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【第93回天皇杯 4回戦 大宮 vs F東京】プレビュー:代表招集、負傷、出場停止……大宮もF東京も苦しいメンバー構成。注目は“トップ下の東慶悟”(13.11.16)

天皇杯4回戦、大宮はホームにF東京を迎える。両者は9月28日に同じNACK5スタジアムでリーグ戦を戦っているが、その試合は2-5でF東京が勝利した。終了間際に選手交代でパワープレーに出た大宮が、布陣変更による混乱で失点を重ねたことで大差がついたものの、少なくとも試合の3/4までは拮抗しており、狙い通りにサイドを崩して2得点を奪ったことで、「負けたけど、攻撃で良い形を作れた」(渡邉大剛)と手応えの残った試合でもあった。しかも今回、F東京は主力4人が代表招集で抜けている。「この前の試合もあるし、そういう相手になおさら負けられない」(高橋祥平)と、選手たちはリベンジを誓う。

そのF東京だが、GKの権田修一、センターバックの森重真人とチャン ヒョンス、ボランチの高橋秀人が代表に招集されている。主力、それも守備陣ばかりが引き抜かれ、さらに10日に行われたリーグ戦のC大阪戦で米本拓司が負傷した。米本は14日の練習には復帰したが、まだ痛みがあるようで、サブ組での調整で出場は微妙な情勢だ。「ボールを奪う能力が高いし、そこから良い攻撃につながっている」(青木拓矢)、まさに攻守の要となっている米本までが不在となれば、大宮にとってアドバンテージとなるのは間違いない。
まさに非常事態とも言えるが、ユーティリティ性の高い選手が多いのもF東京の強みである。徳永悠平はセンターバックもボランチもこなせるし、長谷川 アーリアジャスールはもともとボランチであり、中村北斗や東慶悟もボランチ経験がある。GKは塩田仁史、センターバックは加賀健一、ボランチに長谷川 アーリアジャスールが入るのは確定で、今週の練習ではさまざまな選手を試した結果、センターバックのもう一枚は丸山祐市か平松大志、ボランチは米本が無理であれば三田啓貴か中村北斗が穴を埋めることになりそうだ。

対して大宮も、ベストメンバーでは臨めない。10日のリーグ戦で2枚の警告を受けたズラタンが出場停止。空中戦の競り合いで負傷退場した菊地光将は脳震盪と診断され、Jリーグの指針もあり復帰はまだ先となる。加えてニールが代表に招集され、こちらもセンターバックの枚数が厳しい状況になったが、幸い、金澤慎と青木拓矢のダブルボランチがコンディションは万全ではないものの復帰しており、高橋祥平を本職のセンターバックに戻すことができる。高橋祥平も「(センターバックでやれるのは)うれしいし、ここからもう一回頑張って結果を出したい」と意気込んでおり、片岡洋介とのコンビが初めてとなる点を除けば、経験という面では心配ないだろう。

不安が大きいのはF東京のほうだろうか。もともと守備の堅いチームではないだけに、大宮にとってはチャンスなのは間違いない。「だれが出るのか分からないけど、相手の守備をしっかり突けるかが鍵になる」と、古巣との対戦となる鈴木規郎は言う。ズラタンの不在は大きいが、ノヴァコヴィッチを起点に長谷川悠もしくは鈴木が「裏に飛び出したり、動き回ってボールをもらう」(鈴木)ことで、F東京の守備を崩しにかかる。また前回対戦で機能したサイド攻撃も練習で時間をかけて取り組んでおり、長谷川悠や鈴木の「クロスに入っていく動き」(渡邉大剛)を生かせればチャンスは増えてくるはずだ。
F東京としては、大宮に反撃もさせないほどに攻撃で圧倒したいところ。そのキーマンになるのはルーカスと東慶悟。ルーカスは前回対戦でハットトリックを達成しているし、得点は少ないが東が相手にとっていかに厄介な選手であるか、大宮が一番よく知っている。C大阪戦ではハーフタイムで米本が退いた後、長谷川アーリアジャスールがボランチに下り、東がトップ下の位置に入ってチャンスを演出し、微妙なオフサイド判定に泣いたがゴールも揺らした。「ボールを受けに下がるかと思えば、最終ラインの裏にランニングしてくる。それでラインを下げられて、スペースができるし、FWにクサビのパスコースも空いてくる」と、渡邉大剛も“トップ下の東”に警戒する。ボールを受けて仕事するタイプのルーカスか、ボールのないところで仕事のできる東か、どちらがトップ下に入っても大宮には危険に違いないが、できればNACK5スタジアムで、本人が最も輝く位置に入った東と、それを古巣がどう抑えるかを見てみたい。

リーグ戦での優勝、ACL出場も望めない両者にとって、天皇杯は残された唯一のタイトルであり、ACL出場への道である。リーグ戦で後半に急失速した大宮は天皇杯で勝ち残ることで意地を見せたいし、ルーカスとポポヴィッチ監督が今シーズン限りでチームを去るF東京は1試合でも長く彼らとともに戦うために、12月22日の準々決勝にたどり着きたい。ベストメンバーで臨めない状況下で、チーム全体の、その気持ちの強さが試される試合になるだろう。

以上

2013.11.15 Reported by 芥川和久
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