本文へ移動

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第40節 京都 vs G大阪】レポート:G大阪が京阪ダービーを制す。互いに持ち味を出した好ゲーム。京都は今後に期待を持てる内容(13.11.11)

注目の京阪ダービーは、京都が力及ばず、2失点で苦杯をなめた。
メンバーは、G大阪は前節通り。京都は、バヤリッツァがコンディション不良で、センターバックに内野貴志が入り、G大阪からの期限付き移籍のため今節出場できない横谷繁に代り、三平和司が起用された。山瀬功治の1トップで三平が右に入る。
ゲームは、元気よく京都が前に出ようとするも、4分に、G大阪のFKで宇佐美貴史に頭で合わせられ決定機を作られると、G大阪のパス回しに京都が翻弄される。15分にもG大阪のつなぎから中央部、京都DFはパスで背中を取られ宇佐美にシュートまで持ち込まれる。宇佐美はその後18分にもシュートを放ち、シュート数が少なかった今節において4本ものシュートを放った。
スコアが動いたのは28分、G大阪が左サイドでつなぎ、藤春廣輝がクロス。オ スンフンが飛び出し、触るもDFと交錯。そのこぼれ球を今野泰幸が決めてG大阪が先制する。
スコアが動いた後は、京都がボールを持ち始め、37分に工藤浩平がミドルで狙うも、これはバーに弾かれた。

後半に入ると、京都がボールを持つ時間が長くなる。しかし、G大阪も要所を締め、京都はフィニッシュまで持ち込めない。63分に右サイドを駆け上がった下畠翔吾がシュートまで持ち込む。77分には相手ボールを奪った福村貴幸がパスを出し、そのまま駆け上がりシュートを放つ。
G大阪もCKから西野貴治が頭で合わせて見せ場を作る。そして86分、G大阪が試合を決める追加点を奪う。京都陣内でボールが高く上がると、これを京都DFが処理しきれずにこぼれる。これを遠藤保仁が中央の大森晃太郎へつなぐと、持ち込んだ大森が決めて2−0に。結局、このスコアのままタイムアップ。G大阪が京阪ダービーを勝利で締めくくった。

G大阪は後半、京都に押し込まれて、ボールを奪っても攻撃を繰り出せなかった。そこを長谷川健太監督は、宇佐美から、ポストプレーも出来る佐藤晃大にスイッチ。長谷川監督の、攻撃の基準点を作った、こうした的確な采配も光った試合だった。
さらに、試合序盤のG大阪のパス回しも切れ味良く、その時間帯にシュートを放ち(G大阪にしてみれば当たり前なのだろうが)、きっちりと先制点につなげたあたりはさすがだった。

京都としては、今節のG大阪戦、ようやくスタート地点に立った様な試合だった。「ボールを握って攻撃する」と試合前に大木武監督が話していた通りに、京都がボールを握って攻撃する時間は長かった。だが、シュートは少なかった。
今季を振り返ると、第22節・東京V戦(5-0勝利)辺りで、ボールを握りつつ前線がアクションを起こしてゴールを奪う戦い方が表現出来る様になった。自分たちのサッカーで点が取れる確信めいたものが生まれた時期だったが、それをG大阪相手に「ボールを持つ」というところまで出来たのだ。
試合後、選手たちからは「ボールを回してもシュートを打たないと…」という意見があったが、それも、以前悩んできた道である。それをJ2レベルのチームで出来る様になり、今度はJ1レベルのチーム、鹿島、神戸、G大阪相手にやろうとして、今節、ようやくボールを握る所まで来た。そういう意味でスタート地点に立ったのではと感じたのだ。

一つ例を出せば、後半に三平が飛び出して、そこに工藤が浮き球を送り、三平が頭で落とした場面があった。第24節の松本戦で京都の得点は同じく三平が裏に飛び出し、空中戦に持ち込み、相手の頭でのクリアを山瀬が拾ってシュートを決めたものだった。若干の違いはあるが、やろうとしているのは同じ事。これが松本では押し込む形からゴールが生まれ、G大阪戦ではなかなかフィニッシュまで持ち込めなかった。繰り返し攻撃を続けて磨き上げることだろう。そして、G大阪だろうが、他のJ1チームだろうが、自分たちのサッカーからゴールを奪い切る迫力を出せる様にしたい、ということだ。
欲を言えば、後1、2試合J1チームと試合をして「ボールを握る」ところから「攻撃をブレイクする」ところまで持ち込める確信、自信を付けて欲しいと思ったが、それは不可能。後は、この試合で得た感覚を基に、力を付けていかないといけないだろう。
敗戦は悔しいが、でも、道筋も観えて来たゲームの様な気がする。今季、残りわずかだが、まだまだ成長はできるはずだ。

以上

2013.11.11 Reported by 武田賢宗
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

J.LEAGUE TITLE PARTNER

J.LEAGUE OFFICIAL BROADCASTING PARTNER

J.LEAGUE TOP PARTNERS

J.LEAGUE SUPPORTING COMPANIES

TOP