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【J2:第40節 岐阜 vs 水戸】レポート:相手のストロングポイントを消しながらも、自分たちのストロングポイントを発揮。岐阜のこの力は本物だ!!(09.09.20)

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9月19日(土) 2009 J2リーグ戦 第40節
岐阜 3 - 1 水戸 (13:03/長良川/2,603人)
得点者:60' 佐藤洸一(岐阜)、76' 西川優大(岐阜)、87' 高崎寛之(水戸)、89' 西川優大(岐阜)
スカパー!再放送 Ch186 9/22(火)07:00〜(解説:大野聖吾、実況:松井秀、リポーター:桑原麻美)
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岐阜は富山戦で見せた相手を圧倒するサッカーを、この日もホーム・長良川で見事にやりきった。タイムアップの笛が吹かれた瞬間、勝利の喜びと同時に、いいサッカーを見たという充実感を得ることが出来た。それは富山戦で感じた感情と同じであった。

岐阜は水戸の荒田智之と高崎寛之の強力2トップに対し、F東京からやってきた対人能力の高いDF吉本一謙をCBに起用。DF田中秀人と2CBを組んで、2トップに対応。プレビューでも書いたが、岐阜はパスの出所を寸断するのでなく、2トップにボールが入ったときに挟み込む形で奪うことを選択した。水戸が中盤でポゼッションをしているとき、ボールサイドとは逆サイドのMFが中に絞って、ワンボランチの橋本卓とダブルボランチとなる形で2ラインを形成し、ボールが入ったら2ラインで挟み込んでは、2トップの自由を奪った。さらにこの守備をもってしても、彼らに裏を突破された場合、ボールサイドとは逆サイドのサイドバックが中に絞って、カバーリングに入るという徹底ぶり。まさに相手の強烈な2トップに対し、水をも漏らさぬ守備を構築する狙いが明確に打ち出されていた。

守備という面では、相手の攻撃に対し、しっくりはまった。2ラインで自由を奪い、かつ右サイドバックの冨成慎司も、何度か裏に飛び出してきた2トップをストップしたシーンが見られた。
しかし、どうしてもこの方法だと、DFラインの位置が深くなり、中盤が間延びしてしまう。それを打破するために、菅和範がトップ下の位置のポジショニングを維持し、中継点として顔を出してボールを受けるが、水戸もDFラインとボランチの村松潤を残す形で応対し、岐阜に思うように攻撃を組み立てさせなかった。

お互い決め手を欠く展開で、こう着状態のまま0−0で後半突入。しかし、この展開は岐阜優位であることを示していた。
『岐阜の真骨頂は後半にあり』
後半になっても落ちない運動量、研ぎ済まされる集中力。これこそ、今の岐阜の強さの要因であった。後半開始から、嶋田正吾と高木和正の両サイドハーフが縦のアップダウン、そしてダイアゴナルランを駆使し、中盤に流動性をもたらす。さらに前半はトップ下の菅和範と橋本の関係性は、その場のポジションをお互いが守るという形ではっきりしていたが、後半は橋本と菅が頻繁にポジションを入れ替えるなど、さらなる流動性をもたらし、水戸の対応力を一気にダウンさせていく。こうすることで、徐々にDFラインも高い位置に張り出せるようになり、両サイドバックも頻繁に深い位置まで攻め込めるようになった。
55分には左サイドを突破した高木のセンタリングを、ファーサイドで冨成がヘッドで折り返し、これをゴール前で菅がシュート。これはミスキックで、GKに抑えられたが、このシーンによって得点のにおいが長良川競技場に漂い始めた。

そして60分、左サイドで高木からサイドバックの秋田英義に繋ぎ、秋田のクサビを中央で受けたFW佐藤洸一が反転して技ありゴールを叩き込んで、岐阜が先制。さらに76分には左FKからFW西川優大がどんぴしゃヘッドを叩き込み、2−0。その後も嵩にかかって猛攻を仕掛ける岐阜。試合はほぼハーフコートゲームとなり、岐阜がゴールに向かったボールポゼッションで水戸を圧倒。87分にカウンターから高崎に1点を返されるが、試合終了直前の89分には岐阜の真骨頂が待っていた。
西川が相手DFラインのパス回しに対し、猛然とチェイシング。GKへのバックパスにも全速力で食らいつき、相手のキックミスを誘う。GK本間幸司の蹴ったボールはハーフウェイラインを超えるも、力なく岐阜にはじき返され、そこから右のMF染矢一樹に展開し、染矢→中央の永芳卓磨がヘッドで、左サイドに流れた佐藤へ繋ぎ、さらに大外に回りこんだ永芳がリターンを受けて、ピンポイントセンタリング。これがファーサイドの西川の頭に吸い込まれ、トドメの3点目。
「最後まで走りきることが出来た。今は後のことを考えるよりも、最後までがんばるしかない。1試合、1試合突き詰めていかないと、上にはいけません。体力が尽きるまでやりきることが大事。それがスタメンから出ている選手の役割だと思う」。
そう語る西川の果敢なチェイシングがあったからこそ、生まれた3点目。まさに自らの力で引き寄せたゴールであった。試合終了間際であっても、こうしたプレーが飛び出し、結果に繋がることこそが、今の岐阜の強さを如実に表している。
「今、一人ひとりが本当に自信を持ってプレーするようになった。試合中に慌てて混乱するようなシーンも少なくなってきたし、どのチーム相手でも動じなくなってきた」(松永英機監督)。
この強さは本物だ。相手のストロングポイントを消しながらも、自らのストロングポイントを前面に出して、結果を掴む。単純な勢いだけではない本物の強さが、岐阜には備わってきている。この2試合連続の完勝劇は決してフロックではない。それをさらに実証させるためにも、これからの試合がより重要になってくる。

以上

2009.09.20 Reported by 安藤隆人
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