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2024.10.252024JリーグYBCルヴァンカップ決勝におけるサステナブルアクション
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2023.12.192024JリーグYBCルヴァンカップ 大会方式および試合方式について
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NEW HERO AWARD ニューヒーロー賞
MF 28 山根 陸(横浜F・マリノス)
「来年こそは決勝に導きたい」
1stラウンドから準決勝を通じて最も活躍が顕著だった21歳以下(当該シーズンの12月31日において満年齢21歳以下の選手)の選手1名に贈られる『ニューヒーロー賞』は、横浜F・マリノスの山根陸が受賞。今大会3試合に出場し、随所で光るプレーを見せた21歳のボランチに、その手ごたえやここからの課題、そして届かなかった決勝への想いなどを語ってもらった。
聞き手:大林 洋平
僕一人だけの賞ではない。驚きと感謝の気持ちでいっぱい
――ニューヒーロー賞の受賞、おめでとうございます。
「練習からいい環境でやらせていただき、チームメート、監督、コーチ、クラブスタッフに助けられているので、僕一人だけの賞ではないと感じています。今大会は出場した試合が多かったわけではなく、結果を出したとも思っていませんが、驚きと感謝の気持ちでいっぱいです」
――過去には横浜FMの先輩でもある齋藤学選手(現沼津)や遠藤渓太選手(現FC東京)が受賞されました。そのほかにも日本を代表する錚々たる面々が受賞されています。
「遠藤渓太さんはマリノスタウンがあったころ、ロッカールームが同じだったので、お話しさせていただいた思い出があります。自分がトップチームの練習に参加していたときや、遠藤さんが海外から帰ってこられてF・マリノスの練習に参加したときに挨拶しました。このような賞をいただき、本当に光栄に感じています。受賞後、ヨーロッパで活躍された選手も多いですし、だからこそ、自分ももっと活躍して羽ばたいていきたいと思いました」
――目標であり、夢でもある日本代表に向け、この先が重要だという意識でしょうか。
「そうですね。将来的には欧州でも活躍したいし、代表にも選ばれたいです。ここから先、目指している場所があるからこそ、どれだけ伸びるかが大事になります。いまはその気持ちが強いですね」
――今大会では、快勝したプライムラウンド準々決勝第1戦・札幌戦(6○1)は会心のゲームだったのではないでしょうか。
「前半に札幌に退場者が出て、自分たちのゲームになりました。マンツーマンの守備でくる相手だったので、動きでどれだけ変化をつけられるのかがポイントでした。喜田(拓也)選手とボランチを組んだのですが、ビルドアップでなんとかボールを運び、シンプルにテンポを上げた感じです。ただ、チームをオーガナイズする意味ではよかったのですが、もう少し怖さや自分の色をどこかで出したかった気持ちのほうが強いです」
――それはほかの試合にも共通する課題なのでしょうか。
「自分本来の色を出せる試合もあるのですが、うまく結果に結びつかないこともあります。まずは継続することが大事だと感じています」
――Jリーグ全体を見渡しても21歳以下で出場機会を得ている選手は多くない中、山根選手はコンスタントにプレーしている印象です。
「多くの試合に出させていただいていることは僕の中で自信になっています。チームとしてスタイルが確立されていたことが大きく、そこにスムーズに入れました。ただ、今年はもうプロ3年目です。もっと結果を出さないといけない中、納得できるシーズンかと問われれば、そうではありません。ここからどう伸びていくかのほうが大切です」
――具体的に何に課題を感じているのでしょうか。
「存在感を出したいです。それがどのような形なのかはいろいろあると思いますが、数字も大事になりますし、チームの中心になっていかなければならないと感じています」
“数字”にどれだけ関われるか。ゴール前の質はまだ上達できる
――最近、攻撃から守備へのトランジションの意識が高まったように見えます。
