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【J2:第35節 松本 vs 栃木】プレビュー:この先に可能性を繋げるためのサバイバルマッチ。勝敗のカギはセットプレーにあり(13.09.29)

早いもので9月も最終週、2013シーズンも残り8節となった。まず両チームの現在地点を振り返っておこう。ホームの松本は14勝12敗8引き分けで勝点50、アウェイの栃木は12勝12敗10引き分けで勝点46となっている。両チームの目標が『J1昇格プレーオフ出場』である以上、お互いに容易な状況ではないという現状だ。昨季、6位でJ1昇格プレーオフを勝ち抜いて見事下剋上を果たした大分の積み上げた勝点が71であったことを踏まえ、中位が団子状態の今季も6位以内に入るためには、勝点が65〜70は必要と予想される。であるならば残り8試合で、松本は5勝以上、栃木は6勝1引き分け以上の結果が求められることになる。その意味で、まさに今節は勝点3を得たチームがこの先に可能性を繋げるためのサバイバルマッチとなる。

前節・G大阪戦を2-2で引き分けた松本だが、白井裕人が左足関節外側靭帯損傷で全治6週間と診断され、阿部巧も出場停止となる。代役は村山智彦と飯尾竜太朗が濃厚だ。「(阿部)巧もいい選手だが、自分も守備や1対1の部分では負けたくない。チャンスはチャンスなので、自分の力を試合で表現したい。コンディションもいいし、問題ない。栃木はやはり外国籍選手には力があるのでマッチアップは楽しみ。ただ、相手どうこうよりも自分たちのサッカーで戦うことが大事。今節は大切な試合になる」と“自分たちのサッカー”を表現し、大切な試合で勝点3を掴み取る覚悟だ。

一方の栃木に激震が走ったのは今月13日だった。約5年間の長きに渡り栃木の指揮をとってきた松田浩監督がシーズン途中で退任、新監督に松本育夫取締役が就任する荒療治を用いた。『我がサッカー人生に終わりなし』とリーグ最年長監督(71歳)ながら。『人の心に火をつける』サッカーへの情熱は健在。かつてピッチ内外で混乱状態にあった鳥栖を『尽くしてみないか、全力を』と選手たちに問いかけて立て直した手腕は本物だ。ちなみに鳥栖の監督就任前には、わずか21人の地球環境高校サッカー部(長野県佐久市)を『燃えてみないか、今を!』と率いて高校選手権へと導くなど、長野県にも縁深い指導者である。

この熱さこそ、11試合勝利から遠ざかるなど煮え切らない状況が続いていた栃木には必要だったのだろう。松本新体制へと代わってからチームは2戦2勝。もとより人材は豊富だ。特に前線のサビア・クリスティアーノ・廣瀬浩二・近藤祐介は個の能力が高く、「個人でシュートまで持ち込める」(喜山康平)だけに注意が不可欠。1対1などの局面で負けないように意識を高めていきたい。

またカギを握りそうなのはセットプレーだ。「育夫さんになってもサッカー自体は大きく変わっていないが、選手の配置とコーナーキック時の守備がゾーンからマンマークに変わっている」と指揮官は僅かな変化も分析済み。コーナーキックの場面で松本はどう攻め、栃木はどう守るか――。その読み合いも間違いなく勝敗を分けるポイントになるだろう。

以上

2013.09.28 Reported by 多岐太宿
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