●柱谷幸一監督(北九州):
「今日は本当にたくさんのサポーターが北九州から来ていただいて、みなさんの前で勝つゲームをしたかったですが勝つことができず残念です。ゲームは90分を通して自分たちのやりたい内容はできていましたが、結果を持ってくるためにはCKでの失点をしないことと、数多くあったチャンスを決めきれないと勝つゲームはできなかったと思います。内容では自分たちのゲームができていたと思います。今日のゲームだけを見れば非常に残念な結果になったので自分たちに足りないものをしっかりと次のシーズンに繋げていかないといけないなと思っています。
1年を総括して、まだ整理できていない部分はありますが、今思っていることはみんな本当によく頑張ってくれたと。日頃から結果と内容とフェアプレーが達成できるようにやっていくと。シーズンが終わった時に結果と内容とフェアプレーがどうだったか、自分たちで振り返ってみようと言っています。42試合が終わって、この5位という順位は非常に良く粘って勝ちゲームをたくさん作って勝点を取った結果だと思います。得失点差をみるとゼロかマイナスというところですが、そういう中でこうやって勝点を取って来れているのは、競ったゲームを自分たちが粘り強く戦って、1−0のゲームや、逆転が7ゲームあると思いますがそういうゲームを勝ちきったことが、今の順位と勝点に繋がっていると思います。
内容に関してもずっと右肩上がりでシーズン開幕からどんどん良くなってきて自分たちのスタイルが構築して来れたと思います。攻撃はカウンターとポゼッションを使い分けようと。守備ではプレスとリトリートを使い分けてその時の状況にあった一番いいプレーを連動しながら選択していこうと。そういうチームを目指してきましたが今日の試合を見ても分かるように、ゲーム内容は素晴らしい内容ができたと思います。
フェアプレーに関しても今日はイエローカードが一枚も出なかったですし、おそらく(反則ポイントが)40ポイント以下でシーズンを終えることができたのでフェアプレー賞を頂けるのではないかなと思います。前の2シーズンは140ポイント以上あって2年連続ワーストだった。僕が来てからは無駄なイエローやレッドカード、ファールを少なくしていこうと。それがイコール勝ちに繋がるし、それが北九州というクラブや地域がフェアな場所だと自分たちから発信できる。そういうチャンスなので、それをやっていこうと選手たちに話していて、去年もかなり減りましたし、今年も本当に少ない反則ポイントで終えられたので選手たちには感謝したいと思います。
最後のゲームは非常に悔しいゲームになりましたし、選手たちも勝ちたかったでしょうし涙を流している選手もいましたが、リーグ戦はこの1試合ではなくて42試合でどれだけ勝点を積んだかがリーグ戦なので、最後は残念ながら3連敗に終わりましたが1年間みんなよく頑張ってくれたんじゃないかなと思います。
最後にサポートしていただいたスポンサー企業の皆さん、パートナー企業の皆さんに感謝したいというのと、ホームでもアウェイでも来ていただいたサポーターのみなさんに感謝したいと思います。裏方で我々を支えていただいた、本城を素晴らしいピッチにしていただいたスタッフの皆さん、練習場を管理していただいた皆さん、そういう周りの人に感謝したいと思います。このクラブは必ずいい方向に進んでいくと思います。そのまた一歩前進できたシーズンになったと思います」
Q:昨季に比べてどの部分が良かったのか?
「守備のベースをしっかり作ることができ、チームの安定感が増したということだと思います。あとは一人一人の選手の特徴を発揮できるような攻撃と守備の形を作ることができたので、一人一人の選手がストレスなく自分の得意なプレーをゲームの中で出せるようになった。ただウィークポイントは一人一人持っていて、我々のチームに入ってくる選手たちはどこかのチームで契約できなかった選手たちが多いので、できない部分も多少あります。だけどそこをみんなでカバーして、プロとして彼らは勝ち残っているのはやはりいいところは必ずあるので、得意ないいところを周りで引き出せたのが結果と内容に繋がったと思います」
Q:チーム最多得点の池元友樹選手への評価は?
「池元はこの前の2シーズンはケガでほとんどフルシーズンを戦っていなかったので、今年はしっかりいいキャンプをやりながら開幕を迎えて、それでも過去2シーズン、フルにやっていないのでコンディション的な不安もあったので、イケ(池元)と話をして、90分ずっと続けるとストレスが溜まるので、60分やって次に90分やったり、60分を続けたり、コンディションを作りながらやったのがまずは良かった。イケの背後へのランニングと点を取るためのオフ・ザ・ボールの動きを周りが理解していいボールを入れ続けたことが彼の得点に繋がっていると思います。イケが毎日地道な努力をしているのは他の選手たちも我々も見ていますし。そういう地道な彼のルーチンのフィジカル的な準備、そういうところが積み重なってこういう結果が出ているというところは絶対に忘れちゃ行けないですし、周りの若い選手も見習わなくてはいけないと思います」
Q:プレーオフ圏内に入ったが上がれないことについては?
