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【J2:第29節 横浜FC vs 鳥栖】レポート:違いは単なる勢いだけではない。ベースのプレーと勝負どころのプレーを突き詰めた鳥栖が、横浜FCの隙を見逃さず快勝。(09.07.23)

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7月22日(水) 2009 J2リーグ戦 第29節
横浜FC 0 - 3 鳥栖 (19:03/ニッパ球/1,541人)
得点者:42' ハーフナーマイク(鳥栖)、49' 柳沢将之(鳥栖)、71' ハーフナーマイク(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch180 7/23(木)14:30〜(解説:都並敏史、実況:中村義昭、リポーター:三須亜希子)
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 試合終了時にスコアボードに刻まれた0-3というスコア。鳥栖の3ゴールに至るプレーと、横浜FCの攻撃の質を比べると、まさに第2クールの横浜FCと鳥栖の勢いの差がそのまま出たような試合と表現することができる。試合も、プレビューで触れたような最近の横浜FCの試合展開を判で押すようになぞったもの。この試合の両チームのプレーの差は、横浜FCが陥っている「負の連鎖」の本質を浮き彫りにするものだった。

 前半は、内容だけは横浜FCの試合。しかし、勝負に直結するプレーの差が両チームの運命を左右した。鳥栖の岸野靖之監督が「横浜FCは、何かのきっかけを掴みたくて毎試合やっている」と述べたように、前半の立ち上がりから横浜FCが積極的にプレスを掛けたこともあり、序盤は落ち着かない展開となる。しかし、安孝錬の加入により八角剛史が守備に専念できるようになったこともあり、ハーフナーマイク、トジンの鳥栖の2トップに対するケアが形になり始めると、徐々に横浜FCが主導権を握る展開となる。「引いて受けるタイミングが良くて、うまくやられていた」と高橋義希が振り返るように、安孝錬を中心としたボールの展開で中盤を支配し、サイドから何度となくクロスを上げる場面を作り出す。

 安孝錬の経験豊富なプレーぶりから、ゴールシーンへの期待感がサポーターに高まる中、先制点は、逆に我慢を続けていた鳥栖に入る。42分、横浜FCのクリアボールを拾った島田裕介が、センターに構えるハーフナーマイクの動きをしっかりと確認して、GKとディフェンスラインの間に正確なクロスを上げる。そこにハーフナーマイクがしっかりと飛び込みゴールゲット。鳥栖が勝負どころのワンチャンスをモノにする粘り強さを見せた先制点で0-1とリードし、試合を折り返す。

 鳥栖はボールに絡めなかったトジンに代えて後半開始から山瀬幸宏を投入。前半にはなかった裏のスペースを使う動きを絡め始めると、前半から飛ばしていた横浜FCの守備バランスに乱れが生じて、鳥栖がペースを引き戻す。その鳥栖の猛攻の狼煙を上げたのは柳沢将之。49分にハーフナーマイクに入ったロングボールからの落としをフリーで受けると、ミドルレンジから見事なブレ球のシュートを叩き込む。「後半立ち上がりの失点が大きかった」(吉田正樹)というように、後半開始早々という要注意の時間の失点で、流れは完全に鳥栖に移る。横浜FCは安孝錬が前線から中盤まで広く動き孤軍奮闘するが、それに相反するように前半の疲労がボディーブローとなり、チーム全体の動きは停滞し、安孝錬のアイディアを生かすことができない。加えて守備も間延びし、鳥栖の勢いを止めることができなくなる。そして71分、島田のコーナーキックを再びハーフナーマイクが高い打点で叩き込み、鳥栖がゲームを決める3点目を挙げた。

「ちょっとしたアプローチの甘さ、ポジション取りの甘さ、この辺が鳥栖と違って、それが結果になった。あと5メートル、プレスバックできれば、あるいはあと3メートル相手に対して出られれば、1点目も2点目もなかった」(樋口靖洋監督)
「フリーでシュートを打たせないという、鳥栖がやらなければいけない小さなことを大事に今日もやった」(岸野監督)

 試合後の両監督のコメントには、両チームの差を如実に表す象徴的な言葉が含まれていた。それは、ベースとなるプレーを90分間続けること。鳥栖は、横浜FCのシュートチャンスでは確実にシュートコースを抑えて、時間を掛けさせてミスを誘った。しかもその守備には、全く隙がなかった。そして、勝負どころの正確なプレー。ハーフナーマイク、島田の個の特長を肝心な場面で100%発揮する集中力の高さが光った。いずれのポイントも、チームとしての戦い方の根本になる部分であり、横浜FCが負の連鎖から抜け出せないのは、これらの点での甘さが解消されていないところにも原因がある。

 ただ、この試合では、横浜FCは安孝錬がそのポテンシャルを見せ始め、怪我から復帰した小野智吉が途中出場ながら誰よりも堅実で気の利いたプレーを見せ続けた。あとはいかに、チームとしての戦い方を90分の試合で徹底できるか。ここまでの29試合の苦労を無駄にしないためにも、再度見つめ直す必要があるだろう。
 一方の鳥栖は、これで10試合負け無しと、好調をキープしている。この第2クールで培った自信を、より高いレベルで表現できるか。「夢昇格」に向けた岸野監督の今後の舵取りに注目したい。いずれにせよ、この試合をどのようにチーム強化に結びつけるか、両チームに取って次の試合のプレーが重要になるのは間違いない。

以上

2009.07.23 Reported by 松尾真一郎
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