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【J2:第39節 東京V vs 札幌】プレビュー:J2残留とJ1昇格。それぞれの目標達成のため、一戦必勝!(14.11.01)

残留争いから一刻も早く抜け出したい20位東京Vと、J1昇格プレーオフ進出が射程圏内の8位札幌。目指すものは違えど、どちらも譲れない目標が懸かっている、正念場渦中同士の一戦となる。激戦は必至だ!

前々節、前節と、東京Vは先制しながらも勝てない悔しい試合が続いてしまっている。前節は、ドローに終わり、最低限の勝点1を積んだが、21位讃岐との勝点差『5』を考えれば、勝点3がいかに価値あるものか、誰もが知るところである。相手は上位の札幌とはいえ、ただひたすら勝利を信じて戦うのみだ。

この試合、東京Vは2つの「余裕」に注目してみたい。
1つは、メンタル的な余裕である。結果とは別として、冨樫剛一監督は、先制した直近2試合の内容を振り返り、「0-0の時間帯を増やして、自分たちの勝負所で仕掛けて、点を取るところまではいけている」と、ポジティブな要素も感じていると語る。あとは、「先に点を取って1−0で終わりにさせることを大前提にしながら、2−0にしていくこと」が課題となる。
そのために、同指揮官がまず改善の必要性を感じているのが、「1-0になってからのボールの動かし方」だという。「相手が『負けたくない』と、点を取りに来たり、焦ったりしている気持ちをもっと感じながら、余裕をもったポゼッションの形を作らなければいけない」。いずれにしても、まずは先に点を奪って優位に立つことが前提だが、狙い通りに先制した、そこから先のボールの動かし方はみどころと言えそうだ。

また、もう1つは体力的な余裕だ。なかなか複数得点できない東京Vだが、決定力を上げるための最大のポイントを、冨樫監督は「体力の余裕」だと力説する。「ポゼッションの簡単なミスで守備に走らされる時間帯があったり、ボールを奪う作業の中で、狭いサイドに追い込んでいくところで、1個のミスで切り返しで逆に展開をされてしまったり、自分たちが無駄に走らされることで、体力をロスしていることが非常に多い」。そのため、本当の得点チャンスでゴール前に上がった時に息が上がり、ラストパス、クロス、シュートという大事なところでプレーの質が落ちるのだという。今週の練習でも、そうした、猛ダッシュしたあと、出てきたボールをワンタッチで正確にさばくメニューなどを取り入れ、疲労してからのプレーの質、判断力の強化に努めている。ボールを奪い、ビッグチャンスとなって多くの選手が全速力で駆け上がってから先のプレーこそ、ファンが最も盛り上る、本当に見たいシーンである。得点機に、それぞれの能力をしっかりと発揮できるか。この試合に限らず、常に着目したい。

対する札幌は、勝てば6位大分、7位山形の結果次第では、プレーオフ圏内の6位浮上もあり得るだけに、モチベーションは非常に高いに違いない。また、前節では首位・湘南を2-0で下し、自信と勢いをつけての今節であることも十分予想がつく。相手は低迷続く下位チームだけに、取りこぼしをしないことが絶対条件とも言えよう。J1昇格争いに相応しいかを問われる、明暗占う一戦となりそうだ。

ストロングは、やはり1トップにそびえる都倉賢の存在だろう。ここ2試合も連続してゴールを決めており、好調だ。また、ターゲットとしての役割も大きく、都倉に当ててからの前田俊介、石井謙伍、荒野拓馬といった能力高い攻撃陣が絡んでの得点も、札幌のバリーションの豊富さを生んでいる。都倉と東京V守備陣どちらが競り勝つか、セカンドボールをどちらが拾えるかが、この試合の大きなポイントになりそうだ。

また、前節の会見でバルバリッチ監督が語ったように、相手にボールを持たれる時間帯とみれば、「あえて前から守備をすることはせずに、後ろでしっかりとブロックを組み、後ろでコンパクトにしてそこで役割を発揮し、相手に得点を与えない」という、割り切った戦い方ができることも強みである。経験の浅い若い選手の多い東京Vに対して、試合巧者として状況に応じた戦い方を見せるのか。そのあたりも見てみたい。

この試合の前に、同ピッチでは、チャリティマッチ『ヴェルディレジェンドスターズvs Jレジェンド&MIFA FC』が行われる。参加選手として、中山雅史さん、前園真聖さんら元日本代表選手に加え、ミュージシャンの桜井和寿さんが予定されており、多くのファンの来場が見込まれている。「もしかしたら、チャリティーマッチに興味をもって来てくれる人もいるかもしれないけど、その人たちが残ってゲームを見て、『東京Vって面白いな。また来よう』って、思ってもらえるようなゲームにしたい」ヴェルディレジェンドの一人として、冨樫監督は固く誓った。

以上

2014.10.31 Reported by 上岡真里江
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