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【J1:第27節 湘南 vs 浦和】曹貴裁監督(湘南)記者会見コメント(13.09.28)

●曹貴裁監督(湘南):

「お疲れ様でした。うちにいる選手たちは、技術、戦術、メンタル、フィジカル、経験、1対1の強さ、チームスピリッツなど、いろいろと勝負を決める材料はあると思いますが、僕は本当に監督として……というよりも、彼らをいち青年としてというか、人間として付き合っているつもりなんですけど、本当によくやってくれたと思います。

僕は今日の試合は2年間でベストゲームだったんじゃないかなというぐらい、我々らしさを出した上で、逆転もできて、本当にこう、言ったら選手の成長に、俺が追いついていないなということを素直に感じています。彼らは自分の判断でプレーをしたし、勝ちたいと思う気持ちを前面に出した。もっと助けることが出来たなというふうに、今ずっと思っていますけど、助けてあげられなくて申し訳ないなと思ってます。うちにいる選手、外国人も含めてですけど、日本のサッカー界の中で、あまり名前と顔が一致する選手はそんなにたくさんいなかったかもしれないんですが、今日見ていただいたお客様には、3番は遠藤だとか、8番高山だとか、22番は左利きの大野なんだとか、ちっちゃいけどあの40番はドリブルが上手いねだとか、そういったことが分かるような試合だったと思います。戦術的にとか相手のこととか、色々言いたいことはありますけど、僕が会見でそのことを話してしまうのは無意な感じがするので、今回は止めておきます。皆さんがご覧になって、もしくは後でビデオを見て、我々はこうした方が良かった、ああした方が良かったという忌憚のないご意見をいただければ良いかなと思います」

Q:助ける手だてがあったかもしれないというのは、具体的には?
「全てですね。交代だったり、やらせ方だったりということを含めて、もちろん結果論にはなってしまうんですけど、その結果論に至るプロセスが100%、120%できたかというとできていなかったなと、自分を客観的に見て思うので。詳しくはあまり言えないですが、今はそういう気持ちです」

Q:2-2の引分けは勝点をとることができた引分けか、勝ちを逃した引分けか?
「心情的には勝ちを逃した引分けだと思っていますけど、チーム全体としては勝点を積み上げられた試合だったとも思っています。というのは我々はゴールディファレンス(得失点差)があまりよくないので、上のチームと2勝して、相手が2敗してもひっくりかえらないので、この勝点1はそこまで詰められたという実感はあるので、3を取りたいけど、最低1を取るという風には考えています。
ただ、プラス2を積み上げられなかった悔しさと自分への腹立たしい想いが残っているだけで、勝点1は悪い結果ではないです」

Q:ベルマーレは完全にJ1レベルのチームになったと思うが?
「J1のレベルがどうかと言われると分からないですが、ただ、選手たちの成長は間違いなく感じています。ひとつひとつのプレーへのこだわりとか、クリアのボールをロストするとかじゃなくしっかり後ろから繋ぐとか、複数で崩していくとか、J1で最初のほうの試合は全くそれが出せない時もありました。ただ今は、自信をもってやれている。今日、ピンチになった場面もありましたが、あのリスクを冒さない限り練習をやっていても意味がないと思っているので、あのリスクがあるから前に長いボールを入れましょうじゃ、なにも変わらないと思っています。
J1のレベルがどうかは分からないけど、選手は成長していると思います」

Q:終盤に失点するシーンがあるがそのあたりの理由は?
「終盤に失点が多いという、もちろん現象だけ見たらそうだと思うんですけど、全く昔の失点の仕方と今の失点の仕方は違うと思っています。
ゲームを90分コントロールする中で終盤に失点をしているのか、最後に足が止まって相手に好きなようにやられて失点しているのか。同じ1点でも質のところは違うと思っています。
今日の試合において終盤の失点があるというのは、すぐに何かを直さなければいけないということではないと思います。
それこそ最初の1点のほうがなんとかしたかったという想いが強いです。それを自分たちの課題として反省して、次に繋げなければいけはいと思います」

