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【J2:第37節 熊本 vs 磐田】プレビュー:前期1−3で敗れた3位磐田を迎える熊本。アグレッシブな姿勢を継続し、今季ここまでの進歩を表現したい。(14.10.19)

今月唯一のホームゲームとなる今節を含めて、残りは6試合となった。この間、ユース出身の森川泰臣と上村周平がJ3第28節を戦うJリーグU-22選抜に招集(上村は第27節長野戦、森川は今週の第29節福島戦にも招集)されて勝利に貢献するという明るい話題があった一方、MF藤本主税が今季限りで現役を退くことが発表されている。

ただ、こうしたニュースが伝えられるシーズン終盤の時期にきても、湘南が優勝とJ1復帰を決めたこと以外、まだまだどうなるか分からない状況が続く。数字上は多くのチームにプレーオフ圏に割って入る可能性があり、熊本も浮上をかけて残り6戦に臨む。3週間ぶりのホームに迎えるのは、現在3位のジュビロ磐田。京都や札幌、東京Vと同様、シーズン途中で監督が代わったタイミングでの対戦となる。
「監督が代わると、アグレッシブな方へギアが入ることが多い。磐田も積極的にボールを奪いにいく、よりゴールを意識して向かう、そういうところから試合に入ってくる意識は見られます。クオリティが高いぶん厄介ですが、そこで負けないように持っていきたい」と小野剛監督。

しかしその点、前期の試合でハットトリックを許した大黒将志を抑えるべく、ラインを高く押し上げてボールにプレッシャーをかけ続け、結果として6試合ぶりの無失点ゲームを演じた前節京都戦の経験は、今節も少なからず生かされると言えるだろう。動き出しやクロスへの入り方の上手さで大黒と前田遼一には通じる部分があり、その前段階としてまずは出どころを潰すという狙いが共通点するからだ。そのうえで、GK陣も前田の特徴を想定した対応を練習の中に落とし込んでいた。
むしろ課題は34節の北九州戦から3試合連続で無得点に終わっている攻撃面。澤田崇、齊藤和樹ともに「(シュートを)打てる場面で打てていない」と口にしているほか、小野監督も「チャンスになりそうな場面は少なくないわりに、シュートが打てていない」と話し、今週のトレーニングでもシュートチャンスを逃さないこと、相手のタイミングを外すことなどをイメージしたメニューに取り組んでいる。さらにポイントになるのは、サポートの質を高めること。「相手に押し込まれずに全体を前に押し出せれば、セカンドボールも拾えて攻撃に厚みを出せるし、自分たちのペースに持ち込める」と高柳一誠が話すように、ボールと主導権を握る時間を増やすには、単純に押し上げるだけでなく距離やアングル、タイミングなども含めて的確なサポートを繰り返すことが必要。バイタルエリアからゴールに向かう段階でのテンポ、スピードを落とさないことを意図した少ないタッチでのパス交換も意識づけていたが、それを表現するのにも良質なサポートは不可欠となる。

一方の磐田にとっても、勝点差が8と開いている2位松本山雅をとらえ、自動昇格圏に食い込むために落とせない一戦。長距離移動の疲労も考慮して前日ではなく2日前に熊本入りしたようで、コンディション調整も重視。今節は伊野波雅彦が出場停止となるものの、その不在が逆にプラスにはたらくことも考えられる。また、OBである奥大介氏が17日に交通事故で急逝されたのを受けて臨む特別な試合で、同時期にプレーして黄金期を支えた名波浩監督はじめ、選手達のモチベーションが奮い立たないはずはない。
前節の岐阜戦は立ち上がりこそペースを握られる時間帯があったが、セットプレーを確実にモノにするなどシュート8本で3得点を挙げて勝ちをたぐりよせた。相手の隙を逃さず好機をしっかりと得点に結びつけるのが強みだが、熊本に対しては前期対戦の第3節、後半に入って押し込まれ、前節と同じように3点リードから1点失っている。35節大分戦と同じ轍を踏まないよう、タイトなプレッシャーのなかでどうゲームを作っていくかがテーマになる。

熊本はこの試合、毎年企画されている「くまもとサッカーフェスタ」というイベントを実施。多くの来場者が見込まれる中、タレントの揃った磐田を相手に臆することなく、今シーズンここまでの成長ぶりを存分に表現したい。

以上

2014.10.18 Reported by 井芹貴志
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