毎年言われている様な気もするが、今年のJ2は近年まれにみる稀にみる大混戦だ。首位の湘南は別として、J1昇格プレーオフ進出を争う中位は団子状態。残り試合数を考えれば、圏内の順位のクラブであったとしても、あっという間に圏外に滑落することだってある。岡山も現在5位と圏内には入っているが、おそらく気が気でないはず。逆に長崎は4試合負けなし。自分たちが主導権を持つ時間が長い試合が続いているだけに、ひとたび波に乗ればJ1昇格プレーオフ圏内も見えてくる。岡山(5位)と長崎(13位)はともに球際に激しく、切り替えの早い点が特長のチーム。さらにはシステムまでも同じ。誇りを賭けた激しいぶつかり合いとなることは間違いない。90分の肉弾戦の果てに最後までにピッチに立っているのはどちらのチームになるだろうか。
そんな岡山だが、長崎戦では累積警告が重なったことで2人の選手が出場停止となる。守備の要である後藤圭太とアタッカーの押谷祐樹だ。さらには染矢一樹や石原崇兆が9月下旬に相次いで怪我をしており、チームを離脱している。ここ3試合勝ち星がない。特に、前節の水戸戦では連敗を避けようと守備的な試合をしてしまい、影山雅永監督も試合後の会見で「終わった後に、選手たちも、表しきれないような、複雑な感じを持っていた顔をしていました。ただ我々としては、前節の札幌戦から連敗をしないということ」と明かしている。気温のせいもあったが、ゲームの内容が消化不良だったのではなかろうか。さらには「残り8試合も身体だったり、チーム内の空気などがのしかかってくる」と心身の重圧についても触れており、難しい位置にいることが伺え知れる。満身創痍で望む試合にはなるが、替わりに出場する選手はめらめらと燃えているはずだろう。
一方の長崎も燃えている。高木琢也監督は「岡山から3点を取る!」と爆勝宣言。肉弾戦になるであろう試合に向けて今か今かと目をぎらつかせている。期待したいのは、復調した佐藤洸一。ここ5試合で4得点。大分戦では追加点の絶好のチャンスをふいにしてしまったが、エースとして存在感を示し始めた。石神直哉や古部健太からのクロスにもタイミングが合ってきている。前節の大分戦前には「(得点)量産体制に入る」と言い、「予告バイシクルゴール」まで飛び出している。バイシクルとはいかなかったが、実際に得点をあげている。この男を調子に乗せると本当に怖い。またこのところ得点から遠ざかっている奥埜博亮も「イメージはできている。絶対に点を取る」と熱くなっている。
いずれにしてもミラーゲーム。共に特に秀でたテクニックがあるチームではない。球際、セカンドボール、切り替え。そういう局面を積み重ねたものが鍵を握る試合となる。90分間のぶつかり合い。最後までピッチに立っているのはどちらのチームになるだろうか。
この試合はいつもの試合が行われている諫早市の長崎県立総合運動公園陸上競技場では行われない。長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場だ。お間違えなきよう。
以上
2014.10.03 Reported by 植木修平