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【J2日記】神戸:ある危機感(13.10.03)

第35節(9月29日)・ホーム水戸戦で引き分けた神戸は、同日にG大阪が愛媛に敗れたため、5月(第15節)以来の首位に返り咲いた。10月2日の練習後、記者に囲まれた安達亮監督は開口一番でこう話した。

「なんで首位なのかわからない。9月は天皇杯も含めて負けなしという結果だったけれど…。結果が一番大事、でも良かったのは結果だけだからね」
第30節の東京V戦で連敗を2で止め、続く福岡戦(第31節)では4−0の完勝。第32節(9月1日)・北九州、第33節(9月15日)の長崎戦ではなかなか結果が出せていなかったアウェイゲームも制した。第34節(9月22日)で12戦負けなしだった徳島にも勝って、リーグ戦5連勝の快進撃。しかし、長崎や徳島にはゲームの主導権を握られ続けるという苦い白星となった。「なんで首位なのか…」には、そういう事情が含まれている。

残り7節となった現時点で、3位の京都とは勝点12差。あと勝点10以上で自力でJ1への自動昇格が決まる状況だが、相馬崇人は「よっぽどのことがない限り、ひっくり返されないと思うけど…」とやや表情を曇らせる。もちろん、「どこが相手でも簡単には試合を運ばせてはもらえないのはわかっている」(相馬)が、やはりここ2、3試合の内容が気にかかる様子。それが原因で、ある危機感も芽生えているようだ。
「今季からJ1に上がった大分や湘南がなかなか勝てていないのを見て、仮りに今の状態で上のステージに行っても勝てないんじゃないかと。チームの中に、そんな危機感みたいなものがある」
昨季J2で圧倒的な強さを見せた甲府でさえ、9月が終わった時点で15位。湘南と大分はJ2降格ラインの16位よりも下で、最下位の大分に至ってはここまでの27試合でわずか1勝のみと苦しんでいる。神戸もその二の舞にならないか…。

まだ昇格も決めていないのに何を心配しているのか、という声も当然あるだろう。だが、5年や10年という長いスパンで考えた時、“勝てた”という受動的な試合よりも、“勝った”という能動的なゲームを増やす必要があるのかもしれない。
そういう意味で、神戸にとってのJ2残り7試合は1つ1つが将来へつながる試金石となるに違いない。その第1ラウンドとも言える今週末のアウェイ千葉戦は、結果はもちろん勝ち方でも成果を見せたいところ。ケンペスや谷澤達也、兵働昭弘ら豊富なタレントを擁す千葉に対して、神戸は自らアクションを起こして主導権を握れるか。首位に立った神戸だが、楽観的な雰囲気はない。むしろ、チャレンジャーとして佳境の大一番に臨む。

以上

2013.10.03 Reported by 白井邦彦
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