ゲーム中、チームを後押しするサポーター。その中で、応援旗を振って選手を鼓舞する大旗部隊がいる。3m×4.5mの大旗をなびかせ、チームのゴールの際には盛大に旗を振って場を盛り立てる。その風景は荘厳なものとなる。スタジアムによって活動エリアは異なるが、岡山の2014シーズン最終節・富山戦では、ゴール裏に16本の大旗部隊が並んだ。
大旗部隊・リーダーの川野さんは、「選手のため、サポーターのため、ゲームをさらに盛り上げるためにやっている。一緒になって戦うこと、それが誇り」と話す。アウェイ遠征には、旗と竿を「年数を重ねるごとにコンパクトになっている」荷物にしてフットワーク軽く出かける。岡山が地域リーグを戦っていた頃から応援を始め、09年から大旗を振っている杉山さんの旗には「6」という数字が描かれている。「これは以前、在籍していた野本安啓さんの背番号で、今は竹田忠嗣選手が受け継いでいる番号。クラブが続く限り、大旗部隊を続けます」。杉山さんの弟さんも、大旗部隊の中心メンバーのひとりだ。「最前列で選手を鼓舞出来ることが自分たちの誇りです。後ろを振返ると、応援している人の顔が見えて、よろこびを感じます」と話す。
2014シーズンの岡山の試合は雨に見舞われることが多かった。特に9月6日、ホームで行われた第30節・磐田戦は、ゲーム中の2時間で約22ミリの雨量というデータもあり、体感としては岡山がJ2に加入した6年間で最大。「滝行だった」というサポーターの感想も聞いたこの日の大旗部隊は、「息が出来なかった」と笑って振り返る。J1昇格を目指し、勝てなかった4月を経て、18戦無敗記録を作り出した2014シーズンの岡山。昇格プレーオフ進出の可能性は第41節で消滅した。それでも最終節・富山戦に意気揚々とやって来た杉山さん(弟)は、「今日は特に今年が最後になる選手のために振ります」と話していた。
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2014.11.27 Reported by 尾原千明