「よく分かりましたね(笑)。欧州などの強度の高い試合を見ると、距離の詰め方はセットした状態と流れの中ではかなり違います。自分たちが相手陣地でゲームを進めたい中、攻めたあとの圧迫感は中央の選手が一番出しやすいと思っています。まだ距離が遠かったり、引っかけられなかったりもしますが、フィジカル的にもメンタル的にもかなりいけるようになりました。以前から意識してはいましたが、自分の中での“当たり前”の場面が増えてきました」
――先日、AFCチャンピオンズリーグエリート・リーグステージ第3節で対戦した山東泰山(中国)のクリサン選手とも球際で激しく戦っていました。
「(クリサン選手のフィジカルは)強かったですが、欧州ではあのような選手しかいないと思います。彼がうまいシーンもありましたが、自分が止まれていなかったり、慌ててしまったりする場面もあったので、そういったところは改善していきたいですね」
――以前、ご自身のことを「8番のタイプ」とおっしゃっていました。それを踏まえれば、ゴール、アシストの数字をより求めたいのではないでしょうか。
「もっと選手としてレベルを上げるためには、その“数字”にどれだけ関われるかが大事になります。F・マリノスでは強烈な外国籍選手が前線にいる中、どれだけ彼らのよさを出してあげられるかも大事ですし、逆にそこで自分の色をどう出していくかも大事になります。まだまだゴール前の質、フィニッシュは上達が必要です。
一概に“ゴール前”と言ってもさまざまな要素があるのですが、自分の色を出す機会を作るチャレンジが必要です。去年と比べれば、シュート数は増えましたし、いままで入っていかなかったエリアに入り、ボールを受けて前を向けた場面でうれしさを感じることもあります。それができるようになり、時間が経てば、『そのプレーが当然』というメンタルにも変わりました。その感覚を整理しながら進んでいきたいです」
――常々、「F・マリノスで活躍してから欧州を目指したい」と言われていますが、その心境に変化はありませんか。
「その“活躍”の意味合いが年々、変わってきました。プロ1年目は試合に出ることが“活躍”だったかもしれませんが、いまはチームを勝利に導くプレーが“活躍”です。そして、海外移籍も頭にはありますが、それもタイミング次第ですし、さまざまな要素がかみ合ったときに実現するものです。欧州にいった選手からは『早ければ早いほうがいい』と聞きますし、自分もそう思います。その一方で先々のことを考えてもプレッシャーになるだけなので、考えることをやめようとも思いました。結果を出すために自分を律して毎日、どれだけやり尽くせるか。去年あたりからそういったマインドセットになりました」
ルヴァンカップは自信と経験を得られる大会
――プロ3年目ですが、ルヴァンカップには2022年に2試合、2023年に6試合、2024年に3試合に出場しました。山根選手にとってどのような大会ですか。
「1年目と2年目は21歳以下の選手が出場するルールがあったので、必ず僕か(藤田)譲瑠(チマ)選手(現シント・トロイデン/ベルギー)が出ることができました。2年目の夏以降は僕しかいない中、リーグ戦に絡めていない時期に試合に出て自信になりましたし、出場機会を得られる貴重なチャンスでもありました。昨年のプライムステージ準決勝・浦和戦は悔しい思いをしましたが、いい経験にもなりました。プロではなかなか上のステージで戦う経験ができません。若いときからそれを経験できて、ありがたい機会だと感じています」
――出場した計11試合の中で一番の思い出はどの試合ですか。
「前回大会のプライムステージ準々決勝・札幌戦の2試合です。その前の夏場のリーグ戦はほぼベンチスタートで出場時間も短かったのですが、自分のパフォーマンスをそれなりに出せました。その2試合がエンジンになり、そこをきっかけにまたスタメンで試合に出してもらえるようになったので、昨シーズンのカギとなった試合になりました」
――まだ見ぬファイナルの舞台への想いを聞かせてください。
「チームとしても、個人としてもまずはファイナルにいきたいですね。決勝の雰囲気はほかの試合とはまったく違うはずです。自分が試合に出てタイトルを獲得することも目標の一つです。来年、またそのチャンスがあるので、まずはそこを目指します。そして、その決勝で自分がどれだけできるのかも楽しみです。頭をクリアに整理してプレーできているときが自分のいい状態なので、それをその決勝で出せるように、日々、課題を克服していきたいです」
2003年8月17日生まれ、21歳。173cm/65kg。神奈川県出身。田山FC→横浜F・マリノスプライマリー→横浜F・マリノスJrユース→横浜F・マリノスユースを経て、2022年に横浜F・マリノスのトップチームに昇格した。