝点差が残り10試合で7と開く。仮に引き分けでも、それによる苦しみは仙台よりも甲府の方が大きいはずだ。
 とはいえ仙台も、今年は2連敗となっている甲府戦で、今度こそ勝利したいという意地がある。「どうなるんでしょうね…激しい試合になることは間違いないと思いますが」と千葉。仙台の思いはすでに、今週水曜日、ミッドウィークの夜の小瀬へと飛んでいる。

以上
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