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【J2:第35節 東京V vs 熊本】プレビュー:さらなる上積み目指す東京Vが、好調熊本に挑む。巻との対戦も楽しみ。(14.10.03)

東京Vは、冨樫剛一監督が就任後3試合が過ぎた。連戦だっただけに、同監督はその3試合をひとまず1つの区切りとし、自身の中で勝点数を想定していた。その中で、獲得できた1勝1分1敗での「4」は「自分が考えていた勝点は取れました」(冨樫監督)。順調のようだ。だが、それ以上に手ごたえを感じているのが、内容だと新指揮官も選手たちも語る。「敗れた富山戦の中でも、前半より後半、富山戦よりも福岡戦、勝利はできなかったけど、勝利した福岡戦よりも前節千葉戦の方が、自分たちがやれることが増えてきているなと感じています」今節も、さらなる内容良化と、そして最も大切な勝点3を目指して全力で立ち向かう。

新体制となり、特に印象深いのが、守備に強固さが増したことではないだろうか。実際、3試合で失点は1、さらにここ2試合は連続無失点が続く。「特に変わったことはない」と、金鐘必、井林章の両センターバックは口を揃えるが、全体としての守備時の距離間が非常にバランスがとれているのは間違いない。また、セットプレーの守備も、マンツーマンへと変わったことで、各々が責任感をもって相手との勝負に挑めている。そして、大きいのが、FW平本一樹の存在だろう。前線でしっかりとボールが収まるという安心感によって、最終ラインを思い切って上げることができる。他の前線選手の積極的な守備によって、うしろは限定できるため奪いやすいという部分もある。チームとして連動した守備ができていることが、冨樫ヴェルディの特長の1つと言っても過言ではないだろう。

一方、課題は、三浦泰年体制時から変わらず得点力と言えよう。攻撃の“形”に関しては、前任監督時から徐々にバリエーションも増えてきており、杉本竜士、常盤聡、澤井直人らがグループの中で個を生かせるようになってきているのは確かだ。だが、問題は決定力。ここ3試合も、常に2桁のシュート数を放ちながらも、福岡戦での1点しか決められていない。どの試合も必ず決定機は作れているだけに、あとは「(シュートやラストパスなど)瞬間のプレーの精度」(冨樫監督)を突き詰めていくしかない。世界的にみても、多くの得点はクロスからと、リスタートから入っている。だが、東京Vはいずれもゴールに結びつく数が非常に少ないのである。今季開幕戦、そして冨樫監督の初陣など、各指揮官にそのポテンシャルの覚醒を期待され、先発起用された菅嶋弘希も「もっとクロスの中に積極的に入っていきたい。点を獲ることが僕に求められている最大の仕事。早く期待に応えたい」。今週のトレーニングでは、誰よりも貪欲にゴールを目指していた。残念ながら、ここ2試合は出場機会はなかったが、出番があれば、ぜひ期待したい存在だ。

対する熊本は、9月の5試合を3勝1分1敗と、好成績で終えた。前節も、北九州に敗れはしたが、内容的には決してネガティブなものではなく、「あそこで決まっていれば」という、表裏一体のところで決まらず、惜敗した印象が強い。ここ4試合をみても、前節以外はしっかりと複数得点が取れているだけに、その原動力となっている中山雄登、澤田崇、養父雄仁、齊藤和樹、そして巻誠一郎らがいかに絡んで流動的な厚みある攻撃ができるか。守備に自信をつけつつある東京VのDF陣との駆け引きは見応えがありそうだ。

逆に、守備のところでは、ヘディングも強く、フィジカルも強い園田拓也の存在に注目したい。平本一樹、杉本竜士といった個性的な選手をどう封じるか。1対1の局面も楽しみだ。

冨樫監督、小野剛監督とも、相手に合わせて自分たちのスタイルを大きく変えるタイプではない。それぞれ、相手の長所をケアしながらも、その中でいかに自分たちのストロングを発揮し、勝利するかに徹することは間違いない。好ゲームに期待したい。

以上

2014.10.03 Reported by 上岡真里江
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