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【J2:第37節 横浜FC vs 栃木】プレビュー:土壇場からの再起へ。この試合の目先の一勝はクラブの歴史の1ページとなる。(14.10.19)

13位の横浜FCと15位の栃木SC。ともに勝点45で並んでいる両チームの対戦となる。J1昇格プレーオフ圏内の6位岡山(勝点54)までの勝点差は9。残り6試合で勝点差9を詰めるのは一般的には非常に困難。さらに混戦のJ2にあって、多くのチームがひしめき合い、かなり他力本願となるのはたしか。さらに横浜FCは3連敗中で、栃木は前節、勝点2をアディショナルタイムに逃している。J1昇格という目標に向けて土壇場で迎えるこの試合の一勝は、両クラブにとって大きな意味を持つ。

横浜FCの直近の3連敗、6試合勝利なしの状況は、結果だけでなく戦い方という面でも徐々に悪い流れに入っている状況だ。特に第33節大分戦(9月23日@ニッパ球)では、アディショナルタイムに追いつかれ勝点2を失い、第34節京都戦(9月28日@西京極)では前半アディショナルタイムに追いつかれ、流れを相手に渡し逆転を許す。そして第35節松本戦(10月4日@味フィ西)での完敗。そして、前節は試合の立ち上がりから勢いを出せずに敗戦。14試合負けなしで急浮上する前の悪い流れを思い起こさせられる状況だ。特に試合の流れを引き寄せられていないのは、試合の入りだったり、ハーフタイムや試合終了直前でのプレーの部分。ディテールのプレーで負けない部分や、ギリギリの場面でのしたたかさなど、14戦負けなしの時のチームの強みに立ち返ることが、この試合の大きな鍵になる。

さらに、横浜FCというクラブにとってこの試合は大きな意味を持つ。10月16日に出された「横浜FCを愛するサポーターの皆さまへ」というお知らせは、横浜FCというJリーグクラブが、Jリーグクラブとして横浜で愛され続けるための大きな決意を示したものだ。お知らせの中に書かれていることは当たり前とも言えるものだが、一方でJリーグの価値観を再確認するもの。そして、横浜で起きた悲しい歴史に起因する横浜FCだからこそ、横浜で愛されることの大事さを、原点として確認する試合となる。この試合も、これまでの、そしてこれからの横浜FCというクラブの歴史の1ページ。1999年の横浜FCの歴史のスタートでは栃木SCの阪倉裕二監督がコーチとなり、以来1からクラブを作り上げてきた。その歴史は今後も続いていくものだ。また、昨日(17日)、横浜FCに所属し強化部長も務めた奥大介氏の訃報も届いた。奥氏もクラブの歴史で大きな役割を果たした1人。この試合は、横浜FCの歴史にとって重要な日となる。今シーズンの横浜FCを支えた「目先の一勝」へのこだわりを、クラブそしてスタジアム全体で見せる時だ。

対する栃木も、J1昇格プレーオフ圏内に向けて最後のダッシュのチャンスとなる。第35節京都戦(10/4@グリスタ)では、昇格プレーオフへのライバルである京都を破るも、前節の北九州戦(10/11@グリスタ)では、悲願だった連勝を逃してしまった。ブロックを引いて守る北九州に対して、じれずにボールを動かし続けた末の先制点(61分 小野寺達也)までの流れはゲームプランを着実に遂行し、ゴールをこじ開けるまでの流れも見事だった。しかし、アディショナルタイムに、ボールホルダーとゴール前でのマークの甘さを突かれてしまって失点。ワイドを使いながらボールを動かしていく形は十分に表現できていただけに、栃木にとってもディテールの甘さを解消することがこの試合でのテーマとなる。契約の関係上、大久保哲也は出場できないが、だからこそ磨き上げてきたパスワークとハードワークを見せ続けたい。

前回の対戦は第2節(3/9@グリスタ)。全体的には栃木ペースの中、瀬沼優司のゴールで栃木が先制し、飯尾一慶が同点ゴールを挙げてドロー決着。ただ、ダイナミックな動きが見られる試合だった。今回の対戦でも、ダイナミックな小気味よい展開になるだろう。

ラスト6。土壇場だからこその熱戦になることは間違いない。Jリーグ最高の臨場感を持ち、横浜のサッカー愛が詰まるニッパツ三ツ沢球技場で、その熱戦を味わって欲しい。

以上

2014.10.18 Reported by 松尾真一郎
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