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【J2:第32節 横浜FC vs 仙台】レポート:勝ち方が見えてきた!横浜FCが仙台を90分間押さえ続けて勝利し、ホーム連勝で最下位を脱出。(09.08.06)

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8月5日(水) 2009 J2リーグ戦 第32節
横浜FC 1 - 0 仙台 (19:03/ニッパ球/3,055人)
得点者:5' 難波宏明(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch183 8/6(木)17:30〜(解説:三浦泰年、実況:野村明弘、リポーター:三須亜希子)
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 苦しんでいたチームがその苦しみを耐えて、ついに花を開かせる瞬間。この試合で、ニッパツ三ツ沢球技場に駆けつけた横浜FCのサポーターは、その瞬間を目の当たりにしたのではないか。ホームで勝てない日々が続き、試合後の選手に掛かる声援には、厳しい言葉が混じっていたことも多かった。しかし、花開く日を信じて変えずにやってきたことで、チームは大きな成長を遂げ、昇格争いをする2チームに対してホームでの連勝を果たすこととなった。

 試合は、プレビューで書いたように立ち上がりが一番のポイントとなった。ここ2試合立ち上がりの3分以内の失点が続いている仙台は、守備の安定から入る意識を高めてロングボールを交えながら進めようとする。一方の横浜FCは、局面での出足を鋭くして主導権を握ろうとする。その姿勢の差が試合の基調を形作っていく。そして立ち上がりの5分、横浜FCの勢いそのままに試合はいきなり動く。横浜FCが西田剛の粘りで得た5分のFK。小野智吉が、DFラインとGKの間に蹴った正確なボールに対して、この試合でJ2通算50試合出場となる難波宏明が、一度はファーに動きながらニアに飛び込み、フリーでヘディングを決めて横浜FCが先制する。仙台が警戒していた立ち上がりの失点、そして横浜FCにとっては喉から手が出るほど欲しかった先制点となった。

 その後も、横浜FCと仙台のペースの差は明らか。両チーム共に、選手のポジショニングは悪くないが、仙台の出足は横浜FCの70%程度という印象。中盤で効果的にボールを奪う横浜FCが、確実にショートカウンターを繰り出していく。ゴールにはならなかったが29分に西田が小野のスルーパスに反応して放ったシュートなど、得点に繋がる連動した動きを表現し続けた。一方の仙台は、連動した動きが少なく、ボールの出しどころに困るシーンも見られる。それでも、横浜FCの細かなミスを見逃さず攻撃を仕掛けるが、横浜FCの体を張った粘り強い守備で決定機を許さない。前半の終盤、仙台はさらに攻勢を強めるが、横浜FCにとって失点が多いこの「魔の時間」も耐えると、前半を1-0で折り返す。

「前半よりも走ってスペースを作り、相手のゴール前でのプレーを増やし、バイタルではシュートの意識をもっと出す」(手倉森誠監督)と指示を受けた後半、仙台はようやく持ち前のポゼッションを発揮し、猛攻を開始する。横浜FCにとっては耐える時間となるが、ここでも前半からのボールへの出足は衰えなかった。仙台はボールを回し続けるものの、徐々に回させられているような状況に陥る。状況を打開すべく、58分、69分、75分と、立て続けに選手交代を掛けるが、状況に応じてラインを下げながらもコンパクトに保った横浜FCの守備ブロックを破ることはできない。84分には、鄭容臺が2枚目のイエローカードで退場するが、「これでやることがはっきりした」(三浦知良)と守備の集中を高めた横浜FCが集中力を保つ。後半のシュート数は横浜FCが2本に対し仙台は5本と、ポゼッションだけを見れば仙台優位で進むが、時にセーフティーファーストを優先し、守備をコントロールし続けた横浜FCが、見事に逃げ切りに成功した。

 横浜FCにとっては、東京V戦に続くアップセットとなったが、もはやフロックではない。第1クールの対戦では、目指すサッカーを出すことに苦心しながら結果が出ないことでの自信喪失が表れた試合だったが、この試合ではその姿からの大いなる成長を見せた。第1クールから苦しみながらチームに刻んでいった戦術に、安孝錬の加入と小野の復帰が良い触媒となり、活力を与えている。そして「前半から点を取りにいこうという姿勢が出てきたことが一番の違い」(八角剛史)、「先制点を取れれば勝てるという確信はある」(西田)というように、ゲームの勝ち方ということについて、一定の道筋と自信をつけてきていることは大きい。やっと5勝目だが、この1-0の勝利は、結果だけなく内容的にも一番価値のあると言える。自ら理想とするサッカーを追い求めながら、リアリズムも失わない姿勢を貫いた勝利は、今後の大きな財産となる。ただ、選手が「上位との対戦で意地があった」と口を揃えるように、上位との緊張感がチームに力を与えている側面はある。その意味では、次の栃木戦が非常に大事。今シーズン初の連勝は至上命題だ。

 一方の仙台は、気を付けていたにも関わらず立ち上がりの失点を喫してしまったこと、そして運動量を保てない中で、バランスの取れた守備を打ち破れなかったことは大きな課題。熊本戦では、相手のミスと個の力で逆転できたが、仙台はバランスのよいポゼッションのスタイルを取るために、守備ブロックを固められるとボールを回させられる傾向となり、特にビハインドを負うと苦しくなる。相手チームのスカウティングが進む中、ここまで積み上げてきたサッカーを、ゲームの立ち上がりから表現する必要となる。昇格圏内で生き残るための最大のハードルをどう乗り越えるか、手倉森監督の修正に注目したい。

 今節も上位陣が勝ちきれないチームが複数あり、混戦の度合いが増してきている。J2ならではのアップセットも増えてくるだろう。そんな暑い夏を象徴し、今後の混戦を予感させるゲームとなった。今後のJ2の熱戦から目が離せない。

以上

2009.08.06 Reported by 松尾真一郎
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