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【J2:第42節 山形 vs 東京V】プレビュー:ぶつかり合う2つのアクション。山形は初のプレーオフ進出を懸け、運命の一戦に臨む。(14.11.23)

J2降格から3シーズン目、山形は。過去2シーズンはともに10位。昇格への扉を閉ざされたなかで最終節を迎えたが、今シーズンは、残る1枠を決める「J1昇格プレーオフ」への出場可能性を残している。序盤から連勝なしの時期が長く続いたこともあり、ようやく6位にたどり着いた状態だが、ここへ来て3連勝。組織としての連係が深まるなかで個の長所も存分に生かされ、それが結果にも結びついている。

3位・磐田との勝点差は2、7位・大分との勝点差は1。この一戦の結果、行き着く可能性のある順位は3位から7位までと幅広い。プレーオフ進出の可能性で言えば、負けても進出できるケースもある一方で、引き分けでも進出できないケースもある。J1のライセンスを持たない5位・北九州の動向もあり、プレーオフに進出した場合、準決勝の会場はホームもアウェイもあり得る。さらに26日には千葉との天皇杯準決勝も控えているため、日程的なハンディキャップの問題とも向き合わなければならないケースもある。この一戦を経てどのポジション、どの状況に収まるかを説明するのは複雑だ。

だからこそ、チームは一つの答えに行き着いている。前節、急遽先発という形で復帰戦を勝利で飾った石川竜也は「僕個人としては目の前の一つの試合なので、しっかり勝つことしか考えてないし、それが42試合の積み重ねの結果として出るわけだから、しっかり勝てるようにというのを考えてやるだけ」。「勝つしかない、シンプルだと思う」という當間建文も、「意識せずに、1年間やってきてることを続けるだけ。緊張はすると思う。でもその不安を消せるぐらいのトレーニングができるのがこのモンテディオだと思うので、当日にならないとわからないけど、楽しい緊張感であればいいなと思う」とこの一戦に向けた思いを語った。

前節・磐田戦はシュート数こそ4本にとどまったが、前半と後半に得点を重ねて2-0と勝利した。勝利への気迫を前面に出し、気持ちが乗ったゲームで成功体験をしたあとだからこそ、メンタル的なリバウンドにも警戒が必要だ。「好事魔多し」。それを何度も味わってきたシーズンだったことを忘れてはならない。ここまで続けてきたように、過信や慢心につながる「内なる敵」にまずは勝たなければならない。

異様な熱気を帯びるNDスタに乗り込んでくるのは東京V。第16節以降の定位置となっていた20位から順位の変動がないまま最終節を迎えることになったが、前節で20位が確定したことでJ3との入れ替え戦が回避され、J2残留を決めた状態で臨む一戦となる。さらに、9月に就任し残留という最低限のミッションを成し遂げた冨樫剛一監督が来シーズンも指揮を執ることが、今週発表されている。東京Vにとっては、今シーズンのスタイルをさらに進めて締めくくるとともに、来シーズンの巻き返しへ向けた第一歩として、第35節以来遠ざかっている勝利をめざす。

ホーム最終戦となった前節・群馬戦は、先発から異例の3バックでスタート。しかし、「相手の2トップに対してウチの3バックとボランチのところで少しずれがあったのかなと思った」(冨樫監督)と守備のミスマッチを解消できず、前半の残りわずかのところで慣れた4バックに戻したが、アディショナルタイムに失点した。後半は多くの決定機をつくったなかで、82分、福井諒司のゴールでようやく追いついた。ドローは4試合続いている。前節に続き出場停止となる金 鐘必に加えて、前節アディショナルタイムで退場処分を受けたニウドも欠場となるが、冨樫監督は前節終了後、「今日のゲームで残留は決まりましたが、次のゲーム、今年のJリーグをしっかり締めくくるためにも、勝つための努力をまた一週間して、山形戦へ向けていきたいし、そのゲームを観て、『来年以降もヴェルディを応援していこう。一緒に戦っていこう』と思ってもらえるような気持ちの見えるゲームをしていきたいなと思っています」とこの一戦に懸ける思いを語っている。

東京Vはハードワークできるチーム。守備ではプレッシングを連動させ、攻撃ではショートパスとドリブルを主体に相手の守備ブロックを果敢に崩しにかかる。ボールを握ったなかでアクションを起こすスタイルに対し、山形はハイプレスとカウンターという別のスタイルのアクションで迎え撃つ。山岸範宏が言う。「僕も初めてJ2の戦いを20数試合出てみて、順位は関係ないなと思った。対戦相手がなかなかうまくいかないからといって、試合が始まったら何もアドバンテージはないし、力の差はそんなにないので、やっぱり順位は関係ないなと」。激しい攻防はどのような結果をもたらすのか。予断をはさむ余地はない。

以上

2014.11.22 Reported by 佐藤円
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