「自分たちがライセンスを持っていないのでどういう形になっても上がれないと分かった状態でシーズンをスタートした。ずっと6位以内をキープしながらシーズンを過ごしていく中で、選手たちには特に6位以内のことは言わずに目の前の試合を集中して一試合一試合戦っていこうと。そこで勝点を積み上げていって、一人一人が成長していく。それをずっと言い続けた中で、一番最後に困ったのは残り5試合くらいのところ。残り5試合は非常に難しいゲームになると。我々もいつかはライセンスを持った状態の中で戦わなくてはいけない中で、あえて残り5試合勝てば3位になると。1、2位は決まっていて目標は作れなかったですが、3位になれば42試合戦って3番目に強いチームになる。レギュレーションに関係なしに3チーム上がれるということであればそこで上がれる。ただ6位以内に入ればプレーオフ圏内になるので勝てば上がれるということなので、逆に選手たちには3位になる、それがJ1に上がる力になると言って戦いました。さすがに厳しかったですね。残り5試合は。ですが、いい経験になりましたし、近い将来必ず生きてくると思います。6位以内に入ったからプレーオフの権利があってJ1に行ける可能性のあるチームだと示せたのは素晴らしいことだとは思いますが、我々のクラブは小さいクラブですし全体予算、強化予算も、22チーム中19番目。そういうところもクラブも予算規模を上げていって強化費を上げなければいけないですし、入場者数もおそらく今シーズンワースト1だと思いますし、そういうところの人数も増やしていかなければいけないですし、アカデミーも練習環境も整えていかないといけないので、現場が6位に入ったからといって『はいJ1だ』とは全く思っていないです。1年1年いろいろな部分を積み上げていって、J1にふさわしいクラブにしていかないといけないですし、2017年に新スタジアムがができて、2016年のシーズンにライセンスは降りると思いますが、スタジアムができたからそれだけでJ1に行けると思ってはいけないですし、1年1年しっかりクラブとしての力をいろんな面で付けていかなければいけないと思います」
Q:残り5試合の難しさ、具体的にどういう部分か?
「こうやってチームが勝って選手が活躍するとどうしても来季の契約の問題が出てきたり、他のチームから声が掛かる選手たちがあり、プレーする以外にいろんな雑音が入ってくる状況があった。おそらくプレーオフ圏を争っているチームはいろんなものを封印して、とにかくシーズンが終わるまで全てシャットアウトして最後まで戦うと思いますが、我々はプレーオフ権を持っていないので、残り5試合6試合のところでの集中力を保っていく難しさは非常にあったなと思います」
Q:今シーズンの選手たちを評価すると何点か?
「100点と言いたいところですが、100点と言うともう成長がないので、点数が付けれるかは分かりませんが、彼らは持てる力を十分に出してくれたんじゃないかなと思います。目の前のゲームを100パーセントいい準備をして戦って、それを42試合やった結果が自分たちの力と思えるようにスタートしたので、この順位と内容が自分たちの力だと思っています。リーグ戦もこうして6位以内に入って自分たちがJ1にチャレンジできる可能性があることを示すことができましたし、天皇杯もベスト8まで行って、そこでは敗れましたが天皇杯でも我々は上に行ける可能性がある。そういう可能性がクラブ内にも、クラブの外、北九州のみなさんに知っていただけたことでもっと応援してもらえるような雰囲気が北九州のみなさんに出てくれば、観客動員数も含めて増えていくんじゃないかなと思います。選手たちはあまりメンバーも代えずに戦ってきたのでかなり疲労している状態だと思いますが、最後まで、今日も残り1分1秒まで1点を取るためにやってくれたので、選手たちにはよく頑張った、ありがとうと言いたいと思います」
Q:シーズン前は多くの人が下位予想していた。その予想について何か言いたいか?
「僕も解説者をやっている時期があったので、やはり今のうちの予算規模を考えると、降格圏に解説者の人たちが挙げていくのも仕方がないのかなと思います。22位とか(笑)、19位とか、最高でも15位くらいでしたかね。そのくらの順位予想でしたが、そういうところを覆せたのはみんな誇りに思っていいんじゃないかなと思います。いろんな可能性があることを示せたのは非常に良かったと思います」
以上