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【J2:第40節 横浜FC vs 東京V】レポート:高い集中力をキープし続けた横浜FCが、苦しんだストライカー池元友樹のゴールで、6試合ホーム負けなしとなる勝利を飾る(09.09.21)

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9月20日(日) 2009 J2リーグ戦 第40節
横浜FC 2 - 0 東京V (19:03/ニッパ球/5,345人)
得点者:46' 池元友樹(横浜FC)、85' 安孝錬(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch181 9/21(月)16:30〜(解説:山口素弘、実況:中村義昭、リポーター:湯本久美)
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 試合前のニッパツ三ツ沢球技場に漂う特別な緊張感。アウェイゴール裏に駆けつけた東京Vサポーターも、持てるエネルギーの全てをピッチ上に放射する、横浜FCのサポーターも負けない声量でサポートをする。嫌でも聞こえてくる雑音を排除して生まれた空間で開始された試合の前半は、集中力の高い我慢比べの展開となる。

 お互いにDFとMFの2ラインをしっかり作り、守備を主体としたゲーム運びとなる。その中で、ちょっとした隙をどのように作り出すか、その考え方は対照的だった。東京Vは、右サイドを中心に長い距離のサイドチェンジを多用して、高い位置にボールを置いてから持ち前のパスワークを生かそうとする。この戦い方をベースに、2分の平本一樹のヘディングシュート、34分のレアンドロのミドルシュート、そしてその後のCKからの富澤清太郎のシュートなど、ゴールを脅かす場面を作る。一方の横浜FCは、フォアチェックから始まる組織的なプレスからのカウンターを狙う。そして得たセットプレーから、吉本岳史、根占真伍などがゴールを脅かすもののこちらも得点にまでは至らない。ただ、こういったチャンスの場面以外は、両チームともに守備に配慮した展開であり、集中力を保ちながら相手の隙をうかがう中、前半はスコアレスで終了する。

 そして、試合は後半開始にいきなり動く。46分、右サイドから小野智吉がクロスを入れると、土屋征夫のクリアを安孝錬が拾いダイレクトでクロスを入れる。このクロスに池元友樹が合わせると、ボールはゴール右隅に決まる。期待されながら苦しんだストライカーが先制ゴールを決めると、その後も横浜FCペースとなるが、東京Vも反撃を試みてお互いに縦に速い展開となる。ただ、その中で徐々に横浜FCと東京Vに集中力の差が表れてくるようになる。「後半は我々が取りたいところで取って、そこからのショートカウンターを多く繰り出すことができた。そのカウンターも単調な長いボールではなくて、前に付けて、追い越して、さらに出て行くという形ができた」(樋口靖洋監督)というように、狙いとする戦い方の質を高める横浜FCに対し、東京Vは縦にスピードアップする時のパスでミスを連発、徐々に勢いを失っていく。57分に切り札となる大黒将志を入れるが、この大黒にも良いボールを供給することができずに生かせない。そして84分、東京VのDFラインでのつなぎのミスを片山奨典が拾うと、ペナルティエリアでファールを受けてPKを得る。このPKを安孝錬が決めて(85分)試合を決める2点目となる。このファールで藤田優人が退場となり10人となった東京Vは、最後まで勢いを取り戻すことができずに、試合は2-0と横浜FCの勝利で終わった。

 横浜FCは、ホームゲームで6試合負け無しを達成。この試合では、先制点を奪った後に東京Vの勢いが落ちたこともあり、一見余裕を持って勝利したようにも見える。しかし、それは90分間集中していたことで初めて実現したものであり、自らのスタイルをムラなく90分間続けられるようになったことが大きい。そして、最大の要因は先制点を奪ったこと。先制点さえ奪えば、精神的優位に立つことができる、そして相手から崩れることがあるということを実感したことは大きいだろう。これは、今季の前半戦に逆の立場で味わっていたことであるが、この経験を積み重ねることが大事。次の熊本戦で今季初の連勝を果たすことが必須となる。そして、昨季後半の活躍から今季の得点源と期待されていたものの、3ゴールに留まっていた池元のゴールは本人だけでなく、チームに大きな力を与えるだろう。

 一方の東京Vは、難しい状況の中で前半は集中力を保っていたが、先制された後にその集中力を保てず、残念な結果となってしまった。ただし、高木琢也監督が「本当に力がないかというと、そういうチームではない」と語るように、少しでも気を抜けばゴールを奪える潜在力はこの試合でも見せていた。スキルの高いポゼッションと決定力のあるアタッカー陣という東京V最大のストロングポイントを生かすための意思統一が求められる。この試合の前の2試合では、底力を見せているだけに、残り11試合でいかに「ヴェルディらしさ」を最高の質でピッチに残せるか。これがクラブの将来にも最も必要なことだろう。

 試合後のニッパツ三ツ沢球技場の盛り上がりは最高潮。ホームチームが狙った戦いで勝利することが、一番の顧客満足につながる。その意味で、ホームゲームで6試合負け無しを続けている最近のニッパツ三ツ沢球技場での顧客満足度は、非常に高まっている。顧客満足度の高いゲームを続けること、これがJリーグの盛り上がる源泉である。今シーズンの数少ない残り試合の全てが、そういうゲームになることを願いたい。

以上

2009.09.21 Reported by 松尾真一郎
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