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【J2:第42節 神戸 vs 熊本】プレビュー:熊本・北嶋秀朗と神戸・吉田孝行のラストマッチとなる今節。J1復帰決定後、初のホームゲームを迎える神戸は「勝って今季を締めくくる」(安達監督)(13.11.24)

偉大なプロフットボーラーが2人、今節で現役生活にピリオドを打つ。1人は熊本の北嶋秀朗である。柏のJ1制覇(2011年)や日本代表としても活躍したストライカーは、その経験を生かし今季から完全移籍で熊本をけん引してきた。前節のホーム最終戦(横浜FC戦)で勝利を飾れなかった熊本にとって、今節は“キタジ”を気持ちよく送り出す最後のチャンス。GK南雄太のJ2通算200試合出場に花を添える意味でも、この神戸戦は勝って終わりたいところだろう。

だが、“勝って終わりたい”気持ちでは、神戸の方が上かもしれない。熊本の北嶋と同じ市立船橋高校出身の神戸・安達亮監督は「キタジももう少し(現役を)やれると思ったんだけどね。本当にお疲れさん」と敬意を表す一方で、「神戸にとってはこの最終戦は今季の集大成にしなくてはいけない大切な試合。勝って最後を締めくくりたいし、1年間応援してくれたサポーターに勝利をプレゼントしたい。それにタカのこともあるしね」と続けた。J1復帰を決めた後にまだ勝利が無いというのも負けられない理由だが、やはり横浜フリューゲルス時代からの付き合いである吉田孝行をいい形で送り出したいという気持ちも強いようだ。

“タカさん”に勝利をプレゼントしたいという気持ちは選手たちも強い。2トップを組む機会が多かった“相棒”ポポは「(吉田は)偉大な選手で、一緒にプレーできて光栄だった。日本サッカーの歴史に名を刻む選手だと思うし、この熊本戦が彼にとっていい試合になることを願っている」と言う。名門・滝川第二高校の先輩後輩でもある主将の河本裕之は「個人個人がこの最終戦には色々な想いがあると思う。自分としてはタカさんと一緒に試合に出たいと思っています」と話した。

また、今季はサテライトでの調整が多かった吉田と同じピッチでプレーする機会が多かった和田倫季は「タカさんには絶対にピッチに立ってほしい。もし自分も一緒にピッチに立てたら、試合中に泣いてしまうと思う」と話す。ベテランから神戸ユース上がりの若手まで誰からも慕われている吉田が最後に何をピッチに刻むのか、注目したいところだ。

気になるのは、吉田のケガの具合だ。現役引退を表明した後、長らく別メニューで復帰を目指してきたが、最終節の3日前には全体練習にも合流。リバウンドがなければ、なんとか間に合いそうである。吉田自身も「最終的にメンバーは監督が決めることなので、自分はしっかりいい準備してアピールするだけ」と、いつもと変わらないモチベーション。「出たら、もちろんゴールを決めたいし、全力で狙っていく」とゴールへの意欲を見せるのも、いつもと同じだ。だが、最後に言い残したコメントはいつもとは違った。
「サッカー選手を19年間もできて本当に幸せですし、最後のピッチで神戸のみんなに色んなことを伝えられたらいいですね」。

この最終節は“1年でJ1復帰”という重圧と戦い続けた神戸の集大成となるゲームである。同時に、「骨を埋める気持ちで」08年に神戸へやってきた吉田の集大成でもある。だからこそ勝つ。それが、サポーターはもちろん、神戸に関わる全ての人々の願いだ。

以上

2013.11.23 Reported by 白井邦彦
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