今季初の2連勝で最下位脱出がかなったと思った矢先の前節・札幌戦。守備陣がミスがらみで大崩れし、0−4の敗戦を喫し、再び最下位転落となった。今節の相手は、勝点差が6ある北九州。気が付けば、21位の群馬との差は2、20位の鳥取との差は5と、再び厳しい状況に追い込まれた。これ以上、下位集団から引き離されないためにも、絶対に勝点3がほしい。
この試合、岐阜はいかに守備陣を安定させられるかがポイントになる。前節の混乱を払しょくし、ホームでどこまで立て直せるか。キーマンは益山司だ。3バックの中心に位置し、札幌戦では野垣内俊、新井辰也と組むなど、周りのメンバーが変わる中でも、DFリーダーとしての責務を担ってきた。この試合の3バックの顔ぶれも変わることが予想されるだけに、彼のリーダーシップに期待したい。そして服部年宏と森安洋文のダブルボランチが積極的なビルドアップを図れるかもポイントになりそうだ。
北九州は八角剛が好調で、彼の作り出すリズムを全体に波及させてしまうと、非常に厄介だ。さらに小手川宏基と森村昂太の両サイドは縦だけでなく、中央にも入ってこれる。彼らに自由を許すと前線の池元友樹、キム ドンフィという強烈な2トップが躍動することにもなり非常に厳しくなる。そのためにこの試合でも両ウィングバックの運動量が求められる。上下のアップダウンだけでなく、ボランチのケアと前線3人との距離感。ここが狂ってしまうと、たちまち中盤が間延びをしたり、それこそ相手に中央のスペースを好きに使われてしまう。暑さと連戦で疲労がたまってきているとは思うが、染矢一樹と杉山新には大いに期待をしたい。
アタッカー陣に目を向けてみると、鳥取戦で嬉しい今季初ゴールを決めた樋口寛規に期待をしたい。鳥取戦のヘッドで実証したように、彼はアタッキングエリアでは持ち前の力を発揮できる。しかし、今季は守備に忙殺され、なかなかアタッキングエリア内での仕事に集中できなかった。彼が活躍するには、彼のポジションを高い位置に置かないといけない。そのためにも、前述したように3バックのラインコントロール、ダブルボランチのタイミングの良いビルドアップ、両サイドバックの運動量と、チーム全体で複合的な部分を意識していかなければならない。
果たして岐阜は再び浮上できるのか。この試合はその分かれ目ともいえる試合になるだろう。大事な大事なホーム2連戦の初戦。絶対に落とせない試合だ。
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2013.06.28 Reported by 安藤隆人