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【J2:第42節 富山 vs 岐阜】プレビュー:This is 富山。見守りつくりあげたチームの姿を確かめよ。服部ラストゲームに燃える岐阜とは激戦必至(13.11.24)

富山は稲作とものづくりが盛んだ。育て上げる、つくりあげることの喜びも難しさも知る人は多い。10年途中に就任した安間貴義監督も選手とともにチームをいちからつくり上げてきた。道のりはやさしくはなかった。強化部長は「富山には我慢強い人が多い。きっと待っていてくれる」と励ましたという。北陸の季節は冬に移りつつあり、試合前日23日に久しぶりの青空を見た。このささやかな出来事をうれしく思える人々が暮らす。だからこそ、苦しい時期のほうが長かった今季もサポーターは見守ってきた。そして今、チームは過去最高ともいえる状態で最終戦に挑む。今回もアグレッシブなサッカーを展開してくれるだろう。成長を信じて喜怒哀楽をともにしてきたみなさんはチームを育てた一員だと思う。これが我々のチームのサッカーだ、と誇ってよい。「今のカターレは面白い。そして強くなった」。家族や知人を誘って2013年の集大成を確認してほしい。

安間監督と選手たちは昨季と同様に最終戦も通過点と考えている。しかし、シーズンの区切りではある。「今のチームのどんなところを見てもらいたいか」と監督に尋ねた。その答えは「逆にみなさんの感想を聞きたい。『こういうふうになったが、どうですか』と」。攻守の多くの部分が理想に近づいており、かなりの手ごたえを感じている。その裏付けとなっているのが「最終戦までメンバー入りを競ってしっかりトレーニングに取り組んでくれる」という選手たちへの信頼だ。今週の紅白戦も活気にあふれていた。サブ組のDF吉川健太が前線から守備をするアタッカー陣に声をかけ続け、若手選手には「今はお前が守りに切り替えて止めに行かなあかん」と叱咤する。このような日々の積み重ねがこのチームをかたちづくってきた。途中加入のMF白崎凌兵が言う。「富山に来て、チームの一員として戦っているという実感がある。ベンチ外だった選手が心から仲間を応援する雰囲気に気づかされたことが多い」と。
MFソ・ヨンドクは「チームが出来上がった時にシーズンが終わってしまうのは残念だが、勝って気持ちよく終わりたい」。MF大西容平は「もっとやれたのにという悔しさが強い」と話す。DF御厨貴文は「最後にこのチームの力を見せられたのはよかったが、これをもっと早く、もっと長くできたらよかった。仲間との出会いは一生もの。しかし、このチームで最後の試合だからと感傷的になるのではなくあくまでも結果にこだわる」と語った。

最終戦にかける気持ちは岐阜も同じだろう。前節で残留を決め、8試合ぶりの勝利を目指して今回の「TOP OF北アルプス」に臨む。今季限りで引退する服部年宏はJ1・J2通算566試合目。富山の安間監督は「服部さんはスーパーチームの一員。Honda.FCの選手、監督として練習試合などで交流があり、どうやったら磐田に勝てるんだろうとばかり考えていた。学んだことは多い。彼の歩みを見ていると、サッカー人だな、本当にサッカーが好きなんだなと感じる。サッカーを軽く扱っていない。まだ何かあるんじゃないか、という探究心があってこれまで現役を続けてきたのではないか」と称える。そのプレーぶりから目を離せない。
岐阜からも多くのサポーターが駆け付けるに違いない。苦戦が続いたにもかかわらず、富山を上回る1試合平均4525人の入場者がチームを後押しした事実は重い。
選手・サポーターそれぞれが、さまざまな想いを重ね合わせるであろうこの試合。熱戦を期待しよう。

以上


2013.11.23 Reported by 赤壁逸朗
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