11月16日(土)第93回天皇杯 4回戦 鹿島 vs 広島(15:00KICK OFF/カシマ)
-試合速報はこちら-
----------
リーグ戦が残り3試合となったところで天皇杯4回戦に大会が切り替わり、リーグ最終節で対戦する鹿島と広島が対戦する。シーズンも佳境を迎え、リーグ戦3位、4位の両チームは優勝を目指しているだけに勝ち続けることが重要だ。ここでつまずくわけにはいかない。
ただ、最終節の前哨戦になるかと思われたが、その様相は少し変わってきそうだ。まず、日本代表の欧州遠征に鹿島からは大迫勇也が、広島からは西川周作が招集され、この試合には出場できない。鹿島にとってはエースストライカー不在となり、もう一人の点取り屋であるダヴィに期待がかかっていた。しかし、そのダヴィが風邪でダウン。練習を二日間回避して、広島戦の出場も危うい状態となってしまった。現在、1トップを採用している鹿島にとって、この二人がいないとトップを務める選手がいなくなってしまう。万が一のときは、中盤出身の選手を多用するゼロトップで戦うことになるだろう。
とはいえ、選手たちはそこまで事態を重く捉えていない。前日練習ではFWの位置でプレーしていた本山雅志は「やることは変わらない。誰が出ても勝てるようにしたい」と、自信を垣間見せる。実際、紅白戦などでサブ組に純粋なストライカーがいないことはこれまでも何度もあった。例えダヴィが間に合わなくとも、そこまで大きな痛手にはならないように思われる。選手たちもその覚悟をもっていた。もう一人の攻撃的な選手である土居聖真は「サブにも主力級の選手がいる。チーム力が試されると思う。明日は点取り屋になりたい」と、意気込んでいた。
森保一監督が率いるようになってから、鹿島は広島に勝てていない。独特の戦術である[3-6-1]の布陣に手を焼いている。今週も、その広島対策に時間を費やしており、試合前日まで細かな動きを確認する念の入れようだった。
リーグ戦では第3節に対戦し0-0の引き分けに終わっている。その試合では、鹿島の守備がラインの上げ下げに気を遣うことでよく機能し、佐藤寿人をほぼ完全に封じ込めた。ただ、そのやり方に慣れていなかったこともあり、体力の消耗が激しく後半は失速。前後半で、試合を支配するチームがガラリと変わる展開となった。しかし、その試合では高萩洋次郎がピッチに立っていない。攻撃に多彩な彩りを加える創造主がいないことで、攻撃のパターンが狭まっていたのもまた事実。今回は、前線の佐藤寿人、石原直樹、高萩洋次郎の3人が揃うだけに、鹿島の守備の真価が問われるだろう。
また、西川周作の代わりに出場すると目される増田卓也は、流通経済大学で山村和也とチームメイトとして汗を流した仲だ。
「マッスー(増田)も熾烈なレギュラー争いをしてると思うので、成長した姿を見せられたら、と思いますね」
山村は対戦を楽しみにしていた。
この試合に負けるとシーズン終了がリーグ戦最終節になってしまう。それは12月早々に2013年シーズンが終わりを告げると言うことだ。それを避けるには勝利しか道はない。
以上
2013.11.15 Reported by 田中滋