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【J1:第33節 C大阪 vs 鹿島】プレビュー:『絶対残留』のためにホーム最終戦勝利を誓うC大阪、『王座奪還』へ可能性を残す鹿島と対戦(14.11.29)

J1への『絶対残留』が至上命題の17位C大阪と、2009年以来となる『王座奪還』を目指す3位鹿島が、この第33節で顔を合わせる。それぞれの目標まで、残り2試合で、勝点4差。ともにこの一戦は、負ければ、そこで可能性が潰えるだけに、互いの道を最終戦までつなげるべく、まさに生き残りをかけたサバイバルマッチとなる。

開幕前の期待が大きかっただけに、本当につらい、苦しい、はがゆいシーズンとなったC大阪。昨シーズン4位、ACL出場圏獲得に貢献した主戦力をベースに、フォルランというビッグネームの獲得などで脚光を浴び、初タイトル奪取を狙ったはずが、2度の監督交代をはじめ、様々な困難にぶち当たって、気づけばJ2降格圏。前々節、甲府に1-3と完敗し、崖っぷちの状況に追い込まれた。そのなかで、約3週間の中断期間を挟んで臨んだ前節の仙台との残留争い直接対決では、3-3のドロー。前半に2点のリードを奪われながら、杉本健勇と永井龍という生え抜き攻撃陣のゴールで追い付くと、再度突き放されながらも、終了間際にカカウの起死回生同点弾で、J1残留へ、首の皮1枚、かろうじてつながった。ただ、鬼門、ユアテックスタジアム仙台でなんとかもぎとった勝点1を、最後の2試合、2連勝へのきっかけにしたいところだ。

「個人的にも、C大阪としても、今回、非常に多くの学びがあった。今回得た学びは、将来の選手たちの、将来のクラブの、発展や成長のために、J1に残ってこそつなげられると思うので。そういう意味では、僕は落としたらあかんなと思いますし、是が非でも2勝して、J1に残すことしか考えていない」というのは、今季9月、大熊裕司監督就任後から現場復帰した小菊昭雄コーチ。1998年からC大阪に携わり、育成のコーチ、スカウトを経て、レヴィー クルピ監督時代にはコーチとして、長年クラブを支え続けた名参謀は、J1に残る意味を痛感する。
「選手はいろんな苦労をしながらも、大熊監督のもとで、いろんなことを整理できたり、新たな学びを得て、日に日に成長しているなと感じています。取り組みも、すごく前向きにやっていますし、すごく活発に毎日トレーニングできています。今は厳しい状況のままですが、選手たちもいい雰囲気でトレーニングをできていますし、もちろん、危機感を持っていますが、選手たちはやってくれると思いますし、2連勝した暁には、そういういいこと(J1残留)が起こると思うので、それを信じて、この2試合、やるしかない」。
そう、C大阪は、もうやるしかない。Jリーグのトップステージでの戦いを、ここで途切れさせるわけにはいかない。その想いの強さを鹿島に、この2試合にぶつけなければ、明日はない。

ただ、鹿島としても、譲れないものがあるだろう。第27節、第28節で連敗し、その後も首位の浦和に勝ちきれず、 リーグ優勝は厳しい状況かと思われたが、ここに来て2連勝と盛り返し、再び頂点にたどりつける可能性を自ら引き寄せた。そして、07年のときのような、最終節での逆転優勝達成のためには、こちらも2連勝あるのみ。柴崎岳、赤崎秀平、昌子源、土居聖真といった若手、西大伍、遠藤康ら中堅、曽ヶ端準、小笠原満男といったチームを支え続けたベテランが一体となっている、トニーニョ セレーゾ監督率いる鹿島。開幕前は大迫勇也(現:1.FCケルン/ドイツ)が海外移籍した影響を不安視されたなか、その前評判を覆すべく、目指すは勝利、そして王座奪還。そのために、ここで引くわけにはいかない。

今季の対戦では、C大阪がアウェイで鹿島に2-0と勝利。フォルランのリーグ戦初ゴールが生まれたのも、この一戦だった。果たして、C大阪がホームでも凱歌を上げるのか。それとも、鹿島がC大阪戦アウェイ連勝を4に伸ばすのか。C大阪にとっては、これが今季ホーム最終戦。この1年で、リーグ戦でのホーム戦勝利は16戦中わずか4勝と、サポーターと喜びを分かち合うことさえ、なかなかできなかった。特に第31節甲府戦での惨敗後は、チームもサポーターもショックを隠しきれなかった。それだけに、「甲府戦のときにはホームであんな負け方をして、本当に申し訳なかったし、自分たちもむっちゃ悔しかった。しっかり最後はホームで勝って、次につなげたい」と丸橋祐介。ホームでの借りは、ホームで返す。「長居のスタジアムで、サポーターと一体となって勝ちたい」と藤本康太も言うように、C大阪ファミリーが1つになって強敵・鹿島に立ち向かっていくことが、J1残留への一筋の光となるはずだ。思えば、昨シーズンのホーム最終戦となった第33節では、同じ大阪長居スタジアム(現ヤンマースタジアム長居)にて、鹿島の前に惜敗し、初優勝の望みが完全に絶たれた。もちろん、当時と今では状況は違うものの、これまで長居の地で幾多の苦杯をなめさせられた相手に、ここでまた屈するわけにはいかないC大阪。今こそ桜色の戦士たちの意地を見せるときだ。

以上

2014.11.28 Reported by 前田敏勝
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