Q:選手が成長し判断の質などが上がっていることは間違いないが、今年J1で戦っていることが大きいのか?もしJ2での戦いならこれだけの成長はないのか?
「もう間違いなくJ1で戦っていることが選手たちを成長させていると思います。
というのは、ミスをしたらすぐ失点に繋がる。逆に判断が遅れたらシュートを打てない。全て自分たちの何かで、相手に逆にやられてしまう、点をとれないという状況です。僕とあなた(記者)の距離を、僕がプレッシャーと感じるのか、もっと近くてもプレッシャーと感じないのか、それは人それぞれです。一番いいのは、どんな距離でもプレッシャーと感じないのが一番いいんです。(立ち上がって)この距離でも、全然ボールをもらえると。でもJ2だったらこの距離に広がらないとボールをもらえないようだったら、当然隙間でボールを受けることはできない。いくら指導者がボールをもらえって言っても、選手ができたという成功体験を重ねないと、それこそ机上の空論で終わってしまう。J1という舞台が彼らのうまくなりたいとか、チームとしてやらなければいけないことを加速させていることは間違いないです。だから僕の指導とか全くないです。僕はそう思っています。成長できる場を、彼らが今楽しんでやっているだけ。その場にいれる幸せは、この順位にいて言うのもおかしいですけど、すごく感じています」

Q:終了間際の退場は痛かったと思うがあのプレーについて。
「プレーだけを見たら、余計なファールだと思います。だけど僕はアイツ(大竹)がそれこそラフプレーみたいな感じでやり合って、自分のメンタルをコントロールできなくてという気持ちはあったとは思うんですけど…でも、あんなアイツを見たことないです、昔から。悪いプレーかもしれないです。チームにとってもマイナスだったかもしれないです。コイツ絶対に負けたくないんだなということも伝わってきたし、それは本人に話をしますけど、あれで、またアイツは成長すると思います」

Q:選手の意識を高めるのが指導者の仕事、役割だと思っているが、そのことについて。
「僕は選手の時、全然いい選手じゃなかったし、何も残すことができなかった。ただいつも選手の時に思っていたのは、悪いから、ミスをしたから求められていることが変わるとか、結果が出ないから言ってきたことが変わるとか、一番困るのって選手なんですよ。
それはどんなに周りが批判してもどんなにあのサッカーじゃダメだと言われても、同じことをずっと言ってもらえるというのは、選手にとってはすごく有難いこと。“縦パスを入れろ、でもとられたら横にパスしろ”って言った瞬間に、選手は自分で判断しなくなると思うんです。僕の拙い選手経験から考えるに。
ですから、強いて挙げるとしたら、去年から今年にかけて、1回も言うこと変えてないです。勝っても負けても。勝ってもできなかったら言うし、負けてもできてたらよくやったと言う。そのスタンスは、アマチュアイズムの域を越えないと自分で思ってるんですけど、でも指導者としてというか人としてその部分は自分の中でも譲れない。そういうことを常に、朝起きたらおはようございますって言いなさいって、親が子どもに教えるように、僕が選手たちに求めていかないと、求め続けないと選手たちは変わらないと思う。選手より僕のほうが偉いから言うこと聞けなんて、全く思わないし、たまたま立場が違うだけで僕はいいようになるために指摘する、彼らはプレーするという、お互いの責任範囲が違うだけだと思っています。
強いて言うなら、言うことを結果によってとか状況によって変えない。変えちゃダメだ、変えちゃダメだと常に思っています」

Q:守りに入るのではなく、常にリスクチャレンジをしようと?
「リスクにチャレンジすることだけじゃダメだろうっていう考えもあるし、リスクにチャレンジし続ける考えもある。
『僕らは攻撃だけでリスクにチャレンジし続けたからいいじゃないですか』って、僕が言ってるのはそうじゃないんです。リスクにチャレンジするっていうことを選手が選ぶことが大事で、ただリスクにチャレンジすればいいというのはただの責任放棄になる。勝負にこだわらないリスクチャレンジなので、意味がないんです。勝負にこだわるからリスクにチャレンジするのであって。マインド的なものは、映像を見せたり、直接言ったり資料を見せたりしながら選手たちに伝えようと努力はしています。リスクにチャレンジすることがいいことなのではなくて、勝負に勝つためにリスクにチャレンジすることが大事。勝負を度外視して自分の好きなサッカーをやらせているというのは違うと思います。その大枠をしっかり分かってないと、選手としての成長もないかなと思います」

以上
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