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【J2:第41節 讃岐 vs 大分】プレビュー:立ち位置は違えど、共に崖っぷちの讃岐と大分。喉から手が出るほど欲しい勝点3を手にするのは90分間、自分たちのプレーを貫いたチーム(14.11.14)

とうとう残り2試合となってしまった。両チームにとって来季の運命が決まってしまうかもしれない大切な2試合。讃岐は20位の東京Vが3試合連続引き分けと足踏みをしている中、同じく3戦連続引き分けと歩調を合わせてしまい「J2・J3入れ替え戦」へとまわる21位からの脱出をはかれていない。そして大分は前節の敗戦でJ1昇格プレーオフ圏内の6位から圏外の7位へと順位を下げてしまった。讃岐はJ2自動残留へ、大分はプレーオフ進出に向け、勝点3は絶対条件だ。

大分は前節、ホームで水戸と対戦。まずは25分、セットプレーから風間宏矢が決め、その後、水戸に追いつかれるも63分、勝ち越しに成功。が、このまま逃げ切るかと思われた後半終盤、突然、崩れ始める。それまで良かった選手間の連係が攻めるのか守るのか、あやふやになってしまい水戸に攻め込まれ、後半アディショナルタイム、まさかの2失点。握りかけた勝点3が手からポロリとすべり落ちてしまった。勝点差2で大分を追っていた7位の山形が勝利したため順位は入れ替わり。大分は、2試合を残してプレーオフ圏外の7位へ。自力でのプレーオフ進出の芽は絶たれた。

この試合、後半終盤まで大分は4−1−4−1の布陣の特性を全員が共有し、得意のショートカウンターを生かした大分らしいサッカーが出来ていた。特に前半は、ほぼパーフェクトな内容だったと言ってもいいほどだ。為田大貴も「90分通してみんな走ったし、球際で戦えセカンドの反応も良かった」と試合を振り返る。ただ最後の僅かな時間、「選手は少しプレッシャーを感じていたのかもしれない」(田坂和昭監督)。まさかの敗戦から1週間。大分の選手たちはプレッシャーを力に変える術を身に付け、讃岐の地に乗り込んでくる。

一方の讃岐は、アウェイで札幌と対戦。16分、アンドレアの左からのグラウンダーのクロスを小澤雄希がスルーし、右から走りこんできた沼田圭悟が左足で決め先制。「堅守速攻」がウリの讃岐は、力のある札幌FW陣をブロックを敷いて守りを固め、チャンスとあらば果敢にゴールを目指す。そして1点リードで迎えた後半、讃岐の悪いクセが出てしまった。50分、都倉賢を一瞬、フリーにしてしまい同点ゴールを許す。讃岐は前後半立ち上がり10分以内の失点が今季これで16失点目。その後、試合は動かず1−1で試合終了。同節、20位の東京Vも引き分けた為、勝点差は5のまま変わらず。得失点差(東京V・−18、讃岐・−35)を考えると讃岐が残り2試合を勝利し、東京Vが2連敗した場合のみ讃岐のJ2自動残留という、首の皮1枚つながった格好となった。

しかし、札幌戦を含めたここ3試合、讃岐は非常にいいサッカーをしている。今季のベストゲームともいえる試合もあった。それでも、決めきれない、勝ちきれない。これが今の順位を表しているのだろう。このサッカーを続けていれば、たとえJ2・J3入れ替え戦にまわったとしてもJ2残留は有力だ。が、今は“ミラクル”な自動残留を信じ、目の前の一戦を大切に戦う事が何よりも求められている。北野誠監督は大分戦に向け「為田大貴のポジショニングとスピードに注意しないといけない。そのほかでも個の力では大分が上」と警鐘を鳴らしながらも「だからこそ、うちは割り切って自分たちのサッカーが出来る」と自信をのぞかせた。

讃岐はブロックで守ってからのカウンター、大分は前線からのプレスに素早いトランジション、そしてショートカウンターと、どちらも得点はカウンター攻撃から狙ってくる。両チームとも勝つしかない一戦だけにカウンターのチャンスは多いはず。讃岐と大分、どちらが先に、そのチャンスをものに出来るのか!?崖っぷちのチーム同士の対戦とあって、第41節の中でも最も熱い戦い、注目を集める一戦となるだろう。

以上

2014.11.14 Reported by 中條さくら(オフィスひやあつ)
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