岡山ではチームキャプテンを設けず、ゲームごとにキャプテンが替わるゲームキャプテン制。今季これまでにキャプテンマークを巻いたのは、開幕戦・富山戦と第2節・千葉戦が竹田忠嗣選手、第3節・群馬戦が田所諒選手、第4節・水戸戦から第6節・湘南戦が近藤徹志選手、第7節・東京V戦が押谷祐樹選手、第8節・北九州戦が後藤圭太選手、第9節・札幌戦から第16節・磐田戦が中林洋次選手、第17節・松本戦から第27節・北九州戦が田所選手、第28節・千葉戦と第29節・讃岐戦が中林選手、第30節・磐田戦が上田康太選手、第31節・松本戦は押谷選手、という具合です。
前節の松本戦でゲームキャプテンだった押谷選手は、「たぶん、いつもより声を出してます」。この日の試合前には、松本の飯田真輝選手とともに「JFAリスペクト フェアプレーデイズ 差別、暴力根絶宣言」を読み上げる役目もあり、「めっちゃ緊張しました。整列前に紙をもらったので、その時に漢字だけ確認して、ゆっくり読みました」、とのこと。
また前回、押谷選手がキャプテンマークを巻いた4月の東京V戦に続いて荒田智之選手が決勝ゴールを決めたため、荒田選手に対しては「また俺の時、入れるじゃないですか」と少しだけ恩を売り、荒田選手は「自分のおかげみたいに言うんじゃないぞ」と笑っていました。後半アディショナルタイムにゴールが決まった時は、すでに交代でベンチに退いていた押谷選手。「ゴールはベンチで見ましたが、最高に気持ちよかったですね。最初に荒田くんに抱きついて、みんなが来て、どんどん外に追い出されて(笑)。ゴール後のケガにも注意ですね」
加入2年目の島田譲選手は、「昨季は何試合かキャプテンをやりました。言われたのは当日で、まさかと思った。でもキャプテンになると気合いが違ってきます」と話します。ただ、円陣を組む時に声を出すのは苦手だそうで、「声が裏返っちゃったりしたら…」と心配なんだそうです。同じことを話していたのは、先輩の千明聖典選手。千明選手は2011年以降、リーグ戦ではキャプテンマークを巻いていません。それは0−4で敗れた2011年6月の東京V戦がきっかけだったそうで、「影さん(影山雅永監督)やめましょう、って言ったんです」。さらには、「選手入場の時に、後ろのほうで雰囲気を出したいタイプなんです。それから試合前、俺に『行くぞっ』って言われたら、みんな力抜けそうじゃないですか」。こう話しますが、セットプレーの守備など、いざという時に「行ける。大丈夫」と、千明選手がチームメイトを勇気づける声を出していることは、岡山のファン・サポーターはよくご存じだと思います。ちなみに「試合が始まる時はあえて少し緩めておいて、その後、ビシッて締めたほうがいいんです。ずっと堅苦しいともたないんです」ということで、整列した時にも何やかやとしゃべっていて、よく隣にいる三村真選手から「いいから。静かに」と注意されているそうです。
最後に影山雅永監督に、ゲームキャプテンをどうやって選んでいるのかを聞いてみました。「えーとね、Jリーグのスケジュールを決めるスーパーソフトで、『日程くん』ってあるでしょ。あれと同じスタイルの『キャプテンくん』。いろんなデータを入れると、ババってふさわしいキャプテンを導き出してくれるんです」とのことでした。「それ、脳内アプリですか?」とうかがうと、「ちがうちがう。ちゃんとある」と輝く笑顔を見せてくれました。
以上
2014.09.18 Reported by 尾